シムベリンの悪魔①
【あらすじ】
チカゲの過去編。転生して来た時のお話。
クレムストックの街の東側。
ここは主に冒険者が出入りする武器屋や防具屋が立ち並ぶ通りとなっている。
私は折れてしまった杖の代りを探しに、行きつけの武器屋に来ていた。
この街に来た頃から世話になっている店で店主の名前はスミス。
背は小さく真っ白な髪と髭を蓄えているドワーフのお爺さんだ。
「こりゃ、派手に折れたのぉ」
「この杖で物理攻撃を受けてしまいまして……」
「耐久にはカナリ自信があったんだがな」
そう言ってスミスさんが新しい杖を出してくる。
「もはや杖と言う代物ではないが……」
鉄製の杖だ。
「本来、こういう物は魔力を嫌うからのぉ。魔力補正はマイナスになるかもしれん」
この世界で魔力を練るツールは木や石などの素材だ。
鋼や鉄は魔力が集まり難くく杖として使用する人はいない。
魔法剣士なども古木や石から作った剣などを使用したりする。
「お嬢さん、こんなんでいいのかい?」
「はい。丈夫なのがいいので」
「う~ん」
スミスさんは腕を組んで何かを考え込む。
少しすると何も言わず店の奥に入って行く。
「頑丈だけでいいのなら、こういうのもある」
そう言って何やら奥から持って来た。
「鉄?」
「鋼じゃよ」
「耐久性は素晴らしいが、魔力が練れないから誰も買わん」
当然だが鉄より鋼の方がお値段は高い。
「安くしとくよ」
「え?」
「どうせ、ウチにあっても誰も買わん。それなら使ってもらえる人の元にあった方が武器も幸せってもんだ」
なんと優しいお爺さんだろうか。
「銀3枚でどうじゃ?」
「買います!」
この世界の物価で銀貨1枚とは宿屋に一泊できるくらいの金額だ。
銀貨2枚あれば宿に泊まれて食事が3回できる。
あくまで私の感覚だが銀貨一枚は日本でいう1万円くらいだと勝手に思っている。
武器や防具の方が宿屋代より高価なのだ。
「まだ若いんじゃから無理をするなよ?」
「はい」
「お前さんみたいな若いのが冒険に出て帰って来ない事なんてザラじゃ」
「……」
「お得意様が居なくなられちゃ困るでのぉ」
スミスさんのこういう所が好きだ。
お祖父ちゃんを思い出すからだ。
私は小さい頃からお祖父ちゃんっ子だった。
小学生の頃に病気で亡くなったのだが、ずっと膝の上にいた記憶がある。
この人と話していると懐かしい気持ちになる。
「ありがとう」
「ほら、用が済んだなら帰りな」
「はい」
私は新しい杖を持って店内を後にする。
店を出ると、聞きなれた声が私を呼ぶ。
「おーい!」
「?」
「おーねぇーちゃーん」
「アル君!」
マイ・エンジェルの登場だ。
「お姉ちゃん腕、大丈夫なの?」
「うん。ジェイクが治してくれたから」
「ジェイク治癒魔法が使えるのか?」
「うん。アル君、買い物?」
「今終わった所だよ」
そう言って買い物袋を私に見せる。
「ねぇ、アル君。甘いの食べに行こうか?」
「うん! 行く!」
街の西側は食材や薬草などを売る市場になっていて一般人向けの施設が立ち並んでいる。
その通りには飲食店なども多い。
家族連れで買い物に来ていたり午後のティータイムをする一般の人なども多く見かける。
屈強な冒険者が出入りする東より穏やかな雰囲気になっている。
私たちは西側の通りのカフェに入った。
日当たりの良いテラスに腰かけてデザートを注文する。
「私は、イチゴケーキとハーブティーで」
「僕は果物たっぷりのアイス」
なんて可愛いんだろう。
果物たっぷりって文章を口にしているのが可愛い。
「ここは、私が奢ってやる」
「わ、悪いよ! 前の仕事でお金はあるから」
「大人に恥を掻かせる気か?」
「うーん。分かった! お姉ちゃんありがとう」
クドい様だが言わせてくれ。
……ほんと可愛い!
