第156話 アルメリア迷宮5層
2031年1月9日 7時
今からボス部屋に向けて出発する。
この3日間ずっと脅威度Bのオーガと戦いまくっていたので、俺のレベルは1、クラリスは2、エリーは3上がっていた。
【名前】マルス・ブライアント
【称号】雷神/風王/聖者/ゴブリン虐殺者
【身分】人族・ブライアント伯爵家次男
【状態】良好
【年齢】11歳
【レベル】40
【HP】102/102
【MP】8015/8015
【筋力】95
【敏捷】95
【魔力】112
【器用】91
【耐久】90
【運】30
【固有能力】天賦(LvMAX)
【固有能力】天眼(Lv10)
【固有能力】雷魔法(Lv8/S)
【特殊能力】剣術(Lv9/A)
【特殊能力】火魔法(Lv5/D)
【特殊能力】水魔法(Lv5/D)
【特殊能力】土魔法(Lv5/D)
【特殊能力】風魔法(Lv10/A)
【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)
【装備】雷鳴剣
【装備】火精霊の剣
【装備】鳴神の法衣
【装備】偽装の腕輪
今年A級冒険者に挑戦してみようかな……と思えるくらい強くなったと思う。
HP100超え、ステータスがオール90以上……チートスキル盛りだくさん……そして装備による底上げも考えるとなんかA級冒険者になれる気がする……
【名前】クラリス・ランパード
【称号】弓王・聖女
【身分】人族・ランパード子爵家長女
【状態】良好
【年齢】11歳
【レベル】44
【HP】94/94
【MP】1600/1600
【筋力】67
【敏捷】68
【魔力】84
【器用】81
【耐久】67
【運】20
【固有能力】結界魔法(Lv4/A)
【特殊能力】剣術(Lv6/C)
【特殊能力】弓術Lv8/B)
【特殊能力】水魔法(Lv6/D)
【特殊能力】風魔法(Lv4/F)
【特殊能力】神聖魔法(Lv8/A)
【装備】ディフェンダー
【装備】魔法の弓
【装備】聖女の法衣
【装備】神秘の足輪
【装備】偽装の腕輪
クラリスも今年は無理かもしれないが、来年あたりA級冒険者に挑戦してみてもいいのではないだろうか?
【名前】エリー・レオ
【称号】-
【身分】獣人族(獅子族)・レオ準女爵家当主
【状態】良好
【年齢】10歳
【レベル】41
【HP】115/115
【MP】111/111
【筋力】83
【敏捷】102
【魔力】25
【器用】32
【耐久】67
【運】10
【固有能力】音魔法(Lv1/C)
【特殊能力】体術(Lv8/B)
【特殊能力】短剣術(Lv7/C)
【特殊能力】風魔法(Lv3/G)
【装備】ミスリル銀の短剣
【装備】風の短剣
【装備】戦乙女軽鎧
【装備】風のマント
【装備】風のブーツ
やっぱりエリーはレベルが上がると敏捷値が跳ねあがる。来年にはガスターより強くなっている可能性がある。もう敏捷値はガスターとほぼ変わらないし、筋力、耐久値はガスターよりも上だ。
こうしてみると数か月前はあまりにもかけ離れたステータスと思っていたガスターがもう目前まで迫っていると考えると相当強くなったと思う。
俺たちは4層をサクサク進み5層のボス部屋の前まで辿り着いた。ボス部屋に入るときは必ず俺が一番最初に入るようにしている。何故かと言うと1人しか入れないボス部屋があると授業で習ったからだ。
「多分脅威度Aクラスのボスだと思う……クラリスは結界魔法と氷砦がいつでも発現できるようにしておいてくれ。エリーは指示があるまでクラリスと一緒に居る事」
俺がボス部屋の扉をゆっくり開けてゆっくりとボス部屋に入る。その後をクラリス、エリーの順番で入り、少し時間が経つと扉が勝手に閉まった。魔力だまりが16個もある……湧き部屋か。
そして10体のオーガと5体の青のオーガ、更に1体の赤いオーガがいた。
「ボス部屋なのに湧き部屋でもあるのか……これは相当まずいかもしれないな……」
俺の言葉に緊張が走る。まず5体の青いオーガを鑑定すると
【名前】-
【称号】-
【種族】オーガソーサラー
【脅威】B
【状態】良好
【年齢】45歳
【レベル】12
【HP】110/110
【MP】258/258
【筋力】58
【敏捷】55
【魔力】68
【器用】50
【耐久】58
【運】1
【特殊能力】棒術(Lv3/E)
【特殊能力】土魔法(Lv7/C)
【詳細】知能が高い魔物。人の言葉が理解できる。
オーガの魔法使いバージョンだ。こいつは厄介だ……
今までオーガたちをMP枯渇で倒してきたのだが、魔法使いタイプの相手がいるとそれだけレジストされてしまう。
そして今まで10体までしか相手にしていなかったのに16体となると、逆に魔法戦でこちらが不利になってしまう。
まぁMPさえ枯渇させてしまえばどうとでもなるのだが……それにしても年齢45歳って……もしかしてここの迷宮が出来た時からいるのか? レベルもそこまで高くないからあり得るかもしれない。
試しに普通のオーガも鑑定したら年齢が45歳になっていた。間違いないこいつらアルメリア迷宮が出来た時からずっとこのボス部屋に居て誰にも倒されたことが無いんだ。
そして最後に赤いオーガを鑑定してみた。こいつが脅威度Aかと思って鑑定すると
【名前】-
【称号】-
【種族】オーガバトラー
【脅威】B+
【状態】良好
【年齢】45歳
【レベル】15
【HP】284/284
【MP】101/101
【筋力】78
【敏捷】75
【魔力】52
【器用】58
【耐久】70
