ふにゃふにゃの姉と弟
ふにゃがすぅすぅとカーペットの上でお昼寝をしている時だった。とてとてとひにゃさんがそぉっとふにゃに近づきかがみこんだ。
なでなででもするのか・・・?と不意に思ったその時である。
「・・・っ!」
ひにゃさんはふにゃの着物の帯をちょいっとつまむ。そして・・・するるるる―――・・・
ほ、ほどくの!?まさかのほどくの!?
そして・・・
すすすすするるるるる――――――・・・
ひにゃさんが勢いよく帯をするっと抜き取れば、あらららら。ふにゃがころころと転がってあっという間に帯が外されてしまった。
そこでひにゃさんがハッと顔を上げ、おこたでミカンをつまんでいた俺と目が合った。そして口元にしろふわもふお手手を当てる。
「えへっ、ナイショよ?」
うえぇ―――っ!?ひにゃさんっ!?いつもはよくできたお姉さんキャラなのに!みんなのお姉さんなのに!何かたまに悪戯好き~~~っ!
そんなお茶目なひにゃさんだからこそみんなにモテモテなんだけど。
そしてとてとてと帯を回収しながら転がったひにゃの側に座るひにゃさん。そして。
「ふぅにゃぁ・・・?」
ふにゃがむくりと体を起こす。どうやら起きたらしい。
「わふにゃぁ・・・っ。ひにゃねーね、帯ほどけてるにゃぁ~!結んでにゃぁ~」
帯がほどけていることに気が付きつつも、ふにゃはその帯を持っているひにゃさんを疑いもせずに帯を結んでとねだる。ふ・・・ふにゃぁっ!まぁ、そんなところも好きだけどっ!!かわいいけど!!
「あらあら、仕方がないわね。ねーねが結んであげるわね」
ひにゃさんもしれっと開き直り元通りふにゃに帯を結んであげる。帯を結んでもらったふにゃは、俺に気付いてとたとたと駆け寄ってくる。俺の隣に腰掛け炬燵に足を入れれば、あっという間に俺の肩に頭を委ねて再びすーすーとお昼寝を再開する。
そしてその様子を見たひにゃさんが、両手のふわもふふにゃふにゃお手手を口元にあて、くわっと俺を見やる。
俺は何だかよくわからずも、何となくわかったような気がして、グッドサインをひにゃさんに送れば、“はにゃ兄さんにはナイショよ?”とかわいらしく微笑み、何事もなかったかのようにとてとてとちびっ子たちの面倒を見にお昼寝スペースへ向かって行ったのであった。
・・・わ、わふにゃっ。
ふにゃふにゃ姉弟の何だかかわいい一面を見られた瞬間であった。