「お姉ちゃんは、元は違う街に居たんだよね?」
「あぁ……初めに居たのはシムベリンって所だった」
私がこの世界に来た時に立っていた場所だ。
「国境付近だから隣国との戦争が酷いって噂を聞いた事がある」
「そうだな。そんなだったな」
(確か……あれは雨の日だった)
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激しい雨が降っていて寒い。
これが転生して一番初めに感じた感覚だった。
どこかの村の様だが来たばかりの私には分かるハズが無い。
家の窓ガラスに自分の姿が写っている。
歳は22歳くらいだろうか? 実年齢より10歳以上若返っている。
燃えるような真っ赤な瞳。
黒いセミロングの髪がセンター分けになっていてボロ布の服に裸足だ。
靴は履いていなかった。
武器も持っていなければアイテムも無い。
こんな転生物語、聞いた事がない。
転生する前に神様が職業を選ばせてくれた。
私は魔法使いになりたいと言った。
やり取りはそれだけ。
その後、私はこの場所に立っていた。
私の実家は戦国時代から、お殿様の剣術指南をする名誉ある武家の家柄だった。
現代になった今でも、その風習は根強く残っていて古武術の道場を切り盛りしながら家の技を守っていた。
私の代では男子が生まれず家の期待を長女の私が背負う事になった。
3歳の頃から父や祖父に剣術や体術を叩き込まれ。
15歳の時に流派の免許を皆伝した。
高校を卒業した18歳の時だった。
武家同士のお見合いの話を持ち掛けられた。
それがたまらなく嫌で私は家を飛び出しのだ。
田舎から東京へ逃げ出した私はそこで就職した。
ある程度経った頃の事だ。
当時、大学教授をしていた男性と私は恋に落ちた。
身寄りが無い事や家の事も全部理解した上で私を家族に迎えてくれた。
何より大事にしてもらえたのだ。
脳筋の私が大学教授の妻だと釣り合わないかもしれない。
そのせいで夫の評判が悪くなるのは嫌だと思った私は、必死で夫の書斎にある本を読んで勉強した。
知恵熱が出て本を持ったまま眠りコケている所を見られ笑われたり、そんな日々がとても楽しかった。
この人と歩く人生が私の生きている意味なんだと思えるくらい夫との生活に幸せを見出していたのだ。
結婚して私が33歳になった頃。
夫はバスでいつものように出勤して行った。
そこに居眠り運転をしたトラックが衝突。
バスは全焼し夫は帰らぬ人となった。
全部なくなってしまった。
目の前が真っ暗になった。
私は湯船に水を貯めて手首を切った。
転生しても昔の記憶はあるようだ。
いっそのこと全部忘れてのスタートが良かった。
「若くなってもなぁ……」
窓ガラスに映る私の顔に表情はない。
「あああああああッ!」
近くで男の叫び声がした。
声のする方に歩いて行ってみる。
「たっ……助けてくれ!」
現状が把握できない。
男の人が鎧を着ている人に剣で斬られそうになっている。
-------ザクッ
目の前で人が刺された。
鎧を着ている人はこっちを見て少し笑った。
そして、ゆっくりと近づいて来る。
こういうのを私は知っている。
よくアニメや漫画で見たことがある状況だ。
「へっへっへっ」
イヤラシイ笑い方。
鎧を着た人は私に手を伸ばして来た。
「あれっ?」
私は咄嗟に体を返し、掴もうとした手を回避した。
「おいおい……良い子にしろ。なぁ?」
二度、三度相手の掴もうとした手を避ける。
「おい、女! いい加減にしろよ!」
そう言って今度は右手に持っていた剣を振り上げた。
上から振り下ろそうとした手を私は自分の左手刀で受け止め入り身する。
右手で相手の右手首を持ち体を返しながら投げた。
「動きが遅い……」
ウチの道場の中学生ですら避けられるレベルだ。
打ち付ける力が強かったのか相手はノビている。
「あ、あんた!」
女の人が泣きながら倒れた男性に走り寄って来た。
夫婦なのだろうか?
「あんたぁ……いやよぉ……」
胸糞の悪い光景。
自分と重なって胸がエグリ取られそうだ。
「おい、女。この辺りに治療できる奴はいないのか?」
「神官様は隣町に……」
「神官?」
神官って回復魔法が使えるアレか?
じゃあ脳味噌をアッチ系にして喋って見よう。
「回復薬はこの街に売ってるか?」
「はい。あります。でも高くて私たち一般人には……」
「早く案内しろ!」
案内された店に入るが店主はいない。
「おい、女。どれだ?」
「あ、アレだと思います」
指した薬を勝手に棚から取って男に与える。
「うっ……」
効いているのか?
「あんたぁ!」
ついでに2、3本追加で飲ませておこう。
「はぁはぁ……」
息が戻った。
まるでRPGの世界だ。
「あ、あの……お代は……」
「そんなモノはいい。なぜこの男は襲われた?」
「隣の国から兵士が攻めて来たんです」
攻めて来た?
と言う事は、これは現在進行形の事なのか?
