表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/106

国の落とし方

 白竜の攻撃からすでに3か月は経っていた


 キタキタ国の現状はというと



「あはははは、まさか竜が兵糧攻めを行うとは!!あはははははは!」



 キタキタ国の竜による攻撃



 そして一旦攻撃がやんだかと思うと嫌なタイミングでの再度の攻撃、それは昼夜問わず行われていた



 それからキタキタ国への補給物資を一切立つ


 キタキタ国へ向かってくる馬車は全て攻撃を行っていた


 なんとか備えていた食料もそろそろ枯渇してきていた



「はあはあはあ竜神様ーーーーーーーーー怒りを鎮めてくださいーーーー!!」



 モブ2男爵はヘトヘトになりながら訴え続けていた


 重鎮達もみなすべて訴えにいったり、魔力が強いものは結界の維持にあたったりと


 それぞれがそれぞれにできる行動をしていた




 市民も協力できるものは結界の維持へと繰り出してこの3か月間を耐えてきていたが……



「終わりだーーー、この国はもう終わるんだはははははははは」


「きえええええええ……はあはあ……竜神様は……ジャス……ジャスススス……」



 街中でそう叫び狂う人は少なくない



 誰もが必死に抵抗し励ましあってきたが


 兵糧攻めはきつい、市民までも巻き込む


 本来の人対人での戦いなら市民を巻き込まず、むしろ勝者は国を乗っ取り市民を得る


 しかし魔物である竜には関係ない。むしろこの場合人類を滅ぼしてさえ良いと思って行動している



 そしてその竜はというと



「くっちゃくっちゃくっちゃ」


「くそう、あいつこれ見よがしに牛をくってやがる」


 竜はそれはそれはうまそうに牛を両手にもってくっている


「あああああああああああああああああああああ」


 それを見てモブ2男爵が泣き崩れながらも訴える


「竜神様ーーーー!!!なぜこの国を襲うのですかあああ!!!!」


「くっちゃくっちゃくっちゃ」


「この国は竜神様との約束をずーーーーと守ってきました!!!!」


 もう何度言ったか分からないセリフを泣き崩れながらも吐き続けるモブ2男爵。いつも通り竜はその話を無視するが……


「きっと竜神様の目を覚ましたのは【モフ国】のやつらですーーー!!!あいつらは急激に発展を行い、この大陸中を巻き込んで騒ぎ立てていたのですーーー!!」



 これも何度も言ったセリフ、国の重鎮達が竜が目覚めた理由を考えて出した答えの一つ。それを何度も何度も伝えているのだが。この3か月間まったく聞く耳をもたなかった


 そもそも竜は最初攻撃を行う前に言葉を発していたが、この3カ月は黙々と攻撃を行うだけであった


 だが今回は違った


「大山に人間が作った国が急激に成長しているのは知っている」


 急な竜の返答。モブ2男爵は驚きながらも返答を返す


「ではなぜこの国を襲うのでしょうか!!??原因のモフ国を襲われるべきではございませんか!!?」


 まっとうな返答、理路整然。そんな印象を受けるが……それは人対人の立場の場合の話。圧倒的強者の場合


「一から言わないと分からないのか?」


 竜が呆れたように続ける


「我の眠りを妨げぬよう、おとなしくしていろといったであろう。それなのになぜ人間はこう騒ぎ立てている?お前らは約束を守っていた?ほかの国だから自分たちは関係ないとでも?我はお前ら【人間】にそう伝えたはずだ」


 そう竜は人間に伝えたのだ。つまり国がどうとか関係ない。なぜお前らは騒ぎ立てているやつを放っておいたのだと?


 これは報復ではなかったのだ。ただ単に約束の解釈を自分たちの都合の良いほうに行った人間への躾であった



「あああああああああああああああ」


 モブ2男爵は泣き崩れ床に倒れ伏してしまう。だが竜は続ける


「だが、そうだな。そろそろ飽きてきた所だ。先に原因のそのモフ国とやらを潰しにいってやる」


 ガばっとモブ2男爵が顔を上げ竜を見る


「そのあとにまたここにこよう。その時はほかの全ての国を見終わった後に我がまとお前らに判断を下してやろう」


 そう言って竜は最後とばかりに特大の咆哮を上げて去っていった



 もちろん大山のモフ国への方向へと

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