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20章 青年期 ~リスター帝国学校 3年生 魔族編~

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第380話 アイドル

「何よあれ!? あんなに憶病な奴初めて見たわ!? ちょっと脅しただけですぐに失禁しちゃって!」


 鎖で拘束され、猿轡をされながら、急遽庭に作った風呂に入っているポンゴを見ながらカレンが不満を爆発させると


「全く持ってその通りじゃ! ヘルメスの街の面汚しめ! しかも面以外にも汚しおってからに!」


 姫も大分お怒りのようだ。


 怒っている2人の下に女性陣が全員集まり何やら小声でコソコソ話している。


「お母さん、そんなに痛いものなの?」


「そんなの私も分からないわよ。でもみんなの反応を見る限りは痛いんじゃないの?」


「クラリス先輩。何かあってもマル子とタマちゃんには……」


「アリス! 声がでかい! その言葉はここでは言っちゃ駄目でしょ!?」


「そうだよアリス! マル子じゃなくてマルちゃん……」


「ミーシャも何言っているの!? 【黎明】部屋だけの話でしょ!?」


「何の事じゃ? マルちゃんにタマちゃん……」


「姫! 後でちゃんと教えてあげるから黙って!」


 なんだかんだ姫が女性陣に溶け込んでいてひとまず安心だ。だがマルちゃんとタマちゃんとはなんだ? 国民的アイドルか?


 そんな事を考えながら、楽しそうなクラリスを眺めているとアイクから声がかかった。


「マルス、こっちの準備はもう大丈夫だ。ポンゴもだいぶ綺麗になったと思うから、屋敷の中に連れてきてくれ」


「分かりました。ですがポンゴは昨日からずっと拷問を受けており、おそらく寝てないと思われます。もうかなり眠そうでまともに問答できるかどうか怪しいかと……」


「分かった。では先に聞くべき事を聞くとしよう」


 疲れて寝てない者を風呂に入れるとこうなる事は予想していたが、さすがに失禁したまま屋敷に入るのをビートル伯爵が嫌がったから風呂に入れたのだ。まぁそんなの誰でも嫌だろうが。


 拷問室で聞けばいいじゃないかと思うかもしれないが、ポンゴが失禁した部屋に女性陣が入るのを嫌がったからで、俺もそんな場所にクラリスたちにいてほしくない。


 ポンゴを風呂から引きずり出し、適当なものを着せてから屋敷の中に入れ、みんなが揃ったところで早速アイクが尋問を始める。


「ビートル騎士団にスパイはいるか? これに答えれば今日は寝かせてやる」


「……」


 風呂が気持ちよかったのかポンゴの瞼は今にもくっつきそうで、アイクの言葉は届いてないのかもしれない。


 しかしこんな状態のポンゴでもあの言葉、いやあの者の言葉だけは届くらしい。


「あら? お義兄様の質問に答えなければ百獄刑(ロンド)よ?」


「はい! なんでしょうか? カレン様!?」


 今まであんなに眠そうだったポンゴがカレンの声を聞くと、背筋を伸ばしシャキッとする……百獄刑(ロンド)を恐れているのか、それとも百獄刑(ロンド)を楽しそうに執行しようとするカレンを恐れているのか。


「ビートル騎士団にスパイはいるの? これを答えたら寝ていいわ」


「はい。5名入れ替わっています。名前は……」


 聞いてもいない名前まですらすらと答えてくれる。さすがにビートル伯爵に聞いても全員は分からないらしいが、20人で構成される隊の副隊長がいたようだ。


「入れ替わった5名は生きているのか!?」


 騎士団員の安否を心配してビートル伯爵が声を荒げて質問しても、ポンゴは何も反応しない。


「入れ替わった5名は生きているのかしら?」


「はい! ずっと変化していられるわけでもなく、実物を見ないと変化も安定しないので滅多な事がない限りは殺しません。おそらくどこかに監禁しているのかと思われます。私が変化していたダジビも生きております!」