じゃあ町にはまだ兵士が沢山いる事になる。
------ガッシャーン
窓ガラスが割れる音がした。
振り返ると後ろに兵士が数人いた。
「お前らはカウンターに身を潜めていろ」
「お、お姉さんは?」
「いいから任せろ」
とは言ったものの対処をどうするかだ。
相手の戦闘能力が分からない。
さっきみたいな兵士なら倒せるが、技量が高ければ苦戦しそうだ。
「女じゃないか。へへへへっ」
兵士は店の中に入って来ようとする。
もぉ考えてる暇はなさそうだ。
私は相手の懐に入り掌底を鎧の上から入れる。
「うっ!」
相手はその場で倒れ込んだ。
「うぇえええッ」
「あの女何したんだ?」
古武術の鎧通しだ。
戦国時代の戦場で刀を落とした場合、相手は鎧を着ている。
それにダメージを通すには海外式のパンチでは鎧の下にダメージを通せない。
だから先人が知恵を絞った結果、鎧の上から打撃を入れて中に威力を伝える方法を編み出したのだ。
これは古武術の基礎だ。
私は倒れた兵士の腰に付けている剣を抜いた。
「このまま引いてくれるなら命は取らないが」
一瞬ひるむ兵士。
しかし気を入れ直したのか剣を振り上げて襲って来た。
「このぉおおお!」
私は右に入り身しながら相手の攻撃を紙一重でかわす。
兵士の剣は空を斬る。
「うお、とっとっと」
体勢を崩している兵士の首の頸動脈を寸分の狂いなく斬った。
赤い血がドクドク噴き出してくる。
倒れ込んだ兵士は少しして動かなくなった。
初めて人を殺したのだ。
自衛だとしても不快な感覚だった。
「ひっ……ひぃいいいい」
生きていた二人の兵士は戦意を喪失したのか逃げていく。
私はカウンターに隠れている夫婦の所へ行き訪ねた。
「おい。今ここで安全な場所はないのか?」
「あの兵士がいるから何処も安全じゃないです」
「……」
係わったからには見捨てられない。
タダで手に入れた様な第二の人生だ。
この命、この人達に使って死ぬのも悪くはないか。
「お前らは絶対動くな。兵士は何とかして見る」
「あ、あの」
「分かったな!」
そう言って私は街の中を走った。
兵士を斬って走ったのだ。
-------ピコン
スキルを習得しました。
「?」
変なアナウンスが聞こえた。
私は足を止める。
「スキルを習得した?」
一瞬意味が分からなかった。
自分が見ている視界の左上に何かある。
「目にゴミでも入ったのか?」
目をゴシゴシしても消えない。
ゴミみたいなものがある視界の左上を触ってみた。
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チカゲ
Lv2
HP 40
MP 10
スキル 身体加速(短)
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「す、ステータス?」
まんまRPGだ。
スキルに身体加速と書いている。
「もしかして、これを覚えたのか?」
身体加速と書いている場所を触って見るとさらにパネルが開く。
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身体加速(短)
自信に加速のバフを付与する事ができる。
効果時間(1~2秒)
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移動速度が上がると言う事だろうか?
どうやって使用するかも分からない。
「おい、あそこにも村人がいるぞ!」
遠くに兵士がいて私を見て叫んでいる。
「とりあえず、身体加速(短)」
スキルの名前を呟いて地面を蹴って見た。
-----ボフゥ
砂ぼこりが舞い自分の体が凄い速度移動する。
遠くにいた兵士の場所まで一瞬で到達した。
「へ?」
目の前に突然移動して来た私に兵士は変な声を上げる。
「へ?」
それにつられて驚きすぎた私も変な声が出た。
「この不審者めがッ!」
兵士は剣を振り上げ私を斬ろうとする。
「身体加速(短)」
再度、自分にバフを付与して剣を振った。
今まで体感した事の無い速さで体が動き兵士の首が飛ぶ。
「すごい……」
スキルの使い方は、なんとなく分かった。
しかし猛スピードで飛んで来た場所は敵陣の中心だった。
おびただしい数の兵士に囲まれた状態になってしまったのだ。
「貴様、村人の生き残りか?」
声を掛けて来たのは中世ヨーロッパにいそうな騎士の様な男だった。
一人だけ馬に乗って上から喋っている。
おそらくコイツが、この部隊の大将だろう。
「これだけの兵士に囲まれても、顔色一つ変えないとは大した度胸だ」
「この村をどうする気?」
「残念ながら私共にとっては敵国の領地。皆殺しはやもない事だ」
「……」
つまりコイツらを何とかしない事には一件落着できないわけだ。
「身体加速(短)」
自信に加速のバフを付与して地面を蹴る。
大将であろう男の前に飛び上がる。
「!」
一瞬で大将らしき人物の首を落とした。
「こいつッ! 全員で掛かれー!」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
雨は降り続いていた。
村から少し離れた場所にあった敵の本陣営に敵国の援軍は1~2時間ほど遅れて合流したのだ。
「な……なにが起きたんだ?」
「全部、我が軍の兵士たちです……」
「夢でも見ているのか……」
シムベリン領内に攻め込んだ敵国の第一部隊、約2000人は壊滅していた。
「特殊部隊を偵察に回せ」
「はっ!」
私は死体の山の中で剣を地面に刺し、もたれ掛かっていた。
何人斬ったか覚えていない。
向かって来る奴を夢中で斬った。
返り血を沢山浴びて体中が赤く鉄臭い。
運の良い事に私はまだ死んではいなかった。
「はぁはぁ……痛い……」
息が完全に上がっている。
弓も沢山受けて体中が痛い。
気を抜いたら意識が飛んでしまいそうだ。
「おい、まさかあの女一人がやったのか?」
「まさか……」
「ウチの軍のヤツではないな」
「虫の息じゃないか」
数人、誰かが私に近づいて来る。
この兵士とは違う服を着ている。
真っ黒な服装に真っ黒なマント。
顔も真っ黒な覆面で隠している。
私の世界でいう忍者みたいな恰好をした奴らだ。
「おい! お前がやったのか?」
「はぁはぁ……だったら?」
「……信じられん」
数人の気配が殺気に変わったのが分かった。
まだ斬らないといけないのか?
