第1話 プロローグ
初投稿です。なんとなく雰囲気で書いているので、大目に見てください。
今回もダメだったか。
現在浪人2年生の俺藤崎裕翔は返却されてきた全国模試の結果を見て落胆した。
しかし落ち込んでばかりはいられない。
「為せば成る」俺の座右の銘だ。
頑張りが足りてないだけなのだ。そう思い今も3度目の受験に向けて勉強している。
今までは毎日1日12時間しか勉強してなかったから、今日からは15時間やろう。
そして受かったら大学で野球をやりたい。
ちなみに俺の第一志望は3年間変わらず日本で一番でかいマンモス大学だ。
偏差値は50前後といったところか。
同級生たちは3年の夏ごろから受験勉強し始めて俺よりも偏差値の高い大学に受かっている。俺は高校1年から一生懸命受験勉強をしていた。
俺の努力を嘲笑うかのように合格する様子に嫉妬した時期もあった。
しかし努力が足りないだけだと自分に言い聞かせた。
野球にしてもそうだ。 小学校に入る前から野球をしていたがレギュラーになれた事は1回もない。 中学、高校ともに強豪校というわけでもない。 そして高校時代では1度もベンチ入りしたこともない。
頑張らなきゃと思い、シャーペンを走らせる。
『パキッ』
数時間勉強していたらシャーペンの芯が折れた。
替え芯が無くなってしまったので近所のコンビニで買ってくるか。ルーズリーフも無くなってきたからついでに買おう。
身支度を整えて深夜のコンビニに向かう。
外は大雨で雷も鳴っている。
コンビニに着いてすぐにトイレに行きたくなり、女性店員に声をかける。
「トイレを貸してください」
「はい。どうぞ」
あの女性店員は新人だろうか? 年は俺と同じくらいであんなにかわいい店員なんていなかった気がするが。
俺はちょくちょくこの近所のコンビニを使っている。その俺が初めて見る店員だから間違いないだろう。
そんな事を思いながら用を済ませてトイレから出ると、店内の様子が変わっている事にすぐに気づく。男の怒鳴り声が聞こえるのだ。
「金を出せ!」
目出し帽を被った男がナイフを突きつけ新人女性店員に向かって叫んでいた。
バックヤードから男性店員が様子を見ている。
全く女性店員を助ける様子はない。もしかしたらそういうマニュアルなのだろうか?
新人女性店員は落ち着いているようだ。
すぐにレジを開けてお金を渡す。
しかしそれを受け取った強盗は
「ふざけるな! これじゃ足りないだろ! 隣のレジからも出せ!」
興奮した様子で新人女性店員に怒鳴っていた。
俺はその隙に興奮しすぎて注意力が散漫になっている強盗の背後に忍びよる。
「早く出せ! 早く動け! 殺すぞ!」
強盗が唾を吐きながら怒鳴り続ける。
そしてナイフを女性店員に突きつけようとしたその時にすぐ俺は動いた。
音を殺しながら男の背後に回り男の腕に向かってトイレから持ち出したデッキブラシをフルスイングする。
俺の約10年間にわたる素振りはこのためにある! そしてその成果は見事に出た。
『ビュン!』
風切り音と共にデッキブラシが男の右肩に命中する。
「うわぁっ!」
強盗は痛みで右手に持っていたナイフを手放した。
「ぶっ殺してやる!」
しかし俺を睨みつけて叫ぶと、男は着ていたパーカーのポケットから新たなナイフを取り出して左手で持ち、俺と女性店員に挟まれないようにコンビニの入り口を背にするように後ずさっていく。
右手は俺の渾身のフルスイングが上手く決まったからかだらんとしていた。
俺の右手にはフルスイングした衝撃で折れたデッキブラシがある。
ある意味折れる前よりも攻撃力は高いだろう。折れた先がギザギザなのだ。
しばらく睨み合っていたが、女性店員が隙をみて警報を鳴らした。
『ビリリリリリリリリィ』
店内に警報音が鳴ると強盗は諦めたのか外に逃げる。
追いかけるつもりはなかったのだが、どちらに逃げたかだけでも確認しようと俺も外に出た。
外に出ると、強盗が逃げるのをやめてナイフを振りかざして突進してくる。
ナイフを振り回している強盗に、俺もデッキブラシを構えて応戦した。
大雨のせいで視界が非常に悪い。
ナイフを視認できないときは大きめに下がる。
そして強盗がナイフを振り下ろしてきた時だった。
俺は後退して捌こうとすると強盗は振り下ろすのを途中でやめそのまま突っ込んできた。
今までは振り回すだけだったのに、急に刺そうとしてきたのだ。
急に変わった行動パターンに対処ができず、このままでは躱しきれない。
強盗は殺ったと思ったのか少し笑みを浮かべながら迫ってくる。
俺の腕に刺さりそうになったところで、強盗のナイフは地面にたたき落された。
なんと女性店員が棒切れのようなものを男の手に振りぬいたのだ。
棒切れを持つ店員は凛としており、また雨に顔が濡れていても美人と分かった。
「ありがとう! 助かった!」
「こちらこそありがとう!私も助かったわ!」
2人とも強盗から目を離さず大声でお礼を言い合う。
そして2人で強盗を捕縛しようと近づいた時だった。
俺たち3人を光が包み込む。
『ドゴォォォォッォォンンンンン!!!』
俺は光の奔流に飲まれ意識を手放した。
ちょこちょこ更新します。よろしくお願いします。