相も変わらず黒歴史は付いてくる
…………
(ふあぁぁ…)
よく寝たぁ。というか幽霊って寝むれるんだね。幽霊が寝るっていうイメージなかったけどなあ。寝てる間に精神のすり合わせも終わったようだし、さて今日は何をしようかな~昨日は神様のくれた魔術本を読みつつ寝たけど色々わかることがあってかなりの収穫になった事がよかったな。…ちょっと覚えてるかが不安だから復習しよう。試験勉強の時みたいに暗記した内容を声に出して、えーっとたしか…
(まず魔法には属性があって、火、水、土、光、闇、無の六属性があって基本的な魔法は大体これらに分類されて…)
(また、二属性以上の属性を掛け合わせることでさらに威力などを高めることが可能である…)
よしっ暗記はバッチリ。まあ基礎の基礎らしいけどね。コツコツ努力するのが大切だからのーぷろぶれむっ!………………あれ?そういえば今居るこの建物なんだろ?
ちょうどいいや今日のやることなかったから周辺散策をしましょうか。ふふふふっ我ながら見事な計画ですね…まったく自分の才能が恐ろしいですよ…ふふふふっ。…厨二病になっちゃた可能性が浮上してきそうなのでここらでおふざけは止めまして…
はいっ、と言う訳で幽霊の透過能力で部屋から出て散策しております。
うん、しゅんごくひろいの、おへやもいっぱいあるんだよぉ。はっ、ショックで語彙力が幼稚園児まで退化してしまった。廊下を浮遊しながら進んでるけど部屋の量が多いし5階まで階もあるしなにより窓から見たら塔や塀がいくつも見えている。全部見たわけではないけれど上空から見た限りかなり大きな廃墟のお城なので高位な方の住まいなのだったかもしれない。ただそれ以外はこれといった特徴はなく恐らく引き払うときに装飾品などはすべて持って行ってしまったらしく何一つとして残っていない事が無性に虚しさを感じる。はぁ、これといって面白くもなかったなぁ。…透過能力で端から端まで飛んでみるの面白そうだな。
……………………………
はぁはぁ…浮遊って速度上げようとしたら魔力使うんだね…初めて知ったよ…残量は遥かにあるけど初めての感覚にびっくりしてスピード出し過ぎちゃって酔いそう…気持ち悪い…少々気分悪いから一旦大広間らしきところに戻りましょうか…
ふぅ、やっと帰ってこれたぁ。地図とかはないのかな?近くに人里あるなら見に行きたいしね~。あれ?そう言えば肝心の神様からもらった大切なものまだ使ってないじゃあないか♪そう、その名もスキルッ!男の子ならだれでも夢見る異能力!!どうすれば使えるのかな?なんか叫んだらいいのかな?よし叫ぼう。…散々発声練習しておいて今更だけど叫ぶの少々恥ずかしい。多分いますごく顔が赤いだろうな…
ひとまず深呼吸しよう。すぅーーはぁーーー。右手を突き出して…
(スキル発動ッ!!!)
うーんだめっぽいなぁ。ならこれじゃあいけるかな?
(スキル発現ッ!!)
あれれれ?どうしたら…?
『ふっ…ははっ…クク…』
こ、この声は…まさか…
『や、やあ、僕だよ。ぷっ』
うにゃああああぁぁぁぁぁぁあっっっ!!!!しゅ、醜態を晒してしまったあぁぁ…
見てるなら言ってくださいよぉぉぉ。黒歴史化まっしぐらだぁぁ。
『あははっ。赤面しながら叫んでいるのが面白くてねつい。』
わ、笑うなぁぁ…。大真面目だったのにぃ…
『まあ今日きたのもその件なんだけどね。』
『スキルはね僕が直々に今から与えるんだよ。』
早く言ってようぅ………痴態を晒さなくて済んだのに…ううう…
『まあね、面白かったからね。』
う、恨んでやるぅ…
『ふふっ。まあ今は気持ちを切り替えてね。スキルをもらえるんだから。』
く、くそぅ…気持ちを切り替えるしかないや、念願のスキルももらえることだし。
『それじゃあスキルを与えるよ。先に言っておくけど、スキルは本人の深層心理の願いが反映されるから比較的ハズレでも文句言わないでね?』
はい。了解しましたっ!
『OK。ほいっ』
赤髪神様の声と共にふっと体の中に熱い何かが入ってくるのを感じる。そしてまるで生まれてからずっと持っていたかのように身体にすぅっと馴染んで、スキルの使い方や効力などが理解できる。今手に入れたばかりなのに慣れ親しんだような矛盾が変な感じだね……スキルを試しに使ってみたいなぁ…
『スキルもあげたし僕は帰るとするかな~』
あ、ちょっと待って。質問です。
『ん?なに?』
地図がないから周囲の地形とかがよく分からないんですが…
『上上、見上げてみて?ずっとあったよ?』
………………なんと、大広間の天井には見事な地図が描かれていたのです。なんで気が付かなかったんだろ私。上にも気づかない私は余程の馬鹿らしい。
『それじゃあ改めてばいばい』
さ、さようなら~。はぁ。つ、疲れた…。さっきの黒歴史はなかったことにしたい。
キラー〇イーンのバイツァ・〇ストみたく時間を巻き戻すスキルに目覚めたならなぁ…。
今日はもう疲れたから寝よう。ついでに黒歴史も忘れてしまおう。おやすみなさい。
スキルのお披露目はまた後日とさせていただきます。