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11章 少年期 ~リスター帝国学校 2年生 デアドア神聖王国編~

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第178話 悲劇

間に合わないかと思いました。

詳細はあとがきで。

「ドミニク。この辺りにエルハガン以外の街とかあるのか?」


 サーチを展開しエルハガンに戻りながらドミニクに聞いた。


「ああ。街という規模ではないがな。村レベルの集落が何個かあるくらいだ」


「じゃあ案内してくれ。しらみつぶしに行こう」


 ドミニクと一緒に村や集落を回ったがウピオルはおろか、村人やゴブリンすらいなかった。


「ドミニク、どこか心当たりはないか?」


 周囲を警戒しながら言うとドミニクが


「……ない……待てよ……もしかしたら……」


 徐々にドミニクの顔が青ざめていく。


 俺もドミニクの顔を見て、絶対にそこであって欲しくない場所を思い浮かべてしまった。


「……エルハガン……かもしれない……いや! エルハガンしかない!」


 やはり同じことを考えていたか。俺たちはゴブリンの群れの発生源……つまりヴァンパイアの所に向かうとき、ゴブリンたちに気配を悟られぬようにエルハガンに向かうゴブリンたちを注視することはなかった。


 最初からヴァンパイアを奇襲で倒すつもりだったから広範囲の索敵ができるサーチは、ある程度の相手だとバレてしまうのでサーチを使って索敵はしていなかった。


 それに当初ヴァンパイアがいるとは思ってはいたが、1人しかいないものだと考えており、まさか4人もいるとは思っていなかった。しかもヴァンパイアがいるとしたら、宙に浮いている壁の付近にいると思い込んでいた。


 考えが甘かったか……いや、あの時点では最適な行動だったはずだ……ヴァンパイアも結果的にはかなり楽に倒せたが、もしかしたらウピアルよりも強いヴァンパイアがいた可能性がある。


 というか魔物が出現している量を考えると確実にウピアル以上だと思っていた。


「エルハガンに急ごう!」


 そう言ってドミニクとエルハガンに向かって走り出した。


 俺はゴブリンを倒しながら走ったが、ドミニクはそんな余裕がないのかそのまま走る。走り出して20分くらいでドミニクがバテ始めた。


 無理もない。俺の装備は全て軽装だが、ドミニクの装備は重装だ。間違いなく俺の何倍……いや何十倍という重さの防具を装備している。そんなものを装備しながら長時間走るのはきついだろう。


「マルス! 先に行ってくれ! もうすぐエルハガンが見える! 後で必ず追いつくから頼む!」


 ドミニクに言われて俺は1人でエルハガンに急いだ。ゴブリンを倒しながらエルハガンに急いで向かうが、ドミニクと別れて以降、ゴブリンを燃やしてはいない。


 とにかく今を凌げればいいから剣とウィンドカッターで見える範囲のゴブリンを全て倒しながら最短ルートでエルハガンへと走った。今はとにかくエルハガンに1秒でも早く到達することが最優先事項だ。



 エルハガンの街に近づくと北門の前には人だかりが出来ており、全員が東の方を見ていた。東側には1人おり、そいつは北門側を向いている。東側の奴が恐らくウピオルだ。冒険者達との距離の差は50mくらいか……


 そしてそのウピオルにさっきからずっと1人で戦っている者がいた。豪華な祭服を着ている人物……教皇だった。


 俺はゆっくりと気づかれないようにウピオルに近づく。


 ウピオルまで500mくらいの所まで近づくとウピオルの右手が誰かの頭を掴んでいるというのが分かった。


 角度が悪くて見えなかったのでウピオルの正面の方にゆっくり歩いて近づき右手を確認すると……教皇の息子のセラフの頭が掴まれていた。


 セラフは足をばたつかせて必死になって逃げようとしているが、流石にヴァンパイアに掴まれたら子供のセラフは抜け出せないだろう。少しするとセラフは気絶したのかぐったりとなった。


