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ええっと、状況を整理してみましょう。


私は帝国の公爵家令嬢、ベアトリス・ネージュ。5歳。仕事熱心で厳格だが、家族には優しい、というか甘い、当主の父と、ほんわかしつつもしっかり者の優しい、社交界の華と呼ばれていた美貌がいつまでも衰えない母、勉強も剣術もトップクラス、その上家族思いで容姿端麗な自慢の兄の4人家族。優しい家族に蝶よ花よと育てられ、若干我儘にもすくすく成長中である。


そして、たった今思い出した、前世の私。OL。28歳独身。アニメやゲームが大好きだが、会社ではそれをひた隠しにしていた、所謂隠れオタクである。仕事は嫌だが、社会人生活にも慣れ、お財布にもゆとりができ、どんな生涯の終え方だったのかは分からないが、それなりに楽しい生活を送っていた。と、思っている。


そんな前世の私がドはまりしていた乙女ゲーム、「The Ring~魔法の国で王子様と~」の世界にどうやら私はいる。それも、ヒロインの前に立ちはだかるお邪魔虫的な存在、つまり悪役令嬢として。


はまってたゲームなだけに、主人公じゃないんかい!っていう落ち込みは大きい。が、こんなこと人生でそう何度も起こることじゃないし、せっかくなら楽しみたいかもしれない。


幸い、悪役令嬢と言えども、ゲーム自体が全年齢対象で、ほのぼのしている学園恋愛ゲームなので、ヒロインのライバル的存在で、テストで張り合ったり嫌味な言動をしたりするが、暴力や陰湿過ぎるイベントは無く、断罪というほどのしんどい展開では無かったはず。でも、ベアトリス自らが、恋に敗れたショックで旅に出たり、国境付近にある公爵家の領地へ静養に行ったって記述はあったかもしれない。


ゲーム的に考えると、今後の私の生き方としては3つがある。①登場人物たちと全く関わらない様にひっそりと生きていく。②どうせなら仲良くなっちゃってバッドエンドを回避する。③悪役令嬢を貫き、ゲームの結末が来たら第二の人生を楽しむ。


うーーーーん。①も②もアリだけど、ゲームのシナリオ通りに事が進むようになっている場合は、どう頑張っても悪役ポジションは回避できないよなあ。


生きては行けるんだし、公爵家の跡取りは自慢の兄様がいる。家族に迷惑がかかることは無いだろう。思い切って③でいこうかな。


ゲームがスタートするのは、ヒロイン(と攻略対象達と私)が魔法学園に入学する、15歳の春。この世界では幼少期に魔力が宿った指輪が顕現した者は魔法が使用でき、一般的には5歳までに発生する。貴族の系統で発生することがほとんどで、魔法の使い方を学ぶ為、学園に通うことが義務化されている。


ヒロインは元々は地方の田舎で暮らす身寄りのない平民で、魔法が顕現したことがきっかけで教会の施設に居づらくなり、教会のシスターの薦めで遠縁の男爵夫妻に引き取られ、魔法学園に入学する。そこで出会う4人の攻略対象達の誰かと恋に落ち、幸せに暮らしていくのだ。


攻略対象の4人はいずれもエリート貴族達。1人目はこの国の王太子、ラファエル・ルーヴェン。透き通る様な金髪に深い海のような碧い瞳、学力も剣の腕も国内トップクラスの実力で、誠実で優しい人柄、表向きは次期国王に相応しい人物と言える。が、仲良くなると見えてくる腹黒い一面もある。まあ完璧な人間なんていないよねぇ。


2人目は騎士団長の息子、ルイ・ウォルドーフ。黒髪に薄いグレーの瞳、ゲーム随一の長身で鍛え上げられた体躯に加えて、寡黙で人見知りする性格は、一見近寄りがたい印象を受けるが、懐に入れた人物にはどこまでも誠実で優しい。本当に優しい。いらぬ情報だが私の最推しである。


3人目は侯爵家の次男で魔法省の最年少幹部、アレクサンダー・ブラウン。幼少期より教わることなく魔法を使いこなし、優れた記憶力で王立図書館の本の内容の9割を記憶している、超頭脳派の優等生。プラチナブロンドの髪に深い緑の瞳で、理路整然と話すことが多く、冷たい印象を受けるが、実は根っからの動物好き。特に小動物に目がないギャップ萌え必須の美形男子だ。


4人目は隣国の王太子、レオ・グレイス。ダークブロンドの髪に分厚いビン底眼鏡(この世界にもあるのね)をかけているが、眼鏡を外すと、隣国王族の象徴、ヴァイオレットクリスタルアイと呼ばれる、きらめく瞳の持ち主で、会う人すべてを魅了する。王族であることを隠して学園に通う為、成績も公表されることは無いが、頭脳明晰で剣の腕も立つ。会話の端々から若干のタラシ要素が垣間見えるが、実はとってもピュア。


なんだこの4人!可愛い可愛いかよ!!そう言えばこのゲーム、攻略する度に推しが増えて、最終的には箱推しになってたんだった!!


ヒロインは学力テストや魔力の実技試験をミニゲームでこなしつつ、学園行事や休日の行動により発生するイベントで好感度を高めて、意中の相手との仲を深めていく。最終イベントの卒業パーティーでカップル成立となればハッピーエンドである。


悪役令嬢こと私は、5歳の時に親同士が決めたラファエルの許嫁としてゲームに登場する。ラファエルルートに入ったヒロインに、テストの結果発表で嫌味を言ったり、実技試験でヒロインに立ちはだかる敵役になったり、イベント時にラファエルにぴったりくっついていたり、と、攻略する上での目の上のタンコブ的存在になるのだ。


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