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さて、どうしたものか…。家族はもちろんのこと、箱推しのゲームだから、みんなに幸せになって欲しい。見た目5歳だけど、中身アラサーだから、もう親みたいなもんなんですよ。実際、両親は前世の私より年下やしな。
よし決めた!みんな幸せになる方向を目指しつつ、私は私で旅に出るか公爵領で楽しく暮らす準備もして行こう!前世は一人旅もソロキャンプも大好きな自由人だったから、大丈夫なはず!
今後の展望の大枠を決めた私は、ゲームで私を取り巻く人間関係を一つ一つ整理していくことにした。まずは、婚約者の王太子ラファエル。
ゲーム通りならば、5歳の春に国王夫妻と両親がお茶会で意気投合して、子供たちをくっつけちゃおうYO☆彡みたいなノリで婚約が決まり、私の方は何もわからないままお姫様になれる~!ってな感じで婚約をオッケーしちゃったんですよね。王太子の方も、品行方正な良い子ちゃんだから両親の言う通りで何の疑問も無く婚約が進んでいったんですよね。
そもそも論だけど、婚約しなければ悪役令嬢になる必要は無くないか?ならなくていいならなりたくないよ。基本人に嫌味言ったりすると自分にダメージが来てしんどくなるタイプの人間だし。隠れオタクのヘタレだし。
まだ婚約していないのだから、いくらでも方法はあるはず!ほかのお嬢さんと婚約してもらうとか、両親にお茶会に行かないでもらうとか……それだ!
私はすぐさま、傍に控えていた専属のメイド、ローズに尋ねる。
「ねえローズ、父様と母様は今どちらにいるかしら?」
ローズはきょとん、とした顔をしている。メイドの仕事はプロ級で、私より一回りほど年上だが、こういう表情をするとまだまだあどけない。今日も可愛いな。
「旦那様と奥様は王宮のお茶会に行かれましたよ。お嬢様にもご朝食の際に楽しそうにお話されていましたでしょう?」
「え"」
そういえばそんなこと言ってた様な…。お茶会今日やったんかい。前世の記憶を思い出して早々とは、どんなグッドタイミングなの。いや、バッドか。
案の定、お茶会から帰宅した両親は、興奮を隠し切れない様子で、婚約のことを話始めた。ところが、私の気乗りしない様子を見て段々と落ち着いていき、余計なことをしてしまったかもしれないと落ち込んだ様子である。ありがたいことに、娘に政略結婚を強いる様な親では無いのだが、王族との婚約をこちらから断ることも出来ないのであろう。一先ず、回答は保留にして、一度王太子に会ってみることを提案されて、話は終わった。
「どうしたもんかなぁ。」
どうにかして婚約を回避する方法を考えるが、答えは出ずに時間ばかりが過ぎていくのであった。