【運】1
【特殊能力】棒術(Lv7/C)
【特殊能力】土魔法(Lv5/D)
【詳細】知能が高い魔物。人の言葉が理解できる。
意外にも脅威度はB+だった。明らかに同じ脅威度のキマイラよりかステータスは高いが、考えてみるとキマイラは特殊能力が凄かった。
オーガバトラーとキマイラが1対1で戦うともしかしたらキマイラが勝つかもしれない。キマイラには魔物召喚と火魔法、HP回復促進があったからな……
「クラリス! 俺と一緒にブリザードを唱えよう! どうせレジストされるが相手のMPも相当減るだろう! そしてレジストしている奴らの動きは止まる! そこを俺とエリーで叩く! レジストしていない奴の動きには十分気をつけてな!」
俺とクラリスがブリザードを唱えるとオーガ5体と、オーガソーサラー5体でブリザードをレジストした。
まさか10体だけで混合魔法のブリザードを止められるとは思わなかったが、これで魔物の動ける人数は6体。それに対して俺たちは俺とエリーが動ける。
俺は左手でブリザードの制御をしているから右手の雷鳴剣だけしか使えないが、未来視、魔力眼、風纏衣とフル使用だ。
「エリー! 1体ずつ仕留めるぞ!」
俺がそう叫ぶとエリーが俺の横に来るがオーガたちもバカじゃなかった。なんと動けるオーガ6体が俺たちに向かって突撃してきた。
これは好都合、凌ぐだけだったら楽だと思ったのだが、オーガたちの狙いは俺のブリザードの補助をしているあまり動けないクラリスだった。
ここでクラリスがブリザードの補助が出来なくなると、一気に魔法戦でこっちが押し切られてしまう。オーガたちのMPもまだ半分以上残っている……
「エリー! オーガの狙いはクラリスだ! 死守するぞ!」
俺の言葉を聞かなくてもすぐに状況を察したのか、エリーは俺の隣からすでにクラリスの前に立っていた。
俺もすぐにクラリスの近くに行くと6体のオーガたちは魔法でクラリスを攻撃し始める。本当に厄介な奴らだ……
オーガたちのストーンバレットはエリーと俺でなんとか捌くことができたが、問題はオーガバトラーの地面から出てくるストーンスピアだった。
発現するのに時間がかかるがクラリスは全力でブリザードの補助をしているので動けない。クラリスもアイススピアとかだったら動きながら放てるのだが、さすがに混合魔法のブリザードはいくら補助とはいえ動きながらは発現できない。
クラリスは魔法を唱えるためにずっと両腕を上に上げて万歳している態勢だ。
「クラリス! 抱きかかえるぞ」
俺は右手の雷鳴剣を背中の鞘にしまい、クラリスの後ろに立ち右腕でクラリスのお腹に手をまわし、抱きかかえながらストーンスピアを回避した。
俺も左手はブリザードの制御の為に使えない。ストーンバレットは無詠唱ウィンドカッターで迎撃した。
右腕だけでクラリスを抱きかかえないといけなく、ストーンスピアを躱すたびにクラリスを抱きかかえる位置が上の方になっていってしまう。
抱きなおす暇も与えてくれない……だがここでクラリスを落とすとクラリスはストーンスピアの餌食になってしまう。
「クラリス! すまない! 掴むところがないんだ!」
クラリスは俺が何を言いたいか分かったようだ。
「気にしないでいいわ! だけど先端だけは……あまり刺激しないで……」
恐らく今クラリスの顔は真っ赤だろう……俺は後ろからクラリスの左胸を右腕で下から優しくつかんだ。
柔らかい……だが今はそんなことを堪能している場合じゃない。その証拠に俺の相棒も反応をしていない。
それにしてもこういう時に大きいのって便利なんだな……これがミーシャだったらストンと落ちてしまったかもしれない……まぁミーシャはまだ成長中だから比較するのは可哀想か……
2、3分躱し続けるとブリザードのレジストが無くなった。ようやくレジストしていたオーガたちのMPが底をついたのだ。16体のうちMPが残っているのはオーガバトラーだけで、オーガバトラーのMPもストーンバレット1発分と言った所だ。
俺は右手のクラリスを泣く泣く離すと
「もうオーガたちのMPはない! だけど時間もない! あと15分もしたら次が湧いてくる!一気に仕留めるぞ! クラリスは魔法の弓で攻撃し、エリーは遊撃してくれ。俺はウィンドインパルスでオーガたちを一か所に纏めてファイアストームで焼き尽くす!」
ファイアストームを発現させてそこにオーガたちを放り込むようにウィンドやウィンドインパルスを放つ。
クラリスはひたすら魔法の弓を射ちまくっている。エリーはオーガバトラーと1対1で優勢となっており、今にも止めを刺そうとしている。
完全に勝利は見えているのだがオーガたちの耐久値や魔力が高いため止めを刺すのに少し時間がかかってしまった。
16体のオーガたちをなんとか30分以内で倒しきると部屋の中央に宝箱が2つポップした。
「クラリスとエリーは先に部屋から出ていってくれ。俺もあれを回収したらすぐに行くから!」
クラリスとエリーは俺の言葉に従いすぐに部屋の外に出た。そして2人は扉を開けたままにしてくれている。
2つの宝箱を鑑定するとまた毒矢の罠だった。ちっ! こんな時に……毒矢の罠を回避して俺は宝箱から白く光る剣と明らかに強力そうな短剣を取り出し、急いで部屋の出口に向かった。
なんとか間に合った……と思った瞬間に俺の目の前で扉が閉まった。扉が閉まる瞬間のクラリスとエリーの表情は忘れることが出来ない表情だった。
そして振り返るとオーガたちが1体ずつ魔力だまりからリポップしていた。










