3.ヴァルキリーの塔
「ところでミカ?自分探しの旅ってのはわかったんだけど、ここに行く!とか大まかな目的はないの?」
ミカの自分探しの旅について行く事にしたルナとアヤ。彼女達は不思議とワクワクしていた。
「そうだね、実はね少し決めてるの。昔お母さんが言ってたんだけど、平和国家アレスってあるでしょ?そこよりもっと南に進むと古代からあるって言われてる塔があるの。そこに行ってみたいの」
その話を聞いたアヤは飛び跳ねるように立ち上がった。横にいたルナは驚いきを隠せなかった。
「ちょっアヤ!急にどうしたの!!」
「いやだってその塔ってヴァルキリーの塔の事でしょ!英雄ヴァルキリーがバベルを封印したとされていて、その地下には大きなダンジョンが形成されて、中には美しい光景が広がっている!」
アヤはこれまでにないくらい嬉しそうに2人に場所の説明をした。話を聞いていた2人はぽかんと口を開けたままだった。
「ミカそうなの?」
「アヤの説明は大体あってるよ。よくそこまで知ってるねって感じ(笑)」
「それはそうでしょう!!だって私小さい頃に絵本に出てきたヴァルキリーさんに憧れて冒険者になったんだもん!」
――――― ヴァルキリー・ノヴァ。世界に魔物が現れた時代に活躍した英雄。彼女は魔物の拠点だと思われる突如現れた塔へと1人で攻め込み魔物達の王とされるバベルをその場所へと封印した。その後、ヴァルキリーは姿を消したのだった。彼女がいなかったらこの国は滅んでいたと言ってもおかしくない。しかし、残された物、当時の情報がいまだに少ないため、今では実在した人物ではないと言われている。
「じゃあ決定だね!もし塔の下にあるダンジョンに潜るなら、装備を揃えてから行かないとね、多分強力な魔物が多く生息していると思うの。」
ルナの発言にミカとアヤは頷き料理が届くのを待っていたのだった。