春を告げる花々
ある晴れた朝のこと
散歩の小径をいくと
樹々がおはようを告げて
葉っぱを広げていました
空気がおいしい朝でした
歩いていくと
ちいさな横道の藪の向こうの方から
ちいさな声で
呼びかけるものがありました
こんにちは…
こんにちは…
声を頼りに辿っていくと
気がつけば視界が晴れていました
そして
展望台から見晴らすと
丘陵の一面に梅林が広がって
紅白や薄紅色の花々が
今、咲いたばかりというようにして
ほのかに香っていたのでした
香りに誘われたのでしょうか
めじろが何羽か集まって
木の枝にちょこんと乗りました
春が来るよ
春が来るね
あたたかくなるよ
あたたかくなるね
めじろさんは楽しそうにさえずってから
また、飛び去って行かれました
梅林の花たちは
めじろを優しく見送りながら
そよかぜに吹かれていたのでした
めじろさんの呼びかけのあたりは、ある作家様のお話で読みまして、かわいらしい表現がとても気に入りましたので、ご本人様に連絡がとれないのですが、たぶん快諾くださりそうなので使わせていただきました。ここに謝意を表します。
前の写真は桜でした。割烹の写真館に入れました。こちらはたぶん梅だと思いますが、いかがでしょうか。ドキドキ。