 セラフが人質のせいなのか冒険者や神殿騎士たちは、ただウピオルの方を見て得物を構えているだけだ。


 教皇1人がウピオルと戦っている。いや……ウピオルに弄ばれている。だが教皇は諦めている様子ではなかった。


 何度もウピオルに向かっては吹っ飛ばされての繰り返しだ。不思議なのが教皇は腰にぶら下げているクラレントではなく普通の鉄の剣でウピオルと戦っている。


 ヒスはどこに行ったのかと思って辺りを見回すと教皇とウピオルが戦っている付近の街壁の上におり、タイミングを見計らって下に居るウピオルに斬りかかろうとしている。


 このまま走っていくか、見つからないようにゆっくり行くか、悩んだが、このまま走って行って一刻も早く詳細な状況を確認したかった。


 走って教皇とウピオルが戦っている方に向かうとウピオルが俺に気づいたらしく、セラフを盾にしながら俺に対して怒鳴る。


「貴様! そこで止まらないとこいつの頭を握りつぶすぞ!」


 かなり近づけたのでもう声が聞こえるくらいの場所まで来られたからまぁいいとしよう。


「おい! そのままお前は冒険者たちの所へいけ!」


 ウピオルが俺に対して命令した。俺は素直に従いながら冒険者たちの方に向かったが、向かう間にウピオルを鑑定した。ウピオルの頬には昔斬られたであろう傷跡があった。恐らくこいつがドミニクたちの師匠を殺したヴァンパイアだな……



【名前】ウピオル・バートン

【称号】-

【身分】魔族(吸血鬼)・バートン伯爵家当主

【状態】良好

【年齢】124

【レベル】50

【HP】249/250

【MP】198/444

【筋力】98

【敏捷】80

【魔力】72

【器用】32

【耐久】98

【運】1


【特殊能力】魔眼(LvMax)

【特殊能力】体術(Lv8/B)

【特殊能力】火魔法(Lv6/D)

【特殊能力】門魔法(Lv2/E)

【特殊能力】HP回復促進(Lv7/C)


【詳細】神聖魔法に弱い



 さっきのヴァンパイア3人よりは武闘派と言う感じだな。魔眼持ちというのも厄介だ。ウピオルは俺が鑑定したのに気づいたらしく俺の方を睨みつけてきた。


 冒険者たちの後ろにつくと近くの冒険者に状況を聞いた。


「なんで教皇様だけが戦っているのですか?」


 小さな声で聞くと


「あのヴァンパイアが脅迫してきのだ。教皇様以外が近づいたら、セラフ様の頭を握りつぶすぞと」


 まぁ思った通りだな……ヒスが攻撃するタイミングが重要という事だな。それに教皇のダメージもかなり蓄積されている。いくら手加減されているとはいえウピオルは強い……


 徐々に教皇のHPが減っていき、明らかに疲労困憊している。このままではヒスの降りてくるタイミングはない。


 徐々に俺自身が焦っていくのが分かる。その時、俺の目には一縷の望みが映った。遅れてやってきたドミニクがかなり近くまで接近してきたのだ。ウピオルは冒険者たちの陰に隠れている俺をかなり警戒している。


「おい! 金髪野郎! 貴様が少しでも動いたら絶対にこのガキの頭を潰すからな!」


 よし……ドミニクとヒスの事がバレている様子はない。きっとウピオルは鑑定できない俺の事が相当気になるのであろう。


 ドミニクは息を切らせながらソニックブームを片手に走ってきた。今はもう教皇と同じくらいウピオルに近づいている。


 それを見た教皇がウピオルに叫びながら突っ込む。


 さらにヒスも街壁から今まさに飛び降りようとしている。



 まずドミニクがセラフを掴んでいたウピオルの右腕を背後から一撃で斬り飛ばした。


 そしてドミニクがすぐにセラフを俺の方に投げ飛ばす。冒険者の陰に隠れていても、背が高くて金髪の俺はどこにいても目立つ。だがさすがにいくら小さな子供でもドミニクの位置から俺の所まで届くわけが無い。


