ふわもふのコツ
もっふもっふ。
もゆちゃんがひとりで自分のふわもふ猫さんしっぽをふわもふブラッシングしていた。子ども用の安心安全なグルーミング用ふわもふブラシを器用に持ってふわもふする姿はめっちゃ猫耳しっぽ萌えっ!!
「もふちゃん、にーにもやってあげようか?」
一人じゃ手が届かない場所もあるし。
「ううん、もゆね、立派なれでぃになるためにひとりでふわもふできるようになるの!」
え?
ひとり、で?
「ぐわはっ!!」
「にーに!?」
もゆちゃんがびっくりする横で、俺は思わずショックを受けて寝転んでしまった。
そ、そんなっ!!もゆちゃんがふわもふひとり立ちだなんてそんなあぁぁぁっっ!!!もうそのかわいらしいふにふに猫耳も、ちょっと恥じらい気味にふんわりと流れるその白い猫耳ふわもふしっぽも愛でられなくなるとでもいうのか!!
いや―――っ!!!にーにそんなの耐えられない~~~っ!!!
「あら、もゆちゃん。立派なれでぃになるために頑張っているのね」
そこに、ひにゃさんがやって来て俺たちの傍らに腰を下ろす。
「うえぇ~ん、ひにゃさ~ん」
「あらあら、ウイにーには泣き虫さんね」
「ひにゃねーね、どうしたらいい?」
もう、にーに無理。もゆちゃんをふわもふれなくなるなんて現実受け入れられない。全てをひにゃねーねに委ねる!
「そうねぇ。じゃぁねーねと一緒にれでぃになるための練習をしましょっか」
「うんっ!する!」
わぁ、もゆちゃんかわいい。頑張ってるちびっこってめっちゃかわいい癒される!でもその代わりもゆちゃんをふわもふれなくなる~~~っ!!!
「それじゃ、ねーねのしっぽをふわもふしてくれるかしら」
と、ひにゃさんがふにゃふにゃのわふわふしっぽをもゆちゃんに差し出す。
「うんっ!」
もゆちゃんは喜んでそのしっぽに駆け寄り、丁寧にふわもふしていく。わぁ、何あの癒しの境地みたいな光景はっ!!
「もゆちゃんはふわもふがとっても上手ね。ねーね、ふわもふしてもらってとっても気持ちよくなっちゃった」
「ほんと?」
もゆちゃんがその言葉を聞いて顔を輝かせる。
「そうよ。誰かにふわもふしてもらうと、とっても気持ちが良くってうとうとと眠たくなってきちゃうの。艶やかでふわもふな毛並みを維持するには、こうやってリラックスすることもとっても大切なの」
「りらっくすしてふわもふしたら、すてきなれでぃになれる?」
「えぇ、もちろんよ」
「じゃぁ、もゆもひにゃねーねみたいになれる?」
「えぇ。もゆちゃんはねーねの妹だもの」
そう言ってひにゃさんがもゆちゃんの頭を優しく撫でる。
「ね、もゆちゃん。ねーねももゆちゃんのしっぽをふわもふしてもいいかしら?」
「もゆのしっぽ」
もゆちゃんはちょっと悩んでいるみたいだ。
「あのね、ひにゃねーね」
「ん?」
「あのね、もゆね、ひとりでふわもふできるようになったら、りっぱなれでぃになれるかなっておもったの」
「あらあら。それも大事なことね。自分でふわもふするのが上手になれば他のひとのふわもふも上手にできるようになるし。みんなでふわもふし合うととても楽しいのよ」
「っ!うんっ!」
「最初は賑やかでも、そのうちまったりして眠たくなっちゃうのよね」
「うん、もゆもふわもふしてもらってると眠たくなっちゃう」
「じゃぁ、次に起きた時には立派なれでぃに近づいているはずよ」
「―――うんっ!」
もゆちゃんはどうやら、自分の中でふわもふについての整理ができたようである。そして。
「ひにゃねーね、もゆのしっぽ、ふわもふして!」
「えぇ、もちろんよ」
ひにゃさんはもゆちゃんからふわもふブラシを受け取り、自身のお膝の上でまどろむもゆちゃんのふわもふしっぽを優しくふわもふしてあげていた。
そして次第にまったりとしてきて。すやすやと夢心地で寝入るもゆちゃんを見て。
わぁっ!!めっちゃ猫耳しっぽ萌え~~~っ!
「あら、ウイにーにも復活したみたいね」
「はい、おかげさまで」
さすがはみんなのねーねなひにゃさんだ。
今日もかわいいもゆちゃんが見られて何よりっした。