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部屋の外に出ただけで引くほど驚かれました。

女性主人公の生まれ変わりものです。

重度の引きこもりのお嬢様に転生します。

「レイナ嬢の罪状は~……」

身に覚えのない嘘の罪状。



「よってこれよりこのギロチンで首を落とし、断罪する」

処刑台に向かい吠える民衆。いえ、私にでしょうか。

地獄に落ちろだの、早くやれだのと大声をあげている。



時期王座の継承争いに負けた王女候補の末路は大体こんなものだ。



嘘の罪を擦り付けられて、投獄か島流し。私の場合は時期王女となったクリスティーナにかなり嫌われていたので運悪く処刑となってしまったが。



13人も王女候補がいるものね。

他の王女候補も処刑とはならずとも酷い扱いを受けている。



「何か最後に民衆に言うことはあるか?」



別に王女になりたかったわけじゃないのに。

どうしてこうなっちゃったんだろ。



「何か民衆に懺悔の言葉はないのか?」



処刑人の声に反応し、観衆が静かになる。



懺悔の言葉?特にない

私特に悪いことしてないもん。



「いいんだな」



黙っている私を見て処刑人が確認する。


言葉はいらない。何を言っても意味はない。

死ぬ運命なら受け入れて、胸を張って死ぬだけ。

なのに……



「それでは刑を執行する!」

観衆の盛り上がりは今日一番だ。悲鳴すら怒号に飲み込まれて、大きなうねりとなって私の鼓膜を震わす。



怖い…

受け入れたつもりだったのに…

異常な発汗と全身の鳥肌。身体中は暑いのに皮膚に氷を押し当てられているような感覚。

怖い。早く終われ。怖い。早く終われ。早く終われ。早く終われ。早く終われ。早く終われ。



瞬間

ギロチンを吊り下げる縄が切られる。

私の意識はそこで途切れた。




「え…」

目が覚めるとは思っていなかった。

上体を起こし首を確認する。



繋がってる…。

私は処刑されたんじゃないの?



これは死後の世界なの?

にしては…



豪華なベッド。寝台を囲む純白のビロード。

「ここは?」

天国かな?見た感じ地獄というふうでもない。



広い部屋だ。

王女候補であった私が使っていた部屋と遜色ないほどの広さ。

とはいえ、こんな部屋は知らない。

なぜなら、ものが多すぎる。

豪勢な部屋ではあるものの、服やら本やらで溢れかえっている。

しばらく掃除されてないんじゃないかしら?



混乱していると、ドアをノックする音が聞こえた。



「テレサお嬢様。朝食をお持ちしました。部屋の前に置いておきますので、食べ終わりましたら外に食器をお出しください」



え?なに?

テレサお嬢様?

私に言っているの?



わけが分からないが、私は死んで生まれ変わったの?

でも、生まれ変わるにしても普通赤ちゃんから始まるものではないのかしら。

誰かに乗り移ってしまったのだろうか。



このままでは埒が明かない。

ベッドから出ようとするが、身体が思うように動かない。

手足を見ると、やけに細い。

この身体の持ち主はあまり健康体ではないようだ。



ようやく部屋の中を移動しドアを開けると、そこには給仕用の銀色のワゴンがあった。

上には豪華な食事が用意されている。



さっきの侍女?メイド?はどこへ行ったのかしら?

見渡せど長い廊下が続くばかりで人の気配はない。



ワゴンの料理を改めて見ると、それは出来立てのようでほのかに湯気が立ち上っている。



美味しそう…

食べてもいいのかな?



その瞬間腹の虫が盛大な音をあげた。



うん。食べよう。

考えるのはそれからだ。



10分後、部屋に持ち込んだ朝食は綺麗さっぱり無くなっていた。

誰だ食べたのは?


私だ。


お腹が空いていたもの。

仕方ないじゃない。



腹ごしらえもできたので、まずは状況整理をしてみよう。


1 私こと、レイナ・パールミリアは次期王女継承争いに破れた。


2 次期王女のクリスティーナに無実の罪を着せられ処刑された


3 ギロチンで首を切られたが、気がついたらこの知らない部屋で目を覚ました。


4 使用人らしき人の言葉では、おそらく私はテレサお嬢様らしい


5 レイナとしての私の人格がこのテレサという子に乗り移ってしまった?


「これはいわゆる転生というものなのかしら?」

だとすると、テレサお嬢様?の心はどうなってしまったのだろうか。



んーー。

わっかんねぇですわ。

とりあえず保留。まずは人と話して情報収集よ。



いきなりこの屋敷を歩き回るのは怖いので

食器を片付けに来るであろう使用人(声かわいかった)

を待つことにする。



ドアの奥に意識を向けていると

足音が聞こえてくる。

来たな。



あまり驚かせないように。

ゆっくりとドアを開ける。



そこにはメイド服を着た黒髪の使用人さんがいた。

あら可愛い子。

年は18くらいでしょうか?

心の中でメイドちゃんと呼ぶことにした。



「え?」



可愛らしいメイドちゃんは私を見て、目を丸くしている。なんですかこの反応は?



とりあえず私は朝食を給仕してもらったお礼を伝える。

「あ、あの、朝食とても美味しかったです。ご馳走様でした。え、えとありがとうございます」



「は?えっ?えっ?」



メイドちゃんは私と空の食器を交互に見て言語能力を失っている様子だ。



「あ、あのぉ、聞いてます?」

確認してみるも、メイドちゃんは混乱から戻ってきていない様子です。



「テ、レ…サお嬢様が、お部屋の外に?言葉を、ええ??」



「えっと…とりあえずいろいろ聞きたいことが…」

私が言い終わる前にメイドちゃんは絶叫した。



「キャーーーーーー!!!!ミレナ様ーー!ー!!!タイラーーーー様!!!!テレサお嬢様がーーーーー!!!!」



メイドさんの叫びが屋敷中に響き渡った。


楽しんでいただけるように一生懸命書きますので

是非、ブックマーク、レビュー、感想などの反応を下さい!

いただけたらとっても嬉しいです。

皆さんの反応によって続きを書くか決めたいのでよろしくお願いいたします。

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