今日もぬくぬく
「みてにゃぁっ!」
「ゆきにゃぁっ!」
今日はふにゃふにゃのひな・ふうくんとすうくんの双子が窓の外をかわいらしく眺めている。わぁ・・・窓ガラスにふにふにのふにゃふにゃお手手をぺたんと付けてるところとか、見上げている仕草とか・・・マジでかわゆす!ふにゃふにゃ萌え!
因みにウチは2重窓なので窓にお手手を当てても冷たくなく、屋敷の中も温かいのだ。
「おそとであそぶにゃぁ?」
「でもさむいにゃぁ」
同じ双子でも、活発なふうくんはお外で遊びたくて、おとなしめなすうくんはお家の中にいたいみたいだな。
「わふにゃっ!ゆきだからおそとさむいんだにゃぁっ!」
いや・・・違う。雪にフィーバーしすぎて、ふうくんがお外が寒いことを忘れていたらしい。そんなところもかわいらしい。
「じゃぁおうちのなかにいるにゃぁ」
「おこたでぬくぬくするにゃぁ」
どうやら息ぴったりに意見はまとまったらしい。
因みにわふたんお耳としっぽを持つふにゃふにゃだが、生態はねこに近い気がする。ゴロゴロと喉を鳴らしたり、日向ぼっこが好きだったり、猫じゃらしならぬふにゃじゃらしがお気に入り。
「ふうくん、すうくん、ここにいた!」
と、そこへ白猫耳しっぽのもゆちゃんが駆けていく。
「おそとゆきにゃぁ」
ふうくんが窓の外を指せば、もゆちゃんが顔をぱあぁっと輝かせる。
「ゆき、きれー!」
「もゆちゃのいろにゃぁ」
「そうにゃぁっ!」
ふたりが大好きなもゆちゃんの色であることに気が付き、ふたりは再び窓にぺたんとふにゃふにゃお手手を付けて見上げている。だからそれ!かわいすぎる!ふにゃふにゃ萌えっ!!
「もうちょっとちかくでみたいにゃぁ」
「これ、あけてみる?」
ふうくんの言葉に、もゆちゃんが頑張って二重窓を開けようとしていた。めっちゃかわいい。でもさすがにちびっ子の力では難しいのかな・・・?苦戦しているようだ。
「にーにが開けてあげるよ」
そう言って窓に手をかければ・・・
『ういにーににゃぁっ!』
「ういにーにがんばって!」
そんな熱心に見上げて応援されたら・・・にーにめっちゃ気合い入れちゃいそうっ!でも冬場は体力温存が基本。するっとゆっくり2重窓を開けば・・・
『しゃむいにゃぁっ!』
「しばれるべさっ!!」
ふにゃふにゃ双子がふるふると震え・・・もゆちゃんのそれは・・・お隣さんの黒猫耳しっぽのお兄さん・・・ベルさんの口調の真似だろうか。・・・訛ってる。でもそんなところもかわいい。
「にげるにゃぁっ!」
「こたついくにゃぁ~」
「わ―――っ!!!」
一斉にこたつめがけて走り去るちびっ子たち。何だかほんわかするなぁ。
「ウイ、窓開けて何してるんだ?」
後ろから、もこもこふにゃふにゃパーカーを着こんだモモちゃんがやってくる。
「ちびっ子たちが、雪をもっと近くで見たいって。でも、寒いからやっぱり無理だったみたい」
「うむ・・・確かに寒いな・・・だが・・・」
「モモちゃん・・・?」
「こういう過酷な環境で訓練してみるのもいいかもしれない・・・明日の朝は外でお兄さま応援ソングを歌わないか?あとふにゃふにゃりぇんりぇんなんかはふにゃが喜びそうだ」
「いや・・・見にきてくれる人にも悪いし・・・それに寒いからやっぱりこの時期は中にしない?ふにゃもこたつの方が好きだしさ」
さすがにこの時期に外で朝から歌って踊るのは・・・ちょっと。
「まぁ・・・確かにそうだな。ふにゃふにゃはぬくぬくが好きだものな」
「でしょ?」
「ウイ~、モモちゃんも、一緒におこた入るにゃぁ~」
あ、そんな話をしていれば、早速ふにゃがやってきた。
「うん、もちろ・・・」
ん、と言おうとした時・・・
「わふにゃぁっ!?寒いにゃぁっ!?」
あぁ、まだ窓開けてた。すとんと閉めれば・・・
「もふにゃぁ~・・・びっくりしたにゃぁ~」
ふにゃはモモちゃんのもこもこふにゃふにゃパーカーに抱き着いてほっと安堵していた。ふにゃに後ろから抱き着かれているモモちゃんも何だか幸せそうである。
「寒い・・・と言うのもなかなか良いものだなっ!」
うん。ふにゃふにゃがかわいらしくぎゅむっとしてくれるからね。
「俺たちもこたつ、はいろっか」
「はいるにゃぁ~」
「うむ、そうだな」
こたつスペースへ行けば・・・一足先にウチのちびっ子たちがこたつのなかでぬくぬくしていた。
もゆちゃん、ふうくん、すうくんとロップイヤーお耳のシーベリーちゃんだ。
「ふぅ・・・若い者は元気じゃのぅ~」※シーベリーちゃんのセリフ。
「いや・・・シーベリーちゃんたちの方がうちでは若いからね?」
「おぅ・・・まいべいべ~」
何だかこたつでまったりしすぎて気分も仙人のようになっているみたいだ。神獣って奥が深い。いや・・・シーベリーちゃんは神獣の社で祀られているし・・・そこのおじいちゃん神獣・ランリュウのレンさまの言葉を真似してるのかもしれない。いや・・・さっきのやけに達観しているセリフは確実にそうだと思う。
「あっ!そうだ、クヌ兄さん、今平気?」
俺はおせんべいをこたつに届けにきたクヌ兄さんに声をかける。クヌ兄さんはこの屋敷の執事もしているが、割と我が家はみんな家族でまったり思考なので普段からこんな感じでフレンドリーである。
「えぇ。ちょうど私とミリアも休憩しようかと」
神獣・バーサーカーテッドミトコンデミリアでありながら、我が家のメイドさんでもあるミリアさんは先にこたつに入っていた神獣。ビャウテンでロップイヤーお耳のアセロラちゃんの隣でそのロップイヤーお耳を愛でいていた。
「じゃぁ、お願いがあるんだけど・・・いぃ?」
「何でしょう、ウイ」
「あのね・・・その・・・ふわもふお耳しっぽなクヌ兄さんを所望する!」
「・・・ウイ・・・!」
俺の言葉を聞き、頬を赤らめたクヌ兄さんはこたつの脇に腰を下ろし、神獣の女王・ユリフィウスさまから受け継いだ狐耳と5本しっぽを顕現させる。わぁ、ふわもっふ~っ!
「クヌ兄さん・・・最高」
俺はクヌ兄さんのふわっもふしっぽに頭を乗っけて寝転がる。因みに角が当たらないように仰向けに・・・あれ・・・俺の手・・・
「俺もふにゃふにゃデーじゃん」
俺もふにゃふにゃのわふたんお耳としっぽが出ており、手足もふにゃふにゃ化していた。
「・・・では、私はウイのしっぽ担当だな!」
と、モモちゃんが早速俺のしっぽをなでなでしていた。何だかいつの間にか常習化した、モモちゃんの俺のしっぽふわもふ。
「もふにゃぁっ♡みんなでふわもふにゃぁっ!」
ふにゃもそれに加わって・・・ストーブのぬくぬくも加わって・・・今日もみんなで・・・
『もふにゃぁにゃぁ~』




