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ふにゃふにゃのひなの冒険




「おやしきたんけんいくにゃぁ~♡」

「すうもいくにゃぁ~♡」

わぁ、かわいい。ふにゃふにゃのひなであるふうくんとすうくんが、かわいらしくお手手を繋ぎながら、お屋敷内の探検に行くらしい。


「うむ、つけるぞ。ウイ」

モモちゃんは俺の肩をぐわしりっと掴み、かわいいふにゃふにゃツインズに興奮しつつそう告げた。


「日々の訓練の成果を見せるのだ!」


「あぁ、うん。そうだね」

本編内でも所々で観察任務をこなしてきたもんね。


「で、あれば俺も同行しよう」

しれっと現れたのは、わふたんお耳にしっぽをもつ獣人族のジャンさん。俺たちお兄さま親衛隊の一員であり、ウィザード時々暗殺者である。


「ジャンさん、いつの間にウチに来てたの?」

「あぁ。日課であるお兄さまへのストーキングに来ていた」

そう言えば、このひとそういう趣味あったっけ。


「じゃぁ、取り敢えずついてってみようか」

俺たちがつちかった観察スキルをフル活用して!!


―――ふうくんとすうくんは仲良くとてとてとお屋敷内の廊下を歩いている。


「ふう、どこいくにゃぁ~?」


「あてのないたびにいくにゃぁ~」

えええぇぇぇっ!?そんなっ!まさかの放浪の旅だなんて!


とてとてとて。


「ふう、いまどこにむかっているにゃぁ~?」


「それはだれもしらないにゃぁ~」

それって、迷子って言わないか!?いや、俺たちが陰ながらついているから大丈夫だけど。



―――


そして、仲良し双子を見守る絶好のポジションを陣取りながら俺たちは尾行を続けていた。


「ウイ」

「どうしたの?モモちゃん」


「ここは、どこだろう」

「あぁ、ウイ。俺もそう思っていた」

いやいや、待て待て待て!まさかのふたりも迷子かよっ!ジャンさんはここで暮らしているわけではないからまだしも、モモちゃんはっ!


「もしかして私たちは、異空間に迷い込んでしまったのではないか?」

「いや、普通に大浴場に向かう道だよ?」

「なん、だとっ!?」

驚愕したように目を見開かないでモモちゃん!それってボケなの!?俺、ツッコミ決めた方がいいの!?


「なんっでやねんっ!!」

いや、モモちゃん。それはひとりボケツッコミ?ひとりボケツッコミなのか?


「ふたりとも、そうこうしているうちにちびツインズのふたりが!」

ジャンさんの緊迫した声が響く。


「んなっ!?ふたりに何か!?」


―――ふうくんとすうくんの方を急いで振り向けば。


「ふにゃぁ~♡」

「抱っこにゃぁ~♡」


「むふふっ、かわいいのぅ。ふたりで散歩かぇ?」

ちったくてかわいいふにゃふにゃのひなたちは、ふにゃふにゃによく似た瑞獣・アウリオアサシェルカ・シェルカさんにふたりまとめて抱っこされていた。因みにシェルカさんのお手手もふにゃふにゃと同じくふわっもふ。そして腕にもこもこストールを羽織っているため、シェルカさんに抱きかかえられるとお手手とストールのダブルふわもふを味わえるのだろう。

もうすっかりふうくんもすうくんもリラックスモード。


そして、ふにゃふにゃ大好きなシェルカさんはそんなふたりにメッロメロである。


「ふうといっしょにぼうけんしてたにゃぁ~」

「じぶんさがしのたびにゃぁ~」

うええぇぇぇっ!?ふうくんは自分探しの旅してたの!?初耳なんだけど!


「そうなのかや?自分は見つかったのかぇ?」


「すべてはふわもふにいきつくにゃぁ~。ふわもふったらわすれたにゃぁ~。かえるにゃぁ~」


―――ドテッ。


何だか深いことを言っているようで、意味がよくわからない。でもちびっ子だから、許してあげて。ふにゃふにゃしててかわいいだけで、いいんだよ。うん。


「と言うか、汝ら3人は何をしているのかぇ?」

あ、シェルカさんに俺たちも見つかってしまったか。


「ふにゃふにゃウォッチングだ」

と、モモちゃん。え、そうだったの?今初めて知ったんだけど。


「うむ、ふにゃふにゃウォッチングとな?なかなかいいのぅ。今度ふにゃふにゃ愛好会のイベントとして正式に認めようかのぅ」

「あぁ、いいと思う!」

そうしてふにゃふにゃ談義で盛り上がっているレディたちふたりは、どちらもふにゃふにゃ大好きなのである。

※シェルカさんはメスだぞっ☆


「そう言えば、シェルカさんは何故ここに?」

夜行性だから、昼間は寝ているものだと。


「乾きたてのストールをミリアから受け取りに行っていたのじゃ。昨日洗濯したからの」

ふふっと微笑むシェルカさん。あぁ、そのもこもこストールは洗濯したて?

―――と、言うことは。


『もふにゃぁ~♡』

乾きたてのふわっふわなストールを纏った腕に抱かれて、ふにゃふにゃのひなたちはそろってまったり夢の中であった。


「さて、戻って一緒にお昼寝でもするかのぅ」

「いいですね。行きましょうか」

「うむ。たまには俺も昼寝しようか」

ジャンさんまで珍しいなぁ。お兄さまの書斎を見張るために陣取るのかと思ってた。


「最近、ふにゃとわふわふしっぽについて語り合っているのだ」


―――ドテッ。


「今日はふにゃと昼寝しながらわふわふを高めるとしよう」

何だかよくわからないが、本日のお昼寝タイムは恐らくふわもふの楽園の中で幸せな時間を過ごせそうである。



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