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最近のブームらしい


「ウイにーに、何飲んでるにゃぁ?」


「梅昆布茶だよ」

おこたで梅昆布茶を飲んでひと息ついていると、とてとてとすうくんが近寄って来て、かわいらしく俺を見上げてくれる。わぁっ!今日も安定のふにゃふにゃ萌えである。うむ、眼福なり。


「すうも飲むにゃぁ」


「酸っぱいよ?」

そこが病みつきになるポイントでもあるのだが・・・ちびっ子にはまだ早い気もする・・・。


「じゃぁ、一口ね」


ずず・・・


少しだけ味見がてら飲んでみるすうくん。


「・・・しゅっぱにゃぁっ!!」

やっぱり酸っぱかったか。


「でもクセになるにゃぁ」

にゃ・・・にゃんと・・・!ちびっ子なのにもう、その魅力に気が付いただと・・・!?


「酸っぱいの、平気?」

そう言えば・・・ミカンもよく食べるなぁ。外見はわふたんお耳としっぽながらねこっぽい習性はあるものの、あくまでも神獣のひななので柑橘系は平気である。


「おにーさまのくちゅしたのにおいにくらべたら、なんてことないにゃぁ~!」

え・・・お兄さまの靴下!?

※梅昆布茶ごめんなさい。


俺はちょうど帰宅してきたお兄さまをいぶかし気に見やる。


「えぇっ!?そんなことないよっ!」

お兄さまはそう言って即座に靴下を脱ぐ。

※キナ公爵邸は靴を脱いで過ごすスタイル


そして俺に靴下を近づけて・・・


「ほらっ!お兄さまのにおいがするでしょぉ!?」


「いや―――っ!!!やめれ―――っっ!!!梅昆布茶の神域をけがすな―――っ!!」


「あらあら。何してるのかしら?お兄さま・・・?」

そこに現われたのは満面の笑みの・・・白い毛並みのふにゃふにゃレディ・ひにゃさんであった。


「びくっ」


「私の大好きな梅昆布茶を穢すことは許さないわよ?」

にこにこぉ―――。

因みに梅昆布茶はひにゃさんもお気に入り。


「・・・スミマセンデシタ」

何故かキナ公爵令息でしかもキナ自治領軍第1部隊隊長並びに鬼人族の王子・お兄さま、ひにゃさんに完全敗北。やはりウチの一族の祖先の中にふにゃふにゃの花嫁さんがいたからだろうか。何だか猛烈にふにゃふにゃの花嫁さんんがひにゃさんと同じ真っ白い毛並みだったような気がしてきた。


「さて、私も梅昆布茶、いただこうかしら♡」


「うん、ちょっと待ってて」

ひにゃさんに梅昆布茶を差し出せば、すかさずもゆちゃんとシーベリーちゃんもやってきた。


「それなぁに?」

「シーベリーと一緒にらんでぶー?」

シーベリーちゃんの今の謎の格言には多分意味はないと思う。みんな、聞き流してやってくれ。相手はちびっ子だから。


「梅昆布茶よ?味見してみる?」


『する―――っ!!!』

そして梅昆布茶を飲んだ感想は・・・


「・・・しゅっぱぁっ!」

「こんぶうめおもいだす」

もゆちゃんの反応はともかく・・・シーベリーちゃん!?昆布梅って・・・何!?原型は昆布なの!?それとも梅なの!?まぁ・・・梅昆布茶なわけだし・・・昆布梅を思い出しても不思議ではないんだが・・・。ウチで昆布梅出したことあったっけ・・・?いや、そもそも昆布梅しらないし・・・。干し芋なら結構だしてるけど・・・。

・・・神獣の社でおじいちゃん神獣・レンさまにでももらったんだろうか・・・。


「昆布梅・・・」

そう呟いたので、ひにゃさんがふふふっと微笑む。


「とろろ昆布巻きの梅おにぎり、最近はまっているようなのよ」

そっちかぁ―――いっっ!!!

※ごはんに梅干を混ぜ合わせて外側をとろろ昆布で包んだおにぎり

因みにちびっ子ようなので、食べやすいちっちゃなボール型にしております。


「ウイにーに、ウイにーに!ふうも飲むにゃぁ!」

おっ!すうくんの双子の片割れ、ふうくんもやってきた。


「もちろん」

さて、ふうくんの感想は・・・


ごくり・・・


「・・・しゅ・・・しゅっぱいにゃぁ~」

わぁ・・・涙目!


「ご、ごめんね!ふうくん!口直しに何か・・・」


「これぞ・・・しゅっぱしゃのきょうちにゃぁ~」

ほろり・・・


え・・・?何か感涙みたいなんだけど・・・。


「あ、ウイ兄。あのね、最近にゃーレンジャーでブームになってるんだって。酸っぱいもの」

と、狐耳しっぽのファラちゃんが仲良くひわくんとこちらにやってくる。

その手には干し梅の菓子袋が握られている。


「え・・・にゃーレンジャー?」

・・・と、酸っぱいものに何の関係が・・・?

因みににゃーレンジャーとは子どもたちに大人気のヒロインももにゃん、そして仲間のお兄さんコンビ・くろにゃん、とらにゃんを合わせた3人組ユニットである。

これでも3人とも本物の軍人さんで、シエナ自治領軍所属。


「シエナ自治領の梅干を売り出すために、ももにゃんが干し梅を食べてバージョンアップするって設定が加わったんだって!」

うおぉっ!めっちゃ大人の策略が盛り込まれている!


「それでみんな酸っぱいものブームに乗っかっちゃったのか」


「まぁ、おいしいけどね。はい、ウイ兄も。種なしだから食べやすよ」


「ありがと、ファラちゃん」

ファラちゃんから種なし干し梅を受け取って口に含めば・・・


「しゅっぱっ!」

でも、癖になるこの酸っぱさ。因みにふにゃにあげてみたところ・・・


「わふにゃ・・・っ!しゅっぱいにゃぁ~~~っ!たんばりんたくさん叩けそうにゃぁ~っ!」

※ふにゃはお兄さま親衛隊のマスコット的存在で、タンバリン担当


どうやらふにゃも酸っぱいパワーでパワーアップした模様です。


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