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俺が好きになった人は、誘拐された人  作者: 有原優


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第十話 告白

 それから佐々木さんはクラスのみんなと仲良くなり始めた。

 佐々木さんの性格はもとから良いこともあり、木村さん経由で仲良くなったのだ。


 それで良いはずなのに、俺はなんとなくいい気分になれなかった。


 もやもやする。だって、なんか佐々木さんと最近一緒にいられてないんだもん。

 それを康生に相談したら。


「馬鹿お前、それは嫉妬だよ。つまりお前はあの人に恋してんだよ」


 そう言われてしまった。

 俺は全くそう思っていなかったので、その康生の言葉に少し迷ってしまう。


「だから、お前こくってこい」

「いや、今言っても困惑するだけだ。何しろ、まだ男が苦手なはずだし」


 曽於康生の発言。それは射止められない。

 成人男性の悪意に襲われた彼女が告白されてそれを受け入れると思うかという話だ。

 俺が彼女の立場なら絶対に受け入れない。


「ならいつするんだ!!!」


 そう怒鳴られ、びっくりする。


「彼女の心の傷が癒えるのにいつまでたつと思っているんだ。数年後、その傷が癒えるまでお前は待つつもりなのか? 自分の本当の気持ちを隠したまま」

「俺は、好きだと決まったわけじゃ」

「いや、好きだね。お目のその顔は好きな顔だ。だから、もう告っちゃえよ」

「えー」


 俺にどうしろっていうんだ。

 そもそも、その感情すらお前の決めつけじゃないか。


「いいか、今度呼び出すんだぞ」


 そう言われた。


 そして翌日の放課後、康生がとあることを口にした。


「俺、佐々木さんの靴箱にラブレター入れたからよろしく」

「はあ!?」


 いつの間にそんなことをしたんだ。


「言っとくけど、俺はいかないからな」

「いいのか? 佐々木さんが悲しくなるけど」

「っ」


 流石にそれは見たくない。


「俺には選択肢がないのかよ」

「そうだな」

「はあ」


 そのまま俺は校舎裏に向かった。


「昭君……?」


 そう、佐々木さんは少しおびえながら言う。

 そりゃそうだよ。そりゃそうなるって。

 本当にあいつは何をやっているんだよ。


 ここで康生がわざと入れたと言ったらすべて治まるだろう。

 だが、俺は自分に問いかける。本当にそれでいいのか? と。

 康生が作ったこれをいくら俺が望んでいなかったとしても破棄するのは失礼なんじゃないかと。


 よし、もしダメだったら諦めよう。

 そう心に決め、俺は「あの」と、口に出す。


「この手紙は康生が仕組んだことで俺は何も関係ない。だけど、俺は逃げない」


 とは言っても俺にもどう言えばいいかなんて一切分かっていない。でも、これだけは言える。


「俺は君を一目見たときから好きだった。君のその目が好きになった。だから付き合ってほしい」


 俺は言い切った。後は彼女の反応を待つだけだ。


「私はそんなつもりじゃなかった。あなたも獣なの?」


 けだもの。つまり元から体目的で近づいたのかという事だろう。答えは勿論NOだ。だけど、佐々木さんにとってはそう捉えられても仕方がないだろう。


「私はあなたに感謝はしている。でも、そう言う目的ならサイテーとしか言えない。私はあなたを軽蔑します」

「っちょっとおい!」


 だが、俺の呼ぶ声にこたえることなく、佐々木さんは向こうに行ってしまった。


「お前、盛大に失敗したな」


 そう、裏から康生が来た。


「うるせえよ。つーか、見てたのかよ」

「そりゃ、見てるさ」


 当然のように盗み見をするな、っと言いたいところだが、今の俺はそれどころじゃない。


「何がいけなかったんだよ」

「そりゃ明確だろ。まずお前が一目ぼれをしたって言ったとろがいけなかった。あそこは一緒に行動していくうちに好きになっていったって言わないと。……はあ、俺が指導しとくべきだったか」


 うるせえよ。


「お前が勝手に告白さっさとしろって言ったんだろうが」

「いやーお前があそこまで告白が下手だとは知らなかったんだよ」

「しばくぞ」

「しばけよ」


 そう言う康生の肌を軽くはたく。


「さて、今から入れる保険ってあると思うか?」

「ない」


 一蹴するなよ。


「まあ待て、そう慌てんな。俺たちは初対面とかいうわけでもない。まだ挽回のチャンスは残されている。さて、次に打つ手は優香ちゃんをまみえての説得だ。任せろよ、お前の失態を俺が取り返してやる」


 康生なんか本気すぎる。


「まずは優香ちゃんの家に行こう」


 そう言って康生は歩き出し、俺はその後ろをついていった。



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