なぞなぞ
「ウイにーに!」
おや・・・足元を見やればすうくんと一緒にもゆちゃんとシーベリーちゃんが仲良くとてとてと駆け寄ってきてくれた。
もゆちゃんは白猫耳しっぽの女の子。
シーベリーちゃんはロップイヤーお耳にしっぽの女の子。
因みに神獣・ビャウテンと言う種のひなであり、背中には真っ白な翼がある。
「もんだいあるにゃぁっ!」
と、すうくん。
え・・・問題・・・?
何かトラブルでもあったのかな・・・?
「オゥ、イェイ!クェスチョンだぜぃっ!」
続いてシーベリーちゃん。
あぁ・・・なぞなぞ的なものかな・・・?
「ウイにーにこっちきてー」
もゆちゃんがかわいらしく俺のズボンをピッと引っ張ってくれたので、
大人しくちびっ子軍団に連行されれば・・・
「これを見るヨロシ!」
シーベリーちゃんが示したのはおひるね布団。
布団の中からぴょこりと飛び出したふわもふわふたんしっぽである。
大きさ的にはちっちゃいのでふうくんかな・・・?
因みに、反対側にはふうくん特有のぴーんと立った黒いわふたんお耳が見えている。
いや、確実にふうくんだっ!!
なぞなぞのつもりで単に体にお布団をかぶせただけと言う雑な隠れ方である。
まさに・・・頭隠さず尻隠さず。
「ここでもんだいあるあるにゃぁ~!」
と、すうくん。
ひょっとしてふうくんに何か・・・!?
急いで布団をひっぺかそうとすれば、
俺の手にもゆちゃんのちったい手を重ねられ、とめられてしまった。
「もゆちゃん・・・?」
「もんだいまだだよ?」
あ・・・あぁ・・・やっぱりその問題じゃなくってなぞなぞの方だったの・・・?
はて、なぞなぞとは一体・・・
「ここでもんだいにゃぁっ!」
すうくんがしゃがんだ俺の脚にぴたっと抱き着いてくる。
わぁかわいい。頭をなでなでしてあげると嬉しいのかお耳がぴくぴく動いている。
「このしっぽは、すうとふう、どっちのでしょーか?」
「・・・?」
え・・・?すうくんとふうくんどっちのしっぽ・・・?
「ちょーなんもんです」
と、シーベリーちゃん。
「ウイにーに、がんばれ!」
もゆちゃんも必至で応援してくれるのだが・・・
いや・・・どっちもなにも・・・目の前にすうくんがいる以上、
このふにゃふにゃしっぽはふうくん以外には考えられないわけで・・・
てか、お布団の向こう側にお耳見えてるし!
反対側に回ったらモロお顔見えてるだろうし!
ここはにーにとしてちびっ子たちのためにわざと外すべきか?
「ふにゃふにゃ愛がためされるしゅんかん」
はっ!!シーベリーちゃんの言葉に俺は大切なことを思い出した。
そう・・・俺はふにゃふにゃが大好きなのだ。
ふにゃふにゃ好きとしてここは一歩も譲れない・・・!
ちびっ子相手に大人げないと言われようと・・・!
「・・・ふうくん」
そう素直に答えれば・・・
『せいか~いっ!』
パチパチとちびっ子たちから拍手をもらい、
お布団の向こう側からもぞもぞとふうくんが出てきてくれた。
「わふにゃっ!ウイにーにすごいにゃぁっ!」
と、ふうくんもばんざいして喜んでくれた。
しかし・・・その・・・これは喜んでいいのだろうか。
明らかに最初から答えが見えていたのだが。
しかし、本気で喜んでくれるちびっ子たち相手にすました反応はできまい・・・!
「わーい!あたったぁ~~~っっ!!!」
俺は、精一杯あたった嬉しさを表現した。
「ウイ兄何してるの・・・?」
さっと振り返れば・・・狐耳しっぽのファラちゃんから怪訝な目を向けられた俺だった。