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第八話



僕の名前はアレクシス。

名門リヴィエール公爵家の一人息子であり、後継者だ。


しかし、誰にも知られてはいけない、僕には重大な秘密がある。

それは、僕がタイムスリップして過去の世界に来ているということだ。


その理由は詳しくは語れないが、一つだけ確かなことがある。

それは、僕が母上を救うために、過去に戻ってきたということ。


そして、実はもう一人、同じ理由でタイムスリップした人物がいる。

それが僕の父、リヴィエール・エドガー公爵だ。


僕と父は、母上に対して悔いても悔いきれない過去の行いをしてしまった。

だけど、今度こそ、どんなことがあっても母上を救いたいんだ。


でも、最近、母上がちょっとおかしい。

今まで感情が読めない、まるでお人形のように冷徹だった母上が、

突然、感情が手に取るように分かるようになったんだ。

それだけじゃない、突拍子もない行動をすることも増えて…

前の母上とはまるで別人みたいだ。

どこか、可愛らしささえ感じてしまう。


こんなこと思うのは変かもしれないけれど、

なんだか…とても愛おしく思えてしまうんだ。


でも、そんな母上を見ていると、どうしても心配になってしまう。

リナ、母上の専属メイドから聞いた話によると、

母上が人目を盗んで窓から飛び降りようとしているらしい。

もちろん、今までそのことを知らなかっただけかもしれない。

でも、きっと母上は過去にも何度もそんなことを考えたんだろう。


僕も父も、母上にどれだけ無関心だったんだろう…

そのことを今、胸が痛むほど感じている。


ごめんね、母上。

こんなにもあなたを無視してきて。


だからこそ、今度こそは、どんなことがあっても母上を守りたい。

絶対に、僕があなたを守ってみせる。

だって、母上は僕にとって、何より大切な人だから。


…そうだ、もし母上が危険な目に合わないようにするために、

僕の部屋に閉じ込めて、二人だけで一生暮らしてもいいかもしれない。

そうすれば、何も怖くないし、母上を守れる。

でも、そうなると父上が邪魔になっちゃうなぁ…

まあ、そのことは、もう少し後で考えるとしよう。

今はただ、母上を守ることが一番大事だ。


だって、母上は僕だけのものだから。

今はまだ、焦らなくてもいいよね。

これからは、絶対に離さないよ。

どんなことがあっても、僕が守り抜くから。



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