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第23話 魔法抵抗

 あらためてダンジョン攻略。

 と言っても、第2階層から第4階層までは特筆すべき事はなかった。

 強いて言うならば階層ごとになんらかの特徴ある敵で偏っていたことだ。


 第2階層はひたすら防御力が高く、第3階層は俊敏性に優れ、第4階層は攻撃力が高かった。

 ただ、それ以外の能力が極端に低かったため、問題なく突破してこれたわけだ。


 そして、第5階層で初めて出会うタイプの敵になかなか戸惑っている。

 ここで出会った敵ははじめてのヒューマノイド。

 だが問題点はそこじゃない。見るからに人間じゃないし、例え外見が人間そのものだとしても明確に敵意を持って襲ってくる敵に躊躇するようなことは2人ともありえない。


 それでも、斬ったときに真っ赤な血を流されると、少々精神的にダメージを負うかもしれないけど、この敵は血が緑色のようだ。

 気分的に助かるってものだ。


 ならば、ここでの敵に戸惑っている理由は何か。

 それは、敵が魔法を使ってくるってことだ。


 魔法って避けられないんだぜ!


 ここの敵の使う魔法は威力が低いこともあって命の危険こそないんだけど、攻撃されればやはり痛い。

 いや、それでもダメージが蓄積すれば、命の危険だってあるだろう。


 そして何よりも遠隔から必中の攻撃が飛んでくるとなると、なかなかつらいんだ。


「聞いただけの知識だけど、身体の中にある魔力を活性化させることによって、魔法のダメージを減らすことができるらしいの」

「魔力を活性化ってどうやってやるんだ?」

「お母様はこのダンジョンで魔法が使えたから、そういう感覚がわかりやすかったと思うんだけど……」


 どうやら、フランチェスカにも魔力の活性化の仕方とかわからないらしい。


「それと、第5階層以降で敵が落とすアミュレットを装備することで、魔法抵抗があがるって話よ」


 この階層の敵を倒さない限り、そのアイテムも入手できないってわけか。

 ぶつぶつ文句言ってないでやるしかないか。


 俺は日本刀での戦いをあきらめて、機関銃を装備することにした。


 遠隔で攻撃されるなら、先手必勝だ。

 敵が魔法を撃ってくる前に倒せばいいんだろう。


 そのまま機関銃で敵をなぎ倒しながら進むと、さすがに効率的だったようで、第5階層もすんなりクリアできた。


「さすがに機関銃は強力ね、このまま第6階層で行きましょうか」

「いや、待った。

 この階層だから魔法の威力もこの程度ですんだんだが、下層で強い魔法を喰らったときが不安だ。

 アミュレットが2人分入手できるまで、進むのはやめよう」


 アミュレットはなかなかレアなアイテムらしく、ここまでの戦闘では1個も入手できなかったんだ。


「そのほうがいいかもね。じゃこのまましばらくここでキャンプかな?」


 2人のHP回復と、俺のMP回復を済ませて、俺たちは第5階層のゴール近辺で敵を狩り続けた。

 と言っても、見つけ次第、機関銃をぶっ放すだけの作業ではあるが……


 そんなこんなで30分ほどで、やっと1個めのアミュレットを入手できた。


「じゃ、これはフランチェスカが装備しておいてくれ」


 少なくとも、このダンジョンでは回復能力を持つフランチェスカの安全優先にいかないと詰んでしまう。

 俺に少々のことがあってもフランチェスカが無事なら、いくらでも立て直しが効くからな。


 まぁ、そういうことをなしにしても女性の身を守ることを優先したいのが俺の本来の気持ちだが、問題は俺より守られるべき立場のフランチェスカの方がはるかに強いことだな。


 1個出てからが問題であった。

 本当にアミュレットが出ないな。


 もしかしたらこの階層での敵からのドロップ率は極端に低く、下層の敵からどんどん出るってことかもしれないけど、そんな保証はないからな。

 少なくとも、さっき1個アミュレットが出たことで、この敵からアミュレットが出ることは確実。

 確率が低かろうがなんだろうが、いつかはきっと落としてくれるはずだ。


 とは言っても1時間以上出ないとちょっといらついてくる。

 他のドロップアイテムでいいものが出るならばそれもないんだけど、他のアイテムはまったく実用性のなさそうなものばかり。

 毎回ドロップアイテムを調べてはガッカリするのが続くってのが、精神衛生上よろしくないね。


 もう、ここは見切って下層へ進んだほうがいいんじゃないか。そんな気持ちがだんだん強くなってくる頃に、やっと。


「アミュレットがやっと出た!」


 フランチェスカもイライラしてたんだろうな。

 お互いに顔を見合わせて苦笑するしかない。


 何はともあれ、これでアミュレットも2個揃った。

 魔法抵抗がある程度ついたことで次の層の準備が整ったな。

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