水滴石穿VS一撃必殺③
「やっぱり女王はすごいコン!!」
コン太が先ほどの女王のカウンターのカウンターでの顔面の攻撃を見て興奮している
「この調子なら白竜もやっちゃうコンねー?」
調子に乗ったコン太がクマ次郎にそう問う
「女王は確かにすごいっす。スピードパワー並の人間ならとっくに勝負はついているっす……だけど」
クマ次郎は少しトーンを落として
「白竜に女王の攻撃はさっきのも含めてほとんどダメージが入ってない。それとさっきの女王への顔面攻撃以降白竜の戦闘スタイルが変わってるのが気になるっす」
「またまたーそう言って白竜が女王にビビッてるだけコン?」
コン太はやれやれみたいなポーズをする。コン太は今まで女王に助けてもらうことばかりで女王最強信者の一モフだ
「そうだといいっすけど……」
クマ次郎はそう言って女王と白竜の戦いを注意深く観戦する
女王が白竜の攻撃を避ける
白竜の攻撃は爆音の風切り音とともに空を切る
そう、あれから白竜は叩きつけ攻撃を辞めたのだ
殴打や蹴りなどといった攻撃
それは一般的な戦闘スタイルに変化した。つまり
「やっと、私のことを敵だと認めてくれたってことかな」
女王は攻撃を避けながらそう呟く。今までの攻撃は蚊を潰すための地面と拳への叩きつけなどの害虫処理てきなものだった。それが先ほどの攻撃後は一般的な格闘スタイルに変化した
「認めてくれたのは嬉しいけど……ちょっとキツイね……」
先ほどからの叩きつけから一変しての白竜の真面目格闘術に女王も同じ個所への攻撃水滴石穿作戦も続行不可能になってきていた
白竜のジャブを避ける、攻撃時の爆風の風切りに飲み込まれないギリギリの位置を保つ
白竜はそのまま水平に回し蹴りを放つ
女王はその隙に足元へ一気に近づき軸足にタックルする
少し白竜がよろめいた気がしたけど気のせいかもしれないけど、よろめいたと思い込むことにする
白竜はそのまま両足をつく勢いで地面を円状にエグり、人間にとっては砂ぼこりを飛ばすようなふうだが、白竜がやれば竜巻のごとく数十センチもの岩を弾き飛ばす
「これすらも躱すか……」
白竜がつぶやく。女王はあらかじめそういった石を飛ばす攻撃もあたまにあったのか、後ろに下がり自分のほうに飛んでくる岩のみを避ける
「そんなに、簡単には避けてないけどね」
女王はそう返答し白竜へ向かっていった
「びっくりしたコン!!」
白竜の砂ぼこりをあげる攻撃はコン太のもとにも届いていた
だが、モフ国を守る結界のおかげで目の前で止まっていた
「外に待機しているモフ達も被害があったっす!すぐに隊列を立て直して待機してるっす」
クマ次郎はモフ達の陣形をすぐに立て直すために支持をだす
「だけど女王はあの攻撃もなんなく避けきったコン!」
戦闘スタイルの変わった白竜の攻撃はもちろん、不意打ちの一撃をも避けて見せた
「そうっすね、女王は本当にスゴイっす。さっき言った攻撃力とスピードだけでなく、敵のやってきそうな攻撃への対応を戦いながら備えてるって感じっす」
「そうコン女王は最強コン!絶対に女王は……」
ドゴーーーーーーーーン!!!!
コン太がそう言い切る前に超スピードで飛来してきてた何かは何度も地面にバウンドしてコン太の前で動きを止めた
その飛来してきた何かは……
「女王!!!」
コン太が慌てて飛来してきた女王へ近づく。飛来してきた、つまり白竜の攻撃をくらい飛ばされてきたのだ
「ああああああっああ」
コン太が顔面蒼白になりながら女王へ近づく
近づく間にも女王の姿に泣きそうになる
腕や足が人間の構造上曲がらない方向へ曲がっている、遠目からみれば人間だとは思えないような様相に。そしてコン太が女王の元へとたどりつくと
「あああ!首の骨が折れてるコン!!!!」
コン太がそう叫ぶと同時
白竜は女王への追撃のために足を踏み込んでいた……




