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闇企業から解放されます~。フワァ~~~

 異世界に伝わる伝説のお話。

━━━旧暦190年━━━

 とある王国が3人の極めし者を異世界から呼び出した。

 1人は武力を極めた者。誰にも負けない強さを持ち、誰にも負けない気力を持った者。

 1人は知力を極めた者。誰にも負けない賢さを持ち、誰にも負けない策略者になった。

 1人は魔力を極めた者。誰にも負けない魔力量を持ち、誰にも負けない魔法技術を持った者。

 この3人がとある王国に召喚されてからのこと、対国になった国はことごとく屠られ消滅していく。隣国や小国は3人の極めし者を恐れ、王国の言いなりになる定めになった。とある王国はますます権力を持つようになり、どんなことも意のままになった━━━。だが、上手く行く話にはいつも大きな裏があるもの、時代は変化を求めるものだ。

━━━旧暦220年━━━

 とある王国は突然の裏切りによって、突然消滅した。そして、新しい国が建国された。

 この新しい国はすべての国を征服し、強制的に【七条禁書】を作り出した。

《一条|争いごとが起きた場合は正式の場での決闘で決めるべし》

《二条|今後の建国は禁ずる》

《三条|知識有るものは帝国にて我らの知力の極者と勝負するべし》

《四条|武力あるものは帝国にて我らの武力の極者と勝負するべし》

《五条|魔力量の高い者は帝国にて我らの魔力の極者と勝負するべし》

《六条|他人の物は盗むべからず》

《七条|これらの規定を破った場合、永久追放をかす》

 このルールが作られてから一度も大きな戦争はなく、一度も国が築かれていない…。


|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━|


 俺の名前は篠原海斗。入社した会社はブラックで入社初日から2週間一睡もしないで働いていたら体がもたず入院…。入院した直後に会社側は俺のことをクビにして、働く先を失う。

 ······闇会社はどこまでも闇を持っているらしい…。

 医療費を払うお金が無いため、親に肩代わりして貰った。···これ以上親には迷惑を掛けたくない。

 ━━━そんな時のことだった…。

 医療機器に写されている心拍数が徐々に低下していく。それに気づいた夜間ナースさんが早急に医者を呼ぶ。

 篠原海斗は迅速に手術室へ移動され、数人の医者がオペを始める。

 ━━━俺…、このまま死ぬのかな…?何でこんなに悪い人生だったのだろう。小学校の頃は親の転勤が多く友だちが作れず、中学と高校ではいじめられるほどではなかったが影で悪口を同級生に吐かれる日々。会社に勤めるもののその会社はブラック企業で入社2週間で病院行き、とんでもない人生だった。次の人生があるなら人に関わらずに生きていきたい······。

 「━━━ピー···ピー···ピー······」

 機械音が突然と途絶える。数人いた医師全員が行っていた作業を止める。

 ━━━俺は死んだらしい…。死後の世界は案外真っ白だ。浅瀬が広がっていて少し霧がかかっている。俺はここからどこへ行くのだろう…?

 不思議な空間に立ち尽くしていると遠くからよく世間が女神様と呼んでいるものが現れる。

 とてもとても綺麗だった。それはそれはどの世界の美人さんよりも顔が整っていてスタイルも良い。きっと俺を送るために来たのだろう。個人的には地獄よりも天国で過ごしたい。

 篠原海斗は少々期待しながら女神様の顔を見る。だが、女神様の話は想像していたものとは違うものだった。

「···ですか?あなたが篠原海斗さんですか?」

「はい…」

「これからあなたは転生します···どのような……」

 篠原海斗はポカーンとする…。なぜなら女神様が送ってくれる場所は天国ではなく、異世界だったのだから…。

「······さん。篠原海斗さん!聞いてますか!!」

「わぁっ!!何ですか?」

「篠原海斗さん…、ちゃんと聞いてください!あなたにとってとても大事なことなんですから!!」

 ━━━冷静でいられるわけないだろっー!!

 ━━━普通に考えて、死んだ者は天国か地獄に行くはずだ。なのに俺は、異世界に転生することに…。

「こんなのないよ〜!!」

「急にどうしました?」

「いえ、ナンデモナイデス…」

「これからあなたはとある世界に転生されます。あなたは前世でとても悪い人生を送ったことで、神様から異世界で人生を送るようにと定められました。もし、次に送る世界でも悪い人生であったら、また今回と同じように次の世界へ転生するようにとも命じられています」

 ━━━もしかして………天国に行きたいのなら、良い人生を送れということか…。

「篠原海斗さんには異世界に転生して貰う際に1つだけ能力を授けることができます。あなたは何を所望しますか?」

 ━━━この感じ…俺は異世界転生確定ルート直行中···。こうなったらやれるとこまでやるかっ!!

 篠原海斗は前向きに異世界転生をすることを考える。

 ······でも、急に欲しい能力を1つあげると言われてもすぐには出てこないな〜。

 篠原海斗は真剣に考える。なぜなら、今後の異世界ライフはこの選択によって変わるのだから…。

 ━━━次の人生があるなら人に関わらずに生きていきたいと死ぬ寸前に思ったけ…。

 篠原海斗はこのことを思うとすんなりと女神様に願う。

「想像したものを生み出す能力が欲しいです。恐れられるほどの力は入らないのでお願いします」

 篠原海斗は女神様にそう願った。

「わかりました。それでは異世界へ転生しますのでこの魔法陣の中へ」

 複雑な線が何重にも重なって円を描いている。篠原海斗が魔法陣の中へ入ると魔法陣は白色に光り出す。篠原海斗の体は徐々に透明に分散していく。

 気が付くとそこには汗を垂らした女性と感動している男性がいた。きっとこの2人が親なのだろう…。部屋は木材でできていて貴族などの家系ではないことが分かる。これも女神様の計らいなのだろうか?

「あなたの名前はレベッカ・ライウス、ライウスよ!」

「ライ···ウス?」

「そうよ〜!すごいわよ我が子!」

「そうだな!我が子は天才だ~!」

「それは言い過ぎよ~エリアス~!」

 ━━━うちの親は元々お見合いで結婚していて、両者の親が無理矢理くっつけたせいか、両者共に好意は持っていないらしい。とある頃、突然母のお腹に赤ちゃんがいることが判明した。

 父はもちろん母も驚いた。何かの間違いなのではと両者の親や医者に聞いていたらしい。その子供は両親から嫌悪され、幼少期の頃からずっとメイドや執事に育てられたらしい。そんな人生に自分の生きる意味はあったのだろうか?━━━

━━━3年後━━━

 ······今の俺は文字の読み書きは出来るようになり、色々な本を読み漁っている毎日だ。俺はこの3年間で両親の温もりや優しさを学んだ。普通の両親は自分の子供を愛でて、色んなものに触れさせてくれる。きっと、前世もこんな両親だったら何か違う人生を送っていたのだろうか?

 過去を振り返りながら本のページを捲っていく…。

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