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第22話 レベルアップ

 フランチェスカと2人で遅めの昼食。

 メイドのエヴァが練習中の和食っぽいメニューのようだ。

 だが、断じてラーメンは和食ではないと俺は思うんだ。


 食べている途中で、急に体が重くなる感じに襲われた。


「あ!」

 思わず声に出てしまったぜ。


「身体強化薬の効き目が切れたかなってところね」

 30%とはいえ、急に切れるとずいぶん違うな。

 戦闘中に急にドーピングが切れると結構まずそうな感じだ。


 だが、もともと身体強化薬とか使ってない体だから、すぐに現状に慣れる。

 慣れたところで、ふと感じるのが、以前と微妙に違う感じ。


「食事後、ちょっと道場で一汗流したいからつきあってくれ」

「いいわ、どんなふうになったか試してみたいのね。

 わたしも興味があるわ」


 俺の言いたかったことがわかってくれてるようだ。

 なんとなく、本当になんとなくだけど、ダンジョンでの戦闘が結果となって、身についてきてるような気がする。




 フランチェスカとこうして道場で手合わせするのは、初めて会った日以来だな。

 あのときは、本当に手もなくひねられてしまったものだ。

 だが、あの時のフランチェスカと俺の実力差ってものは、どのくらいかしっかりと掴めている。


 こうして手合わせしてても、俺の攻撃は相変わらず簡単にいなされてしまうし、フランチェスカの攻撃は鮮やかに決められる。

 でも、ほんのわずか、ほんのわずかだけど、近づいてるのがわかる。

 この、ほんのわずかの積み重ねが、いつか追いつく日が来るとかまったく思えないのが厳しいところだな。


 だって、こうしててはっきりと分かってしまう。

 フランチェスカの方も先日と比べて明らかに強くなってやがる。

 まだ成長するのかよ。


 ただ、俺の成長のほうがフランチェスカの成長より、ほんのわずかだけど大きいようだ。

 このわずかの成長の差が、2人の実力差を紙一重だけ縮めてくれているようだ。


「ふぅ、ありがとう」

「いい感じに成長してるわね。さすがダンジョンのレベルアップ効果ってわけね」

「俺の方が成長が大きいみたいだけど、トドメを取らせてもらってたせいか?」

「それもあるけど、ダンジョンもののお約束で、レベルの低いうちはレベルアップが早めな感じなのよ。

 そのうちあまりレベルアップしにくくなるわ」


 レベルアップとか言われると、途端に胡散臭くなるのがなんだよな。

 まぁ最初のうちはぐんぐん成長しても、やがて打ち止めになっちまうってことか。


 普通の修行もそうらしいな。

 最初のうちは面白いほど、どんどん強くなるけど、そのうち何年もかけて、やっと少しだけ強くなれるようになると聞くから。

 まだ俺は普通の修行の方でも、どんどん成長する余地があるようだから、そういうのはあまり感じたことがないけど。




「ところで、こんな感じで1日1層ずつ進めていけばいいのか?」

「そうね、しっかりとは考えてなかったけど、そんな感じでいいんじゃないかと。

 だんだん強くなっていくようだけど、たぶん、いけるんじゃないかなって。

 もし、きつそうなら途中の階層で修行しないといけないとは思うけど、聞く限りでは大丈夫だと思うわ」


 そりゃまぁ、ダンジョンクリア済みのフランチェスカの母より、今の段階ですでにフランチェスカ本人の方が強いっていうのだから、ムリな話じゃないんだろうな。

 ただ、俺がまだ弱いから足を引っ張りかねないのが問題だ。


「となると、あと9日でクリアか。意外と早いな」

「そうね、その後本格的に修行するなら、下の方の階層で修行しましょ。

 強い敵と戦ったほうがレベリングには早いと思うわ。

 もっとも安全マージンは低くなるけどね」


 あの第2階層の中国のオリンピック選手育成のように安全なところで修行するのも、それはそれでいいんだろうけど、あまりにも効率悪そうだからな。

 何より安全なだけの修行って、なにか違うような気がする。強い敵と戦ってこそ修行だよなってのは俺が戦闘ジャンキーなせいか?

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