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第0章
2023 01/08
ホテルを出ると身を指すような痛い寒さが襲い掛かる。
しかし仁はそんな痛みを気にすることはなかった。
すこし後ろからついてくる由紀恵は寒さに顔をすこしマフラーに埋め手を擦り合わせ暖をとろうとする。
仁はその手を温めてやることもゆるされなかった。
「じゃあ もうバイバイだね
今までありがとう
ほんとうに、、
お幸せにね!」
と由紀恵はマフラー越しに笑顔を見せながら仁に背を向け始発の駅へ歩き出した。
仁はその後ろ姿を眺めながら
どうしても痛く感じる胸を抑えるしかできなかった