 しかしカレンの言葉にだけはしっかりと返答する。あまりもの従順さにテイムしているのかと思うほどだ。


「……分かった。もう休んでよい。起きたらまた尋問を再開する」


 やはりアイクの言葉には反応しないので、カレンに同じ事を言ってもらうと、素直に拷問室に戻った。



「さて、どうするマルス?」


「はい。僕はすぐにでもブレア騎士団長に会って、この5人を捕縛してこようかと思います。逃げられないように【黎明】、バロン、ミネルバの8人で行きたいのですがよろしいですか?」


 バロンとミネルバがいれば捕縛が楽だからな。


「分かった。俺はビートル伯爵とヒメリの3人でこれからの事を詰めておく」


「何を言うのじゃ!? 妾もマルスと一緒に行くぞ!? いくら相手が狸族の下っ端といえども戦闘要員がマルスと北の勇者だけで、その他が顔だけの女子(おなご)どもでは後れを取るからのう」


 アイクの言葉を聞いた姫が一緒についてくると言い出すと


「いや、ヒメリよ。まだグランザムの住民は魔族に対していい感情を抱いていない。今のヒメリが外に出たら大変なことになるからここにいて……」


 ビートル伯爵がそれを止ようとすると姫が突然「変化!」と唱える。すると姫はハチマルよりも更に真っ白な毛並みの小さな狐に変わった。


「これでどうじゃ! 文句は……」


 姫がそこまで言いかけると、エリーが狐姿になった姫を抱き上げ、幸せゾーンに姫を挟み、頬で姫の毛並みを堪能する。


「な、なにをする!? それになんじゃこの柔らかさは!? この世にこんなに柔らかい物があるなんて……はっ!? も、もしかして当てつけか!? 妾もあと何年かすれば……」


 突然の出来事に姫が叫ぶが


「……可愛い……気持ちいい……」


 エリーが至福の表情を浮かべながら気持ちよさそうにする。それを見たクラリスも我慢できないらしく


「エリー、私にも貸して!」


 クラリスがエリーから狐姿になった姫を受け取ると、またも幸せスポットに挟み、毛並みを存分に味わう。


「ぎ、銀髪まで……じゃ、じゃがこの柔らかさは……癖になりそうじゃ……それに匂いもよいのう……脳が溶けそうじゃ……今度から金髪か銀髪のここで寝る事にするかのう……」


 姫も姫でクラリスの幸せスポットを堪能する。俺も挟まれたい……当然これを思うのは俺だけではない。


「チクショー! 俺も変化してぇー! 水魔法なんて覚えている場合じゃねぇ! ポンゴが起きたら変化を教えてもらうぞ! 変化を覚えたら姐さんの……」

「おう! 俺も絶対に覚えてやる! 不可能なんてない!」


 ブラッドとコディが姫を見ながら誓いを立てる。


 姫は次々と回されカレン、ミーシャ、アリス、サーシャ、ミネルバと渡り、気が済むまで姫を味わう。ミーシャだけは幸せスポットがないというツッコミは禁止な!


 ミネルバが抱っこをした後、エリーに姫を返そうとすると、その小さい狐が軽やかにバニラのような甘い匂いと共に俺の肩に乗っかる。


「ふぅ。こやつらは妾をなんと思っておるのか? 妾はそんなに安い女ではないぞ!?」


 そうは言いながらも少し嬉しそうな表情をしているのは気のせいだろうか?


「もう一度聞く! この姿であれば外に出てもいいか!?」


 姫が再度ビートル伯爵に問うと


「あ、ああ……その姿であればいいと思うが……もしかしたら住民が寄ってくるかもしれないがその時はうまくやってくれ」


「分かっておるわ! では皆の衆! 行くとするかの!」


 俺の肩の上に乗った姫が満足そうに答えると、クラリスが何かを言いたそうにしたが、結局その言葉を飲み込み9人でブレア騎士団長に会いに騎士団詰所に向かった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 初手お漏らし女が安く無いはギャグかな?
[一言] ああ!クラリスが籠絡された! これで確定か…
[一言] ブラッドとコディが変化したら、バレットM82で狩りですね。
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