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第10話

━━━キーンコーンカーンーー!

「危なかった〜!!始業の鐘が鳴る前に教室来れた······」

 学園の近隣に位置している森から走って帰って来たライウスは教室に着く頃には息を荒くしていた。

「おーい!ライウス、今までどこにいたんだよ?あれからずっと探していたんだぞ!帰宅部に行っても誰も居なかったし···」

 クラウスはライウスを見つけられて安堵しているようだ。

「いや~、帰宅部の先輩たちに森に残されたんだよ···」

 苦笑いするライウスを見て、クラウスはとても心配してくれた。

「今から授業を始める。早く席に座れ~!」

 先生の言葉が教室中に響く。

「ヤベッ!早く席に着こうぜ!!」

 ライウスはクラウスと共に出席番号順に整列された席に座るのであった。


「あ~、全然分からん~!!ライウス、分かったかさっきの授業」

「まぁ、何となくは···」

「あなたたち、あんなので悩んでは今後が心配だわ···」

 後ろの席から二人の肩に両手を置き、話しかけてきたのはマリアだった。

「そういうマリアはどうなんだよ!!」

「私は分かったはしっかり!!」

 自慢気そうにしているマリアにクラウスはビシッと言いつける。

「お前、授業の途中寝てたよな···」

 マリアは急に頬を赤くして照れる。

「はぁ···!」

 マリアはその場から逃げるように教室を出ていった。

「何だったんだ?」

 多分だが、お前の言葉はあいつにとってとても恥ずかしいことなんじゃないのか。

 ライウスは思ったことを言葉に出さずに心にしまった。

「そうだ!次の授業、校庭での野外運動じゃなかったか!?早く着替えに行くぞ!」

 こうしてライウスたちは運動着に着替えるため更衣室に向かうのであった。


「······先輩!僕と、僕と付き合ってください!!」

 校舎裏で女子生徒に告白をする男子生徒が窓越しから見えた。

「あれって、メリッサ先輩じゃない!?始業式の次の日から告白とかどんだけモテんだよ···」

 クラウスは少ししょげてしまう。

「もしかして、お前少し狙ってたのか?」

「ほんの少しな!!」

「無理な恋は追いかけない方が良いぜ!」

「だから、ほんの少しだけって言ってるだろ!!」

 ライウスたちはメリッサ先輩が告白されている現場を後にして、更衣室へと向かった。

「この服、スゲー動きやすいな!?」

「そりゃー、国内有数の進学校だぞ!使われる道具は全て一級品だろ」

 確かにそれはそうか···。

「早く行こうぜ!」

 クラウスに連れられ、屋外にあるスタジアムへと向かった。


「全員いるかー?今から出席取るから、呼ばれたら返事しろー!」

 次々とクラスメイトの名前が読まれていく、先生は点呼をし終えると横に並んでいる三人の者を紹介し始めた。

「この人たちは君たちより9個上の高等部一年のお方たちだ。これからこの人たちに授業をしてもらうのでしっかり聞いておくようにな!」

 先生が話し終えると隣に立っていた三人の中の一人が話し始めた。

「僕の名前はエリック。この学園の高等部に所属している一年生だ。今回は魔法技能についての授業ということで僕ら三人が呼ばれた。僕らの話を良く聞いて、学んで帰るように!いいね」

 明るそうな人柄が容姿にまで出ている男子生徒と二人の女子生徒が今回は僕らに魔法技能について教えてくれるようだ。

「まず、魔法には7つの系統があることは知っているかい?そこの君、答えてくれ···」

「えっーとまず、火と水、そして風と土、後雷···他は···?」

「惜しい!今、答えてくれたように火と水、そして、風と土、雷は五大属性というその他に光と影の二つの属性を加えた7つの属性がある。一般的に最初に言った五大属性はこの世界の誰もがそれぞれの属性を使える。しかし、残りの二つの属性は千万人分の一の確率でしか生まれないとされているよ」

 こんな感じの話を30分するとエリックと言う者が両手を掲げる。

「それじゃ!これから簡易魔法をみんなで唱えよう!まずは見本を見せるね!両手に体全身にある魔力を注ぐイメージで、魔の神よ!この手に物体を生成し、飛ばす能力を与えたまえ!ショット!」

 エリックの両手から生み出された雷の矢は一直線に10mほど離れた的に的中する。

「こんな感じで魔法を唱えてみよう!」

 次々とクラスメイトはエリックのしたように詠唱をし始める。

 その時だった!一人の少年が生み出したものが白く輝いていて、一直線に的を貫通したのだ。

「君はまさか、光魔法の使い手!?凄いよ、君はこのクラスの期待の星だよ!!いや、この学年の期待の星だ!!」

 訓練講師であるエリックは光魔法の使い手がいたことにとても驚いてしまった。

「みんな~!光魔法の使い手がいるからといって、自分を下げなくていいよ!確かに光魔法の使い手は千万人分の一の逸材だけど、五大属性の人たちだって、凄い人はいるんだよ!めげずに頑張りましょう!!」

 二人の女子生徒は僕らの気持ちを察したのか、気持ちを落とさないように気を使ってくれた。

 えっーと、確か詠唱は魔の神よ!この手に物体を生成し、飛ばす能力を与えたまえ!ショット!だったよな···、ってえぇ!?言葉に出さなくても魔法って生成できるの!?

 ライウスが放った土の矢は言葉に出して詠唱する前に放たれてしまう。おそらく無詠唱で魔法を撃ててしまったのだ、ライウスは······。

 そんなことを知らないクラウスがライウスの下へ向かってくる。

「どうだ撃てたか?俺は火の矢が撃てたぜ!」

「僕は土の矢が撃てたよ、」

「そっか、ライウスは土属性なんだな」


「はぁー!!今回の授業はめちゃくちゃ楽しかったな、ライウス!」

「そうだね!」

「俺はこれからもっと火属性の魔法を使えるようになっていきたいぜ!」

「頑張っていこうね···」

「おう!」

こうして今日の授業が終わるのであった。

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