表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】転生したら才能があった件 ~異世界行っても努力する~【書籍・コミック好評発売中!】  作者: けん@転生したら才能があった件書籍コミック発売中
20章 青年期 ~リスター帝国学校 3年生 魔族編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

370/540

第369話 不吉

2032年4月27日14時



「今回は何にもないといいわね」


 西リムルガルドの街が見えてくると、クラリスがぼそりと呟く。毎回毎回この西リムルガルドでは何かあるからな。


「そうだな。じゃあ俺はアイク兄たちと一緒に外に出る……」


 【暁】の男性陣全員が外に出たので俺も出ようとすると、俺の両隣に居るエリーとアリスが無言で俺の腕を抱きかかえて、立つのを阻止してくる。


「はぁ……あなたたち、もう十分マルスと一緒に居られたでしょ? リーガンを出てからお風呂とトイレ以外はずっと一緒なんだから。それにこの街ではマルスがアイク様と一緒に外に出ていた方がすんなりと入れるのよ。離してあげなさい」


 俺から離れないエリーとアリスを見たサーシャが諭すと、2人は仕方なさそうに俺の両腕を離す。俺も名残惜しいがこの街は俺も外に出たほうがいい。


 俺の事を覚えている冒険者も何人かいるだろうしね。


「エリー、アリス、ありがとう。2人の気持ちは嬉しいよ。俺も離れたくはないけど分かってくれ。サーシャ先生もありがとうございます」


 エリーとアリスの頭を撫でると、2人も分かってくれたのか笑顔で気持ちよく送り出してくれた。



「今日はいいのか?」


 【黎明】の馬車の前を走るもう1つの馬車の前まで行くとアイクが笑いながら聞いてくる。


「はい。今日は笑顔で送り出してくれました」


「そうか。さすがにここだけは聞き分けてくれたか。助かる」


 俺とアイクを先頭に西リムルガルドの街の検問を受けると、検問をしていた者が俺たちの事を覚えてくれていた為すんなりと西リムルガルドの街に入る事が出来た。


 西リムルガルドの街にこんなにもすんなり入れるのは初めてではないだろうか?


 他の街では余計なトラブルを回避するために【黎明】女性陣は宿までずっと馬車の中に籠ってもらっていたが、街に入ったらクラリスたちも馬車から降りてもらい、ダメーズを抜いたメンバーで一緒に歩く。


 クラリスたちに西リムルガルドの街を歩いてもらう理由は2つある。


 1つはずっと馬車に籠りっぱなしだから少しは歩いたほうが良いという事。まぁバルクス王国内では朝早く起きていつものようにマラソンをみんなでしているから運動不足という事は無いのだろうが、それでも少しは体を動かしたほうが良いからな。


 もう1つは将来を見越しての事だ。早いうちからこの街の住民たちにはクラリスたちに慣れてもらわないと俺の夢の為にも都合が悪いしな。


 宿に着いたのが15時でまだ夕食を食べるには早かったので、アイク、サーシャ、バロン、ミネルバ、ダメーズと別行動をとり西リムルガルドの冒険者ギルドへ向かう。



 アイクはサーシャとバロン、ミネルバを連れて、この町の住民たちと接する。


 最近街に着いたらこの4人で出歩いているのだが、必ずサーシャとバロン、ミネルバはアイクの事をメサリウス伯爵と呼び、街の住民たちにアイクがメサリウス伯爵になったことを暗に示す。アイクの事を知らない者もたくさんいるだろうが、そんな事は関係ないようだ。



 ダメーズは西リムルガルドに来るまでの街で何度も不審者と見間違えられるので、宿に籠ってもらい荷物番をしてもらう。さっきもダメーズだけワゴンの中に残ってもらったのはそういう事だ。



 冒険者ギルドに向かう途中に、俺の事を覚えている者たちから歓迎の声をかけられる。


 老若男女問わず沢山の人に声をかけられた。不浄王とコジーラセ男爵から街を守った功績はデカいようだ。


 この前も声をかけたかったが、ジオルグたちの接待で忙しかったという者も多数いた。


「西リムルガルドのみんなはもうマルスの事を認めているんだね! なんか私も嬉しくなっちゃう!」


「男の人にも先輩の良さを分かってもらえて嬉しいです!」


「女性も過度なスキンシップをしてこないのも好印象ね」


「そうね。ここではマルスに近づく女性を無下に追い払うというのはやめた方がいいわね。エリーもその辺弁えてね」


 ミーシャ、アリス、カレンの言葉にクラリスが続き、エリーに注意を促すとコクリと首を縦に振る。


 西リムルガルドの住民たちの歓迎を受けながら、冒険者ギルドに入るとたくさんの冒険者でにぎわっていた。


 俺たちの事を知っている者はちょっかいなどかけてこない……むしろ友好的に接してくれるが、よその街から来た冒険者やペーパーの冒険者はクラリスたちを髪の毛の毛先から爪先まで涎を垂らしながら舐めるように視線を這わせる。


 そいつらに向かってブラッドとコディが睨みつけると2人の風体にビビり、すぐに不快な視線をクラリスたちから背ける。さすが親衛隊だ。


 これを見ていた友好的な雰囲気を醸し出している冒険者が俺に声をかけて来る。


「ブライアント伯爵のご子息のマルス様ですよね? アイク様はいらっしゃらないのですか?」


 おそらく俺の事を知らない者たちに警告を与えようとしているのだろう。


「はい。父は辺境伯に陞爵しました。兄のアイクはこの街に来ておりますが、別行動をとっております。それと兄はリスター連合国のメサリウス伯爵家の者と結婚し、メサリウス伯爵位を襲爵しました」


