邂逅の梟
揺れる星々の波間を独り眺める
貴方の行方を知る風は今もまだ彼方
午睡の木陰の中
いつか帰るあの日の空を想う
飛び続け疲弊した羽を休めていた朔の闇で
小さな不知夜月に触れた
その瞳は微かに光を帯て
辺りの闇を切り裂く刀
その刹那どうしようもなく心が捕らわれた
暁の空に翼を広げ
同じ時を重ね 自由に空を行く
朔の闇を越える度
貴方の瞳に映る翳り
深くなる闇
晦日は箱庭に終焉の時を告げた
逢う魔時すれ違うたくさんの悪意
狂乱の響きに
消え去った不知夜月
瞳を閉じると繰り返される幻
この体に今も響く悲哀
貴方の氷晶の瞳を曇らせた荒ぶる響きに
何度も耳を塞ぐ
貴方の紡ぐ呪いのような歌
その憂いを晴らす答えを
今もまだ探しているのだろうか
貴方をを攫った風に今もまだ捕らわれている
私があの空から戻れずにいることを
貴方はまだ知らない