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18章 青年期 ~リスター帝国学校 3年生 リムルガルド編~

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第302話 テイマー?

「か、カレン! 火喰い狼を鑑定したか?」


「いえ? これから死ぬ魔物相手に鑑定なんてしてないわよ?」


「そうか……どうやらその火喰い狼をテイムしているようなんだが?」


「テイム? 何? それ?」


 カレンが首を傾げながら聞いてくる。こっちの世界の人にはテイムじゃ伝わらないのか……こっちの世界でテイマーなんて聞いたことないしな。


「簡単に言うと、この火喰い狼はカレンの言う事を聞いてくれるんだ。試しに何か命令してくれないか?」


 カレンは俺の言葉に頷き、火喰い狼に対して命令する。だが命令する内容を俺が決めておけば良かった……だってみんなもまさかテイムしている魔物相手にこんな事言うなんて予想できないだろう? 


 カレンの可愛い顔が、みるみる紅潮していき、Sっ気たっぷりな表情でこう言い放った。


「死になさい!」


 カレンに大分痛めつけられていた火喰い狼は悲しそうな顔をして自分の身体に噛みつき最後を迎えた。


「マルスの言った通りね! これで楽に火喰い狼を倒せるわね! ありがとう!」


 いや……そうじゃないんだが……


「カレン、火喰い狼に命令して他の火喰い狼を攻撃させることは出来ないか?」


 俺の言葉にさらにカレンが興奮して


「そうね! 魔物同士での戦いなんて凄いショーが見られるわね!」


 鞭を『パシン』と地面に叩きつけ、さらに顔を紅潮させてカレンが言うと、クロムのスリープで眠っている火喰い狼に鞭を打つ。


 すぐに火喰い狼は目を覚ましたが鞭を打ってもテイムする事が出来ず、火喰い狼が火を吐いて反撃してくる。


 すぐに俺がウィンドで火を払おうとすると


「マルス! 大丈夫よ! これくらいの火ならフレスバルド家の者であれば操れるわ!」


 カレンはそう言うと、ファイアボールを自身の目の前に発現させ、向かってくる火にぶつけると、火喰い狼が吐いた火を吸収したのかファイアボールが少し大きくなった。


 火魔法で火を吸収なんてできるのか……その後火喰い狼は火柱の攻撃をしてくるがファイアボールが大きくなるだけでカレンに対して有効な攻撃では無かった。


 もしかして火魔法使いが火喰い狼を嫌うように、火喰い狼側からしても火魔法使いは嫌なのかもしれないな。まぁここまで火を操れる者なんてそうはいないと思うが……


 直接噛むか鋭い爪で引っ掻く事、つまり近距離戦闘にしか活路がなくなってしまった火喰い狼が火を吐きながら近づこうとしてくるが、それを鞭で迎撃すると火喰い狼は観念したかのように寝っ転がって腹を見せた。


「カレン、まずはこの火喰い狼に名前を付けてあげよう。戦わせるときに分かりやすくするために」


「分かったわ……えっと……じゃあ1号で!」


 1号って……だが命名することで少し火喰い狼のステータスが上がっていた。



【名前】1号

【称号】-

【種族】火喰い狼

【脅威】B-

【状態】従魔(主人:カレン)

【年齢】1歳

【レベル】3

【HP】22/52

【MP】6/6

【筋力】31(+1)

【敏捷】43(+1)

【魔力】3

【器用】41

【耐久】30

【運】1


【詳細】火耐性。



 ちなみに前に俺が鑑定した火喰い狼と初期のステータスが全く一緒なのは本当に偶然だからな!? 魔物にも個体差があるからな?



「ライナー先生! ちょっとその火喰い狼を借りていいですか? カレンがテイムした1号が戦うかどうか見たいので」


 ライナーは良く分かっていない様子だったが、俺の言葉に頷いて、火喰い狼との戦いをやめてこちらに走ってくると、ライナーと戦っていた火喰い狼も俺たちの方に追っかけてくる。


「1号! あいつを倒しなさい!」


 カレンの言葉に1号は反応し、ライナーを追っかけてきた火喰い狼を側面から襲う。


 まさか火喰い狼も仲間から襲われるとは思ってもみないだろう。最初何が起きたか分からない様子だったが、攻撃されたら反撃するのがこの世の常。そこからは2体の魔物の同士討ちが始まる。


「何が起きているんだ? なぜ火喰い狼同士で戦っているんだ?」


 ライナーが聞いてくると、今まで俺たちの後ろで見ていたミーシャとクロムも説明を求めてくる。


 3人にテイムの事を教える頃にはもう決着がついており、1号が見事火喰い狼を噛み殺していた。最初からHPが減っていた1号の方が不利だったが、初撃で喉元付近に噛みついた奇襲攻撃が功を奏したな。


