ストールともふにゃぁ
「(ふにゃー。ふにゃ?)」
「(ふにゃも起きちゃったのか?)」
夜中、何となく目を開ければ。ふにゃがぱっちりとお目目を開けていた。
「(ふにゃぁ~、何だか寝付けないにゃぁ~。寒いからかにゃぁ?)」
「(確かに、ちょっと寒いね。暖房は効いているはずだけど)」
それでも明け方は寒くなるのだ。
「(あ、そうにゃぁ~。ウイのすとーるがあるにゃぁ~♡)」
そう言って、ふにゃが枕元に置いてあったストールを引き寄せてぎゅむっと抱きしめる。
「(くんくん、ウイの匂いがするにゃぁ~)」
ありゃりゃ、温まるんじゃなかったんかいっ!でも、そんなふにゃもかわいいのでまぁいいだろう。
「ふにゅぁ~」
あれ、ふにゃの隣で寝ていたふうくんが、鼻をくんくんさせている?そして寝返りをうち、ふにゃが抱きしめているストールに引っ付いたのだ。
何あれ、かわいすぎる。そうなれば俺もしなくては!
俺も枕元に置いてあったストールを引き寄せ、俺の隣で寝ているすうくんに近づければ。
「ふぅにゃぁ~♡」
あ、ストール抱きしめた!そのまま、ストールの上から毛布とお布団をかけ直してあげれば。
「ふにゃぁ~♡」
「ふぅにゃぁ~♡」
ふにゃの方を向いていたふうくんもくるりとすうくんの方へ寝返りをうち、ふたりで俺のストールをぎゅっと抱きしめてふにゃふにゃとかわいい寝息をたてだした。
「かわいいんですけどっ!」
「かわいいにゃぁ~っ♡ふにゃぁんにゃぁっ♡」
「汝ら、こんな時間に何をしておる」
あ、まずっ。
俺たちのベッドの隣のベッドで寝ていたはにゃさんがむくりと起き上がる。
興奮してついつい普通に声を出してしまった。俺ははにゃさんに事情を説明する。
「―――全く汝らは」
「でも、かわいいよ?ほら」
「はにゃにーにも悶絶にゃぁ~」
その言葉の通り、はにゃさんもかわいい双子のふにゃふにゃに目をやり、顔を赤らめる。薄暗闇の中だがわかる。何となく。だって俺、ふにゃふにゃマスターだもの。
「はにゃさんも、ひわくんにやってみればいいんだよ」
「はにゃにーにもやってみるにゃぁ、そしたらきっと悶絶にゃぁ」
「汝ら、ひわはふにゃふにゃではないえ?」
「心はふにゃふにゃ!これすなわちふにゃふにゃの主の心得!」
「心得にゃぁ~!」
「―――いつの間にかような心得ができたのかえ?」
そう言いながらも、はにゃさんは枕元に置いてあった自身のストールを手繰り寄せ、そっとひわくんに近づける。
「んにゃ、はにゃぁ~」
そう、かわいく寝言を言って、そのストールを引き寄せる姿に、はにゃさんが後ろ姿でも照れているのが分かった。そしてそそっと掛布団と毛布の中にうずくまり、ひわくんの頭を優しくぽふぽふしていた。
うん、はにゃさんもふにゃふにゃ萌えならぬ、ひわくん萌えしているようだ。
そんなはにゃさんを微笑ましく見やりつつ、俺とふにゃも再びお布団の中に入って温まるのであった。
『(もふにゃぁ~)』