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-第12話-団長さんの視線


精霊たちに名前をつけました。





風精霊はフィンリィ


月夜の精霊はユン






ずばり直感なんだけど、精霊たちは喜んでくれたのでオールオッケイというやつである。



精霊たちには風精霊や月夜の精霊といった全体の名前があるだけで、個人の名前はない。

だからこそ契約したときに精霊たちは自分だけの名前を欲する。



だから契約した後、まずは二人の名前を考え始めた。

そりゃまずは風に関係ある者とか月夜に関連するものとかたっくさん考えたけどさ、どうもしっくりしなくて。

それがあるとき、洗濯物を干しながらぼーっと考えていたら、キュピーンとひらめいたのである。


あれだけ調べた私の苦労は一体・・・。




今日も今日とて、ユンとともに城の中をあっちこっちに走り抜ける。

フィンリィが一緒にいないのは、風精霊をみえる者に遭遇した場合なにかと面倒なことになるためらしい。

1日の大半は、あの湖にいったり、王様と契約している火の精霊や土の精霊のもとにいったりしているらしいんだけど、なにかあったらすぐにわかるらしく、すっとんできてくれる。

ユンも夜には、暖かい光で部屋を包んでくれるので、いつも気持ちよく眠りにつくことができる。

二人とも私にはもったいない子たちだと思うけど、一緒にいるだけであふれるほどの喜びが生まれてくるから、私はもう二人を手放すことなどできない。

侍女の仕事も少しずつだけどよくなってるってライラさんにほめてもらい、最近はさらにやる気がアップした。

見習いから侍女になれる日も遠くないぞ私!






こんな順風満帆な日々をおくっている私だけど、一つだけ気がかりというか、あることに悩んでいる。

それは団長さんのことだ。

あの森で会った日から、なぜか私が目にはいるところにいると、視線をこちらに向けてくるようになった。

はじめは気のせいかと思っていたが、そんなことが毎日続くとさすがに気のせいではないのだと理解する。

なんかもう、ビームみたいなまなざしで、無表情の顔のままじぃっとみつめてくるのでやたらドキドキしてしまうのだ。

もちろんドキドキといっても、いきなり殺気を私に向けてきたり精霊が二人出てきても面白いとかいっちゃう人なので行動が予測できなさすぎて怖いという意味のドキドキだ。




私を疑ってるとはっきりいったから、おおっぴらに観察し始めたのだろうか。

少なくとも、好意的な視線ではないということをいっておく。

本当に観察されるかのような、獲物を品定めするかのような瞳をまっすぐに向けられ、居心地悪すぎて仕事に集中できない。







ユンが可愛いほんわかした笑顔で

(うざったいですね。なにかしましょうか?)

なんて聞いてきたので、慌てて首を横に振ってその場の仕事をぱぱっと終わらせて立ち去ったんだけど、これがずっと続くとなるとさすがにきつい。



団長さんが私を疑う理由はたくさんあるにしても、わかりやすいほどの視線を常日頃向けるのはいかがなものだろうか。

幸い一緒に仕事をしているライラさんはまだその視線に気づいてはいないものの、いつ気づかれるかと思うとひやひやする。

大体あの森で出会う前にも私のことは監視し続けてたんだろうに、なぜ今になってわかりやすいほどの視線をむけてくるのか本当にわからない。

疑いが強くなったとしても、普通は容疑者にばれないように監視し続けるものだろう。

あ、今自分のこと容疑者っていっちゃった。

いや、その通りなんだけどなんか地味に落ち込む・・・。




まあせっかくあっちは王様の命令で監視してくれているんだから、私の完璧?な侍女(見習い)の仕事っぷりをたくさん報告していただこう。





うう、しかし心臓に悪いし精神に悪すぎる。

もっとわかりにくく監視していただけないか団長さんに直接言ってみるかな。

あの綺麗すぎるお顔でこっちをみられていると思うと、ドキドキ、してしまうのも確か、だし。うん・・・。

というか、ドキドキしない方がおかしい!

でもドキドキレベルは、顔が赤くなるドキドキよりも、怖いという嫌なドキドキのほうがダントツで勝ってますから!


ってなにいってんだ私!








ああもう本当にどうしよう。はぁ・・・。










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