軌跡と予兆
以前投稿した短編「闇の中の少年」+αになります。
少年は闇の中にいる。
深く傷ついた心は凍りつき、過去の記憶は鎖となって少年を縛りつけていた。
その鎖は少年の心でもある。少年が望みさえすればそれは容易く解けるだろう。
だが自分を許せない少年は固く固く鎖を縛りつける。
そんな時、少年はある少女と邂逅を果たす。
少女は持ち前の明るさで闇の中の少年を照らした。
それは少年に少しずつ変化をもたらしていく。
自身も気づかないくらいのほんの少しの変化だったかもしれない。
少年はまだ闇の中にいる。
しかし少年は僅かに歩き出した。その光に惹かれるように。
懐かしい光に似た、けれども違う光に。
たった一歩だが、確かに一歩……踏み出した。
少女という光が闇を照らしたことで、少年の周りも微かに明るくなる。
ほんの微かだが、それでも分かることがあった。
少年の傍にはまた別の光が寄り添っていた。
それは小さくて弱々しいが、確かに少年の傍に存在していたのだ。
その事に少年が気づくのはもう少し先の話――――――
◇◇◇
彼の者が求めるは封じられし記憶
約束の地で舞うは儚き燐光
願いも過ちも真実も、薄紅色の花弁が優しく抱く
色あせた記憶の陰はまだ、見えない―――――
本当は+αの追加部分を投稿したかったのですが、文字数が少なすぎてできなかったのでこんな形になりました(汗




