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【初期版】三界の書 ―銀閃の聖騎士と緋剣使いの少年―  作者: 阿季
<第一章 少女と少年の邂逅>
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- 序 - ある女騎士の独白

 


 もう少しうまくできると思ったんだけど…………そんなに現実は甘くないね……


 ありゃ……今にも泣きだしそうな顔しちゃって……いつもは意地っ張りで無愛想なのに……




 ちょっと喋るのもきついので……とりあえず抱きしめてあげた。いつもなら嫌がるんだけど、今は大人しい。




 ――――ああ、やっぱりそうなっちゃうよね……変なところ真面目だもんね。あんたのせいじゃないって言ってあげたい。




 …………でもそれは自分じゃない。その役目はあの人たち……




 名前を必死に呼ぶ声が聞こえる……でももう返事もできそうにない……ごめんね……


 代わりに笑顔を向けよう……笑顔でいれば大抵はうまくいくんだから。いつも言ってたでしょ……?




 ……今いる空間が壊れそう……気づいてないなぁ…………まったく、手間のかかる弟ね……




 残ってる力も少ない……あんただけでも移動させなくちゃ…………








 ………………よし、うまくいったみたい。笑顔で送り出せた、と思う……よくやった自分。




 崩壊が始まった……でも不思議と怖くはない……きらきらしてて綺麗……




 ――――こんな時だからこそ……よくわかるのかなあ……肝心な時に役に立たないくせに……




 ………どん底にいるあんたを引っ張り上げるのは……あの子か……


 そっか……あの子と出会うんだね。いつか会わせようと思ってて……結局できてなかったけど、そっか。


 自分にはできないとわかって……ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ、寂しいし悔しい気がするけど……でも……




 あんたが前に進めるなら……私は―――――――






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