 しかしここである努力が役に立った。それは武神祭で女性対策の為に編み出した魔法だ。まぁ大工仕事の時の荷物運びや、迷宮の荷物持ちでも使っていたんだけど、優しく包むという事に特化したこの魔法を俺は、エアリーと名付けていた。俺はエアリーを唱えてセラフを風でゆっくりと包み込み後方まで運ぶ。



 ドミニクに右腕を斬られたウピオルは驚いていたが、すぐにドミニクに対して左手の手刀で攻撃しようとすると、今度はちょうど上からヒスが落ちてきてウピオルの頭を狙った。


 しかしウピオルはギリギリで気づき、左腕を犠牲にして頭への攻撃を防いだ。恐らくヒスの影でヒスの存在に気づいたのだろう……


 今ウピオルの右腕はドミニクに斬られ、左腕はヒスに斬られ、両腕ともない状態だ。そして教皇が今まで装備していた鉄の剣を投げ捨て腰にぶら下げているクラレントで居合斬りをウピオルに放つ。


 必殺の剣がウピオルの頭を斬り飛ばしたと思った瞬間、ウピオルはクラレントを見て驚いた表情を見せた。


 驚いたウピオルは蝙蝠になって教皇のクラレントを躱すとすぐに人の姿に戻り、教皇の右腕を先ほどヒスに斬られたはずの左手の手刀で斬り飛ばした。


 そしてウピオルは宙に浮いた教皇の腕とクラレントをフレアで焼き払った。ドミニクに斬られたはずのウピオルの右腕ももう再生している。


 そう言えばウピアルと戦って感電状態にした時、再生ができないとか言っていたな……通常時であれば再生出来るのか……しかし、ウピオルのMPはもう98/444となっている。


「あの剣は、この顔に傷をつけた魔剣だな! よくも……ぶっ殺してやる!」


 フレアを放ったウピオルは教皇に怒りを爆発させ、そのまま教皇の胸を貫こうとしていた。


 その時、俺は目の前の冒険者たちが邪魔でなかなか前に出ることが出来なかった。


「どいてください!」


 叫んでも誰も俺の言葉を聞いてくれない。冒険者や神殿騎士たちは、ただ夢中で3人の戦いを見ている。


 今はかき分けて前に出るというよりも強引に冒険者達をどかして前に出ようとしている。もしも未来視(ビジョン)が最悪な結末を見せるのであれば、俺はこの冒険者達をウィンドで吹っ飛ばしてでも前に出ただろう。


 だが未来視(ビジョン)では教皇が死ぬ未来を見せなかったので俺はウィンドを使ってまでは前に出なかった……この時気づいていれば良かった……未来視(ビジョン)でなぜかウピオルの攻撃予測も出来ていなかった事を。


 次の瞬間……ウピオルの右腕が教皇の胸を貫こうとした時……ヒスがウピオルと教皇の間に割って入り、教皇の身代わりとなって胸を貫かれた。


当初5000文字以上のものを投稿する予定だったのですが

納得いかなくてまた別の5000字のものを書き、

そしてそれも納得できなく現在のプランCに至ります。

この話だけで丸一日以上考えたのですが、

3つのプラン全てで言えることは、

表現が下手過ぎてうまく伝わらないかもしれませんm(__)m




突っ込まれそうな未来視(ビジョン)の能力


未来視(ビジョン)

これは0.5秒先の未来が見えるようだ。戦闘中に相手の攻撃が分かるのはありがたい。

距離が遠くなると効果が薄くなる。つまり自分の周囲にしか効果が無いという事か。


今は1秒

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― 新着の感想 ―
[一言] 未来視はどこかdw1秒に伸びてなかったかな……… ここまでのページの仲で氷砦のルビがアイスフォレストになってるところがあったと思う。
[気になる点] 131話で、未来視は1秒くらい先まで見えるようになったとありましたよ?
[気になる点] こういう人ゴミの中から敵に近付く時は、跳躍して人ゴミを飛び越えて接敵するのがお決りのパターンかと思うのだけど、飛び越える事も出来ないくらい密着してるのかな? でも密着してるくらいの状況…
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