「!!!!」
忍者の一人が凄まじい速さで、私の間合いに入ってきた。
これまでの兵士とは違う。
忍者はナイフのようなモノで私のお腹を突いて来た。
-------カキィンッ!
間一髪の所で私は剣を盾に防いた。
「!」
-------バッ!
攻撃をかわした事に驚いたのか、忍者は距離を取る。
私はヨロヨロしながら相手の攻撃に備える。
「お前の一番早いスキルを止められる奴がいるとはな」
「おそらくブラッククラスの冒険者……」
「相当な剣士だ」
相手が何を喋っているのか聞こえない。
次の一撃の相談だろうか?
「エクスプロージョン」
「えっ?」
目の前で大爆発が起こる。
意味が分からない。
私の体は爆風で吹き飛んだ。
宙を舞う私の上に忍者がいた。
メリケンサックの様なものを手につけているので打撃攻撃だろう。
振り被り私を目掛けて拳を突き出して来た。
私は朦朧とする意識の中、剣で攻撃を受け止める。
------ドゴォオン
凄まじい勢いで地面に叩きつけられた。
さっきの爆発で辺りは火の海になっていて体が焼けるように熱い。
転生したと思ったら戦争に巻き込まれ……人を殺して……いっぱい矢で刺されて……あげく忍者から馬乗りになられて……。
私は一体何をやっているんだ? そぉ思ったら涙が溢れ出して来た。
「!」
「……いいよ」
殺していいよ。忍者さん。
私の意識はそこで途切れた。
「おい! どうなった?」
「いや……逃げられた」
「あれでもダメか?」
「俺の一撃も避けられた。相当な剣士だ」
「とりあえず、上に報告だ」
「……そうだな」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
目が覚めた時には私はベットの上にいた。
包帯がグルグル巻かれていて体中が痛む。
痛みで体を動かす事ができないのだ。
「あっら! 起きたのねっ! よかったーっ」
誰の声だろう?
「ぁ……っ……っ」
上手く声が出せない。
「無理しないでいいのよぉっ。ボロボロだったんだから」
そう言いながら男の人が覗き込んで来た。
「アタシ、ヤザワよっ! よろしく」
この人、寺島進に似ている。
オネエ系の寺島進だ。
「アンタ、ウチの前に瀕死状態で倒れてたのよっ。ビックリしたわよっ」
「……なん……で?」
「なんでって、倒れてたら助けるでしょ普通っ」
「……」
「でも、急所に当たってた傷。魔法で治療されてたから死なずにすんだのよ?」
何の話だか私には分からなかった。
「襲われた……村……」
「えっ? ああっ。ランス兵が侵略してきたやつ?」
「……」
「あれねっ。謎の女剣士一人にランス兵2000人が壊滅させられて、増援部隊も即座に退却したそうよっ」
あれから撤退してくれたんだ。
よかった……。
「今、街はその話で持ち切りよっ。シムベリンの悪魔って異名まで付いて英雄扱いよ!」
「……え?」
悪魔……だと?
「なんでも、その女剣士は弓が刺さろうが、槍が刺さろうがゾンビのように向かって来てランス兵を斬り殺したらしいのよっ」
間違ってない! 間違ってないけど!
「シムベリンの王宮は、その女剣士を騎士団に抱え入れたくって血眼で探してるらしいわっ」
大変な事になっていた。
ほとぼりが冷めるまでは大人しく身を隠そう。
この体じゃあ動けないし丁度良い。
「アンタはさっさと体治すのよっ!」
「はい……」
こうして私は、ヤザワさんの家で居候生活をする事になったのだった。




