2:なりゆき
:あらすじ:
亡命してきた王子ハルカは、亡命先の国の皇女ふたりから求婚を迫られる。
しかしこの皇子、実は女であることを隠していた…
ここは豊かで広大な国、ウォーム。
この国の皇女であるベルとカシスを筆頭とし、城内の女中たちまで、
この国の城にいる女たちはみな、亡命してきた皇子、ハルカにお熱であった。
しかし、そんなよりどりみどりな立場にいながら、当のハルカ自身は困り果てていた。
*
ハルカが亡命する前に住んでいた国、ストロン。
彼女はストロンの国の第一王女だった。
他国との交流に長けた国王である父と、
強き王女である母の二人によって、この小さな国の平穏は保たれてきた。
しかし近年、ストロンの隣国であるヴィランの政治方針が変わり、急激に勢力を拡大し始めたのである。
いくら賢明な政治をしていたといえど、小さな一国であるストロンがその波にあらがうすべはなかった。
そんなストロンと同盟を結んでいたのが、大国であるウォームである。
ウォームはその豊かさから他国への牽制に成功しており、
急激に勢力拡大を図るヴィランも、ウォームには一目おいていた。
傾国ストロンを棄て、国王である父、後継ぎである王子の兄、
そしてハルカはウォームへと移ることを決めた。
王妃である母は、彼女の祖国に援軍要請に向かうこととなった。
そんな亡命のさなか、父王は後継ぎを確実に生かすために、
王女であるハルカには男装をさせ、王子の身代わりになることを命じた。
そして王子である兄は、ウォームの働き手の一人として身を隠すこととなった。
いままで女として粛々と生きてきたのにもかかわらず、
王子としてふるまえ、と突然命じられたハルカがうまく亡命先でなじめたかというと…
大成功であった。
肉体的に強すぎる母と、人心掌握にたけた父の特性を継いで、
みごとに女をたらしこむ天才が爆誕したのである。
*
そんなこんなで、あまりの魅力にウォームの王女に求婚されてしまうほど
ウォームと強くかかわるつもりはなかったハルカは頭をかかえていた。
「ウォームと友好的にしておくのはいいことだけど…いつ言い出せばいいんだ…!」
完全に王子としてみなされていることに、自身に女らしさは皆無だったのかとすこしがっかりしつつも、
ハルカは次第にこの状況を楽しいと思い始めてもいた。