「「「おおおぉぉぉ!!!」」」


 ギルド職員にも聞こえるように大きな声で答えると、冒険者から驚きの言葉が上がった。


 この会話を聞いていたギルドの受付の女性が先ほどの俺と同じくらい大きな声で


「マルス様。史上最年少A級冒険者昇格おめでとうございます! 本日はどのようなご用件ですか?」


「「「っっっ!!!???」」」


 やはり冒険者ギルドにいる者たちは、ジークが辺境伯に陞爵した事やアイクの伯爵位を襲爵よりも俺がA級冒険者昇格の方が圧倒的に驚きが大きい。俺に対し友好的に話しかけてきた冒険者もあまりもの衝撃に言葉を失っている。


「ありがとうございます。滞っているクエストとかあれば受けようと思ったのですが、これだけ頼もしそうな人たちが居れば無いですよね?」


 話しかけてきたギルド職員の近くに行ってから聞くと


「そうですね。滞っているクエストはありませんが、報告をしたいことが2点ほど。1つはマルス様たちがご使用なされていたというリムルガルド城下町付近の砦ですが、冒険者ギルドの方で使わせていただいております。リムルガルド城下町に何かあったらすぐに対処できるようになのですが、宜しかったでしょうか?」


「はい。そういうことであれば是非使ってください」


 良かった。クラリスたち女性陣の使用したものは徹底的に破壊しておいて。


「もう1つは報告というか注意喚起というか……私たち冒険者ギルドを経由していない個人からのクエストなのですが、冒険者から少し不審な事が報告されておりまして……」


 ギルド職員も全てを把握しているわけではないようで慎重に言葉を選びながら丁寧に話してくる。あれ? この話最近聞いたな……


「分かりました。ありがとうございます。それではこの辺で失礼しますね」



 宿に戻り、風呂を入り、みんなで食事をしている時に先ほどの事をアイクに報告する。


「アイク兄、先ほど冒険者ギルドに滞っているクエストとかないか探しに行ったら、ギルド職員からある事を聞きまして……」


 アイクが俺の話に興味深そうに耳を傾ける。


「どうやらこの街のCランクパーティのD級冒険者3名がクエストを受注してから行方不明になったとの事です」


「危険なクエストを受ければ命を落とす可能性もあるだろう?」


「そうなのですが、少し不審な点がありまして……ギルドを介さないクエストだったらしいので詳しいことは分からないとの事なのですが、破格の報酬だったとか……」


「詳しく頼む」


「他の冒険者が酒場で実際にクエストを受けたパーティから聞いたというのですが、依頼人、クエスト内容は言えないらしく、ちょっと遠くに行ってくるとだけ、前金で金貨20枚、現地に行ったら金貨50枚と言っていたようです」


 アイクも不審に思ったようで身を乗り出して話す。


「確かにCランクパーティでその報酬はおかしいな。ちょっと遠くというのがどれくらい遠いのか分からないが、例え1か月くらい拘束されてもその報酬であればBランクパーティでも喜んで飛びつく者たちはいくらでもいるだろう」


「それにこの話、実は少し前にミックさんにも聞いたことがありまして……」


「ミックさん!? あのミックさんだよな!?」


 ミックの名前を出すとアイクもテンションが上がる。ミックはあの時ミーシャを不安にさせないように俺だけに伝えたのだが、サーシャが無事だった今みんなに言ってもいいだろう。


「はい。どうやらダメーズさんがなかなかアルメリアから戻ってこないサーシャさんの事が心配だったらしく、それをリーガンにいたミックさんに相談したのですが。その時にダメーズさんが今の事をミックさんに言ったようで……」


 ダメーズの方を見ながら言うと


「確かに聞きに行ったが、俺もそれ以上のことは知らない」


 優雅に野菜を口に運びながらダメーズが答える。


「分かった。俺たちも今まで以上に気を付けるぞ!」


「「「はい!!!」」」


 アイクの言葉に皆が力強く返事をし、明日に備えてそれぞれの部屋に戻った。

少しでも面白い、続きが気になると思う方は

★★★★★とブクマの方を頂けたら私のモチベーションにも

なりますので是非よろしくお願いしますm(__)m


Twitterやってます。

フォローして頂ければ喜びますのでもし良ければお願いします。


https://twitter.com/qdUYSDZf8XzNaUq

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
bxmc4v912wvg6s41hxdbdiqjhk8c_k6g_1e9_22m_1m659.jpg dhdiadh6y42697w151s27mq2vpz_14nr_p4_110_lkan.jpg c5j6h10c5uog91hhkty1av6pe0z7_19c6_1d0_1xo_gl2r.jpg asc9b0i8bb8hgzuguaa1w3577f_17n4_28e_35p_y2kp.jpg c5j6h10c5uog91hhkty1av6pe0z7_19c6_1d0_1xo_gl2r.jpg c5j6h10c5uog91hhkty1av6pe0z7_19c6_1d0_1xo_gl2r.jpg
― 新着の感想 ―
[気になる点] 焼けて転がってて本人の技量よりも装備の方が有効だった金持ちおじさんはなんでそこまで大人気なんだよw
[良い点] 西リムルガルドではアイクもマルスも大人気みたいで良いですね。 あの砦は今でも役立ってるんですね。ギルドも職員や常連が友好的でな感じでしたし、にわか相手にも辺境伯陞爵!伯爵襲爵!最年少A級…
[良い点] 更新お疲れ様です。 行方不明と関連性があるかは不明瞭ですが、そろそろラースの魔の手がじわじわと迫って来てる感じですね。 あれだけ強いヨハンをまたお仕置き部屋(?)にぶち込める男ですから、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