優しい眼差し
「ふぅにゃぁ~、かわいいにゃぁ~」
今日のふにゃは、お昼寝中のふにゃふにゃのひな、ふうくんとすうくんを見守っているようだ。普段子どもっぽいところはあるものの、あぁいうところをみるとやっぱりお兄ちゃんだなぁとしみじみ思う。
「わふにゃっ!!」
ん?どうしたんだろう。何かあったのかな。
「ふにゃ?」
「ウイ、見てにゃぁ!」
ふにゃが示した先には。
「ふうとすうがまるでお手手繋いで寝ているみたいにゃぁ!」
あぁ、確かに。実際に繋いでいるわけではないのだろうが、ふたりのふにゃもふお手手が重なっている。
「ふふっ、かわいいね」
「ふぅにゃぁ~、かわいいにゃぁ~。もふにゃぁ~にゃぁ~」
ちび双子は見ているだけでも和むなぁ。
時折かわいらしい寝息も聞こえてくる。
「ふぅにゃぁ~」
「すぅにゃぁ~」
これがまたかわゆくてかわゆくて。
「見てるだけで幸せにゃぁ~」
そう言ってふにゃがふうくんとすうくんの頭を順番に優しく撫でていく。
『もふにゃぁ♡』
そしてふうくんとすうくんが息ぴったりにそう寝言で呟く。
がはっ。
か、かわいすぎる!息ぴったり双子!
「ふうくんとすうくん、おねんね?」
ひょこっとふにゃのふにゃもふしっぽをもふりながら現れたのは、白猫耳しっぽな俺の妹のもゆちゃんだ。
「うん、ふたりともすやすやだよ~」
「―――っ!お手手かわいい!」
おぉ、もゆちゃんも気が付いたか。さすがはふにゃふにゃマスターを志すもの。俺のかわいい自慢の妹である。
もゆちゃんもなでなで。
「ふひゅぅ♡」
ぎゃぁ、かわいすぎるんだけどー!妹って最高!!
しかも猫耳しっぽ萌えだよ?もうお兄ちゃんどうしよう。自分でも萌えすぎてわかんなくなってきたぁ―――っ!ぐはっ。
もゆちゃんはふうくんとすうくんにとてとてと近づくと、先ほどのふにゃの真似をして、順番にふうくんとすうくんの頭をなでなでしていく。
なにあれ。かわいすぎるんだけど。さらにかわいすぎるんだけど。
なでなで
「ふにゃぁ~♡」
何だか、眠りながらもふうくんが喜んでいそう。わふたんお耳がぴくぴくと動いている。
なでなで
「ふにゃにゃぁ~♡」
すうくんももゆちゃんになでなでされて、嬉しそうに呟く。そのわふたんお耳はやはりぴくぴくと動いていて、見ているだけで和む。
「もゆもおねんねしようかな」
「うん、いいよ。追加でブランケットとってくるから」
「うん!」
こくんと頷くもゆちゃんも、萌え―――っ!
「ふにゃもおねんねするにゃぁ~♡」
あぁ、ふにゃふにゃは日向ぼっこやお昼寝が習慣だからなぁ。やっぱり何だかにゃんこみたいである。
「じゃぁ、ふにゃの分もね」
「ふぅにゃぁ~♡」
ブランケットを持ってくれば、早速ふにゃがもゆちゃんをぎゅっとして抱っこしつつ、双子の傍らに横たわる。
俺がその上からブランケットをかけてあげる。
「ふぅにゃぁ~、いい心地にゃぁ~」
「うん!」
ふにゃももゆちゃんも嬉しそうである。やがてミルクティーを淹れて飲みながら見守っていれば、ふにゃともゆちゃんもすぅすぅと寝息をたて始める。
「みんなかわいいなぁ」
「そうだな」
後ろから声が掛かって驚いて振り向けば、同じくミルクティーを淹れたマグカップを持っているモモちゃんがいた。
モモちゃんは俺の隣に腰掛け、お昼寝をする4にんを優しく見守る。いつもの勇ましさではなく、ふんわりとした雰囲気を纏うモモちゃんにドキッとしたのは、―――ナイショにしておこう。
『もふにゃぁ~』
どうやらみんな、いい夢を見ているようで何よりである。