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貴族隊長

ミナーミ国一個小隊視点



時は少し遡り、ミナーミ国から一個小隊が出発し、大山直前の田舎男爵領の男爵の屋敷で田舎男爵と一個小隊兵隊長が話をしていた





「このたびは、こんな田舎領に王都の兵隊様が何用で来られたんだが?」




 そう言うのはこの田舎領主の田舎男爵、男爵とは言っても田舎領、麦わら帽子とでかいスプーンみたいなやつが似合いそうな中肉中背のおっさんだ




「ふん、単刀直入なものいいだな、とても貴族とは思えぬな」





 そう言うのは騎士隊長、ミナーミ国でも複数いる隊長の中から選ばれた理由は今代の国王とただただ性格が合ったというだけ、いわば国王のお気に入りである


 背格好は長身で甲冑に身にまとい年齢は50台といった所か白髪交じりの髪に口ひげをたずさえ、気品のあるオジサマ風だが眼光は鋭い





「あいにく田舎なもんで、着飾ってもなんのやくにも立たないもんで」



「まあいい、我々はこれからモフ町という所をミナーミ国へ編入させるという重要任務を国王から直接請け負ってきたのだ、まずモフ町について知っていることを話してもらいたい」



「ああ、最近商人や村の若者どもがコソコソ行ってるとこだがや、なんでもあそこは縫いぐるみ達が住む町とのことで大山の山頂付近にあるとのことで」




「なるほど、大山山頂ともなれば馬では行けないな、あと装備も身軽にしておくか、そのモフ町までの道案内できるものはいるか?」




「はあ、その辺の小僧共を案内役としやしょう」




「大丈夫なんだろうな?まあいい、今作戦は国王自らがお出しになられたものだということを重々承知しておくように男爵殿にはお伝えしておく」




「はいや分かっておりますよ」




「あと今日は一日ゆっくりと英気を養わせてもらおう、明日からの遠征の兵糧と今晩の宴会を頼もう、もちろん若い女も付けるのだぞフハハハハハ」




「あいあいじゃあうちのかみさんつけとくだ、じゃあおらは畑の様子を見に行ってくるから、じゃあまたあとでな」




「おい!若い娘と言っておるだろ!」



「うちのかみさんはちょっと年はとってるけどええ女だで、まあいいやじゃあなあ」



「おっおい!待て!」



 そう言って田舎男爵と貴族隊長の話は終わった




一夜明け 次の日の朝




「山では小僧の後をしっかりついていくだでな、変な横道に入ったりしたらダメだべ、あと川の水は飲んじゃダメだべ、ちゃんと小僧の言う休憩場所まで我慢するだで」





 そう言いながら貴族隊長の身支度を甲斐甲斐しく行っているのは昨夜を共にした田舎男爵のかみさんである




「ああ分かったそのようにしよう」




「はいじゃあ後ろ向いてけれ、後ろ髪を整えるでな、今日は村の連中も兵隊さんを見るのを楽しみにしてるでな、ビシッと決めておくれよ」




「うむ、王国騎士の姿をこの辺境の村民達の目に焼き付けてやろうではないか」




「そうだよその意気だよ、あんたはやればできるんだから、あとは腰のところにあめちゃんを入れておいたから隠れて一人で食べるんだよ、大山への道はキツイから、兵隊たちにへばってるところを見せるんじゃないよ」




「私をだれだと思っている、王国騎士隊長だぞその程度造作もないフハハハハハ」



「はいはいじゃあいってらっしゃいね」



「ああ必ず吉報を届けに戻ってこよう」




 そういって貴族隊長は家を出て、そして大山前で一個小隊が整列し入山していった




 その雄姿を村の者は眺めて、小僧どもはその姿に憧れを抱いた


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