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-序章-プロローグ









家族は父母に私に兄弟4人、犬4匹の大家族

両親は仕事でいつも一緒にはいないけど、楽しく明るくすごしていました。











今日も毎日の日課で商店街へとむかい、たくさんお裾分けをしてもらいニコニコ顔で家へと帰る。

なぜか私がくると商店街の人々は右から左から声をかけてくれるのだ。

まあ、両親が仕事で忙しい分、小さい頃から買い物してたのでこの商店街の人々とは仲良しなのである。


しかし、会う度に「大きくなったね~」と言われるのはご愛敬なのか自分の童顔ゆえか、いつまでたっても「こども」扱いだ。しかも小学生にむけるような。おじさんおばさん方、もうわたし春から高校1年ですって!

一回中学のブレザー姿で買い物に行ったとき「最近の小学校の制服はしゃれてるねぇ」といわれたことはけっこう私の中で深い傷となった。

まあそんなしょっぱい記憶も、明日からの学校の寮生活のことを考えると大切な思い出へと変貌する。

これからは商店街の人々と気軽に会えなくなるのかと切ない気持ちでいっぱい。

まあちょくちょく帰ろうとは思うけど。どうせ電車で二時間ちょいの場所だ。



感慨深げにとぼとぼ歩いているといきなり背中を叩かれた。ものすごく痛い!

「よ!なにちんたら歩いてんの?」

悪気もいっさいなさげな顔に涙目で睨み付つけ「このやろー・・」というもこいつはスルー。いつものことなだけに闘争心もでてこない。ため息をついて答える。

「ん。ちょっとね。」



この目の前にいる男は神崎大和。幼なじみであり、顔だけみれば芸能人にもなれるほどの男前。あくまで顔だけなのがポイントだ。

同じ病院で生まれたことから始まり、幼稚園、小学校、中学校と同じなだけにいまさらなんとも思いはしない。それは大和も同じことだろう。

むしろ性格を知り尽くしているがゆえに、告白してくる乙女達に毎回哀れみの視線を送る。

大和の性格は無神経でドがつくほどのS。毎回こっぴどく振られ、散っていく女の子を見る度に思わずため息がでる。

しかもきつく振られることを知ってて、それでも告白する人々が後を絶たないことには、尊敬するよ、ある意味。

もう乙女というより猛者だよね。当たって砕けろ精神で本当に砕け散っていく亡骸には敬礼したくなるわ。

しかも振り続ける理由を聞くと「友達と遊んでる方が何倍も楽しいのになんでわざわざ他人と一緒にいてあげなくちゃいけないわけ?」といいやがった。全国の恋に悩む方々に喧嘩売ってるー!




実は、大和には明日から寮生活することを告げていない。むしろ高校すらも、だ。大和はこれまでのように一緒の高校だと思いこんでいる。その高校にも受験はしにいったのだが、合格をけってまで寮生活が義務の県外の学校に行くのには理由があった。

ずばり、親の転勤だ。まあありふれた理由だとは思うがなんせ行き先は海外。いままで忙しくてもなにか合ったときには駆けつけてくれたのだがさすがに海外に行くとなると難しいらしい。そこで寮生活が義務づけられている近くの学園に急遽入学することになったのであった。その学園は中等部から大学まであり、今年中学生になる春菜と和真(双子)、中学三年の裕樹三人に加えて高校三年の兄も同じ学園に行くことになった。




そんでそのことをいつか大和には言わなければとは思っていたのだが、寮への準備におわれてすっかり忘れており、思い出したのは数日前。ドSの魔王様の大和のことだ。絶対なんかされる。

大和がそわそわしている私を不審な目でみているのを見て、なにか感づかれたかと冷や冷やしたが特になにもいってくることはなくただ無言で家まで歩く。

言わなきゃと思いつつもためらい、奮起してはくじけるの繰り返しで家に着くと

「じゃーな。」

とだけ言って離れる大和。あー今日もいえなかったか。落ち込みつつもとぼとぼ家へと入る。





なんでこう私は言葉で上手く伝えることができないのだろうか。行動力はあるほうだと認識している分、自分へのフォローやいいわけが大の苦手で、怒られる時もずっと無言をきめこむ。

たとえ自分が悪くなくてもなんと説明すればいいかわからないのだ。だから我慢することを覚えた。自分になんと言われようが、我慢さえすれば相手へ反論するよりも怒られる時間が短くなることが分かったからだ。

その分大和の口先には舌をまかざるをえない。自分がらみのどんなトラブルも口だけで解決してしまう。そんな大和を羨ましくなるときもあった。








大和のように上手くしゃべれたらなぁーと思いながら玄関に足を踏み入れたとたん、目の前がまぶしい光につつまれる。










「うわっ!」











思わず目をとじる。

まるで太陽を近くでみたような、目に焼きつく真っ白な光。目を閉じても感じられるとてつもなく強い光。

それらを真っ向から受けて何がなんだか分からなくなる。















そして気づいたとき、私は森の中で一人、乱雑した荷物にかこまれてたおれていたのであった。

















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