第183話 グッドラック
本日2話目。
20時に182話目を投稿しているのでそちらを見てからお願いします。
ごめんね……マルス……どうしても私はあなたを受け入れられなかった。
鈍感な所もあるけれど顔も良くて、頭も良くて、性格も良くて、スタイルも良く、強い、モテるし、周りに気を使える。そして何より顔がいい。
あなた自身は本当にこれ以上ない逸材だったのだけれど、1000年の恋も冷めてしまう、どうしても耐え難い事があるの……
それはマルスのセンスのなさ……
エリーが寝られなくなって、リスター帝国学校の【黎明】女子部屋に来る時にマルスがいつも持ってきて、あまりもの気持ち悪さに直視できなかった……旅路でもマルスがいつも持ち歩いているその醜悪な杖……
私の審美眼はS~Cまでしか鑑定結果が出ないはずなのにまさかのG。美しいか、美しくないかだけを判断するはずの審美眼のはずなのに……私が思う一番汚い物、臭い物、気持ち悪い物……どれを鑑定してもC。
それを遥かに超えるゴミのような杖をいつも大切そうに抱えているマルスを見ると、冷めてしまったの……
【黎明】の女性たちに聞いてみても、みんなボロ杖と呼んでいる。だけど汚い杖を持っていても、マルスの事が好きらしい……私はどうしても審美眼でGというのが我慢できない……
なにせこの世で一番醜い物なはずだから……この審美眼が無ければ、もしかしたら私も許容できたのかもしれないけど……
それにマルスを支える女性は何人もいる。でもドミニクを支える女性は私しか居ないから……エルハガンの宿でずっとドミニクは苦しい胸の内を私にだけ話してくれた。
デアドア神聖王国に対する想い、教皇様への想い、そして【暁】への想い……ドミニクの心の中はいつも嵐が吹いていた。
ドミニク自身でもどうしていいのか分からない……そして私もその複雑に絡まった紐を解くことは出来なかった。
だけどマルスはそんなドミニクの心の紐をいとも簡単に解いてくれた。さすがドミニクが尊敬しているだけの事はある。
マルスたちを乗せた馬車が私とドミニクからどんどん離れていく。私とドミニクの心の中はマルスの言葉の魔法によりスッキリしている。
さて、今からエルハガンの街に歓喜の雨を降らせにでも行きますか。ドミニクの手を取り私たちは、マルスの魔法で抱かれた街へ走っていった。
どうしてもソフィア目線を書きたかったので別にしました。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
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