「カレン、1号のHPがだいぶ減っているな。火魔法を喰わせれば回復するんじゃないか?」


「そうね、じゃあ1号に火を与えるわ。かなりHP減っているからなるべく強力な魔法がいいわね……」


 少し嫌な予感がしたのだが俺は何も言わなかった。さすがにいくら何でもあの魔法は使わないだろうと思ったのだが……カレンが1号をかなり離れた場所に行くように指示をすると


「フレアボム!」


 そのまさかだった。


 一見フレアのような赤白い炎が1号に向かって飛んでいくと、1号も大好物を目の前にしたような犬のように尻尾をふり、巨大な炎を口に入れようとする……しかし、口に触れた瞬間、爆音とともに1号が爆ぜた。1号としての人生はほんの数分だった。


「見た!? 火喰い狼って火魔法が利かない訳ではないみたいね!」


 カレンは嬉しそうに俺たちの方を振り返って話しかけてくるが、俺たち4人は言葉を失っていた。


「と、取り敢えずみんなの所に戻ろうか? サーシャ先生たちも心配しているかもしれないし」


「そ、そうだな……戻るか」


 ライナーも何とか声を振り絞って俺に同意する。



「サーシャ先生! 何か変わったことはありましたか?」


 みんなの所に戻ってサーシャに聞く。ちなみにサーシャの隣にはアリスとブラムがいた。


「そんな変わりはないわ。敢えて言うのであればブラッドが回復したくらいかしら? 東側から火喰い狼が襲ってきてはいるようだけれども、私たちに姿を見せる前にクラリスが倒してくれているようで平穏そのものよ」


 南側を見るとブラッドとコディが2人で周囲を警戒していた。ブラッドも無事で何より。やはり神聖魔法使いがいるというのは心強いな。3人と言わず4人、5人と増えればもっといいのだが、それは高望みしすぎだろうな。


「分かりました。僕はアイク兄とクラリス、エリーの4人と一緒にスザク様の所に向かおうと思うのですがよろしいですか?」


「ええ、カレンとミーシャ、ライナーにクロムが居れば問題ないでしょう。アリスもいるから心強いし」


 サーシャの言葉にアリスが嬉しそうに笑顔で


「先輩! 気を付けてくださいね! 私もここでみんなと頑張りますから!」


 アリスはそう言うと俺の腰に腕を回して目を閉じる


「ああ、行ってくる。アリスも絶対に気を付けるんだぞ? 何かあったらサーシャ先生やカレン、ミーシャにすぐに言うんだぞ?」


 俺がアリスに唇を重ねると


「マルス、絶対に俺がアリスを守るから心配するな! 俺が一緒に組みたいと言ったことだしな!」


 ライナーの心強い言葉を受けて、眼鏡っ子先輩と一緒にいるアイクの所に行き


「アイク兄、スザク様の所に行きましょう」


 俺の言葉にアイクが頷き、眼鏡っ子先輩とキスをしながらお互い何かささやきあっているので、その間にクラリスたちの所へ向かう。


 クラリスとエリーはすでに俺に気づいており、俺が2人の下に行こうとすると2人も俺の方に走って来る。


「大丈夫だった? 何回も言うようだけど1人での行動は避けてね?」


 クラリスがいつものように俺の右隣に来るとエリーが


「……クラリス……怒られた……マルス1人……ダメ……」


 クラリスに怒られたのを引きずっているのか、少し俯き加減に言う。


「2人ともありがとう。でも俺はもう大丈夫だから。2度と2人にはあんな思いをさせないから」


 そう言いながら2人に口づけを交わすとアイクが俺の所にやってきた。


「よし! スザク様の所に行くぞ! 何が起こるか分からないから気を引き締めていこう!」


 皆が頷き、マルス班4人でスザクのいるであろう野営地の東側へ走り出した。


あくまでも火喰い狼は魔物ですからね。そこの所よろしくお願いしますm(__)m


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― 新着の感想 ―
[一言] テイムしたモンスターを自決させたり回復目的で爆散させる作品って初めて見たかも・・・ せっかく1号って名付けたんだから何頭も連れて歩いてほしかった
[気になる点] 犬猫ペット愛好家としては気分の悪いエピソードでした。
[良い点] 他のテイム物と違って職業設定がない世界設定な分、すわ敵大量に寝返らせて友軍ゲットか!?という流れかと思いきや、(テイムという概念が無い分)他の作品と違う斬新な展開で面白かったけどな。 敵を…
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