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花火よりも君が見たい

作者: Sino

初投稿の作品です。


拙い文章ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。



花火を見に行こうよ!ー


そう言った君は僕の返事も聞かずに約束を取り付け帰っていった


「参ったな…」


汗が滲む額を拭いながら呟いた


僕は外に出るのがあまり好きでない


それに加えてこの猛暑だ


普通ならばとても行く気にはなれない


しかし、僕にはどうしても断れない理由があった


彼女はクラスの人気者だ 


誰にでも優しくて笑顔を見せる


そんな彼女が何故僕なんかと遊びたがるんだろうか


人気者の彼女のことを好む男子は大勢いる


そのため僕が彼女の約束を破ろうものなら大勢の男子から恨まれるだろう


あれからしばらくして彼女から連絡があり待ち合わせ場所と時間を伝えられた


それどうりの時間に向かうと既に彼女は待っていた


「早いんだね」


「花火見るのとか、お菓子とかたくさん食べるぞー!って思ってたら早く着いちゃったよー!」


彼女の言葉一つ一つからも気持ちの昂りを感じるほど彼女は興奮していた


「ねぇねぇ、どう?せっかくだから浴衣着てみたんだー!」


彼女はひらりと回りながら僕に浴衣を見せてくれた


その姿は周りの人達もつい見入ってしまうほどに綺麗で輝いて見えた


「すごく綺麗だよ」


「えへへ、ありがと〜!」


彼女は少し照れくさそうにしながら頬をかいた


綺麗だと言うのは本音だった


でも彼女からしたら言われなれた言葉で僕の本音は届いていないのだろう


「花火の時間までまだあるけどどうするの?」


「私はなんでもいいよ〜!楽しければオッケー!」


「僕はあんまりお祭りに来たことがないから君について行くよ」


「任せなさい!たくさん楽しませてあげるから!」


それから花火が始まるまでの間、射的やたこ焼き屋等を巡って時間を潰していた


「そういえば、他に誰か誘わなかったの?」


「あー、確かにいろんな子から一緒に行こうって誘われたよー」


「それなら…」


「でも断っちゃった」


「なんで?」


「私は君とここに来たかったから」


彼女の言葉は僕にとって衝撃的だった


その言葉はとても嬉しかった


たとえその場限りの言葉でも嬉しかった


「あ、ほら!花火始まっちゃうよ!行こ!」


「あ、う、うん」


まだ、胸の高鳴りが止まらない


どうしてだろう


どうして君の言葉は僕の心に、耳に、記憶に残り続けるんだろう


「花火綺麗だねー!」


「そうだね」


考えているうちに花火は始まっていたらしい


僕達は人気の少なそうな高台から花火を見ていた


彼女は今何を思って見ているんだろう


つい気になって横目で見てしまう


「来年も君と一緒に来れたらいいなぁ」


彼女が不意に呟いた


その瞬間、僕の中である一つの言葉が浮かんできた


その言葉は僕の中で止まらず、口に出てしまった


「花火よりも、君が見たい」


「来年も、再来年も、君の隣に居続けられる限り、僕は君のことを見ていたい」


彼女はどう受け取るのか、どう思うのか、そんな事を考える余裕もなく次々と言葉が出てきた


彼女は驚いていた


当然だ、突然そんな言葉を伝えられているのだから


しかし、彼女は数秒程固まった後にまたいつもの笑顔になった


いや、少しだけ、ほんの少しだけいつもよりも嬉しそうに笑った


「私も、君の隣でずっと君を見ていたいな」


「なんで私が君とここに来たかったかわかる?」


「いや、、」


「君のことを知れると思ったんだ〜」


「いつも教室でひとりぼっちだったでしょ?初めはクラスに溶け込めてないなぁって思ったんだ」


「でも君はいつもクラスのみんなの事を陰から支えてたんじゃない?」


「誰に気づかれるわけでもないけれど、誰かの為に君は頑張ってた。だから君が知りたかった」


正直言って僕は彼女の言っていることがよく分からなかった


彼女が僕を見ていてくれた?


誰にも見てもらえていないと思っていたのに


彼女は僕を


「私は君の事、ちゃーんと見てたよ」


僕を見ていてくれた


「そんな君だから私は好きになった。だから」


「一緒にいてください」


「はい」


それからの事はあまり良く覚えていない


どうやら僕は興奮しすぎて熱を出してしまったらしく途中で倒れてしまったらしい


現在僕は彼女の影響で少しずつ友達ができてきた


彼女のおかげで僕の生活が少しずつ色づいていった


これから先も彼女の隣に居続けられたら


それ以上の幸せはないだろう

いかがだったでしょうか?


今後も作品を作っていき、より良い小説を書いていきたいと思っております。


この度は読んでいただき、ありがとうございました。


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