01話 プロローグ
01話もプロローグでした~|д゜)
おじいちゃん時代はもうちょっとだけ続くんじゃ。
放り投げた意識は深い眠りを誘い、純は暗闇の中、再度魘されることになる。
純はいつものように、いつも見ていた悪夢と闘うことになった。
「──末代まで祟ってやる」
幼き少年が言い放った言葉に背を向け、彼は暗闇の夢の中を逃げ惑った。
耳の中を弄るように少年の声はいつまでも響き渡った。
しかし、いつもと違った感覚に純は困惑した。
──終わりがない。
いつもはこの言葉を境に覚醒し、現実の世界に引き戻されていた。
今回はそれがなかった。
いつまでも続く悪夢に、苦しみ、恐れ、魘されたのであった。
しかし、逃げ惑う最中、彼は一筋の光が見えた気がした。
ちっぽけな光。
一縷と言っても過言ではないそれを頼りに、純はそこへと走った。
それしか希望はなかった。むしろ、そこに希望があるかもわからなかった。
しかし、純はそれを信じて走った。
信じたその先に何があるか考えずに我武者羅に走った。
夢の中のはずであったが息が切れ、胸が高鳴った。
──年波のせいか。
純は自分を呪った。
──若ぇ時ぁもっと走れたなぁ……。もっと若ければなぁ……。
寄る年波と老いを悔やみ、純は膝に手を付いて、息を整えるために足を止めた。
深く、深く、深呼吸をした。
鼻から滴り落ちる汗を拭うこともせず、目を瞑り、血に酸素を巡らせることに集中した。
脳にも酸素が巡ってきたのか、思考する余裕が出てきた純は、ゆっくりと目を開き、辺りを見渡した。
一縷の光が見えた気がした方向に一筋の光明が見て取れた。
──気のせいではなかった。
そんな言葉が純の脳裏を過ぎった。
まだまだ光は小さく、か弱いものであったが、たしかにそれは光であった。
──諦めたかったんだがなぁ……。やれやれ…………。
純は、粘っこい唾を飲みこんで、再び走り出すことにしたのであった。
なんとなくタイトルを加筆してます。
別個に作品書くより、まとめてしまえって思い至り、こうなってしまいました。