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第18章 銃火器

「あの薬は危険だから、使用禁止な」

「うん、初めて使ったけどすごすぎだった。やめておきましょう」

 年取ったおっさんじゃないんだから、エッチな気持ちになる薬とかなくても、まったく問題ない。

 それどころか、あの薬はやばかった。薬の効果が切れるまでやりまくりとか、危なすぎるぜ。


「さて、ダンジョンはあんな感じよ。

 さっそく今日から突入する?」

「ちょっと、待ってくれ」

 ダンジョンでの自分の特殊スキルを見て俺は考えることがあった。


「フランチェスカのコネで、拳銃や機関銃とかを一通りマスターできないか?

 使用法からその原理まで。みっちりと集中講義とかしてもらえるとありがたい」

「あら、意外ね。そういうのは邪道って考えてると思った」

 フランチェスカは心底意外そうな顔をしている。


「これまで機会がなかったからそういうものを扱ってなかっただけだ。

 アメリカに生まれてれば、俺だって銃とか普通に使ってたはずだ。

 かっこつけて死んじゃしかたない。どんな手段を取っても生き残る可能性を上げることが一番大事だな」

 これは俺のモットーだ。

 もともとうちの流派だって、使えるものはなんでも取り入れていくことで今の型になったものだ。

 あれは邪道でこっちが正統とか、そういう見かけだけの強さとかはいらない。


「待ってね。キャサリン、聞こえた?」

「はい、フランチェスカお嬢様。すぐに手配いたします」

 いきなり現れたキャサリンに俺は驚いた。

 完全に気配を断ってたよな。普通の秘書じゃねぇな、あの気配の殺し方は。

 っていうか、俺たちがしてる頃からずっと気配を断って、そこにいたのか?


「申し訳ありません。さすがにすぐはムリなようで、午後からになります。

 13時にヘリで迎えに来ると申しております」

「ありがとう」

 すぐはムリって13時に迎えが来るのなら十分にすぐだと思うんだがな。

 普通はムリ言っても翌週とかがやっとだろ。

 まぁ、フランチェスカのことだから2・3日のうちにはできるとは思ってはいたが……




「こちらが教官のアーチボルトです。日本語も普通に話せるとのことですので」

 米軍基地でキャサリンに紹介されたアーチボルトは軍人とは思えないほどの優男だった。


「和也さん、よろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします」


「それでは、まず拳銃から始めましょう。これが最近、軍の正式銃となったSIG P320です。

 特に要望があれば他の拳銃も用意できますが」

「いや、特に要望はない」


 アーチボルトはP320を手に持って、各パーツの説明を事細かに始めた。

「拳銃の構え方はいろいろありますが、特に教科書通りの構えをする必要はありません。

 誰でも手軽に扱えるように進化してきております」

 そう言って的に向かって全弾を発射した。


「拳銃を扱う上で最も大事なこと。それは例え弾がないことが明確であっても他人に向けないことです。

 逆に拳銃を向けられた場合は弾の有無に関係なく緊急な対応が必要です。

 これは新兵に必ず言っていることです」

「わかりました」


「では、弾の補充から一通りやってみましょう」

 アーチボルトに渡されたP320を俺は教えられた通りに、迅速にかつ確実に弾を補充し、的に向かって構えて全弾を発射した。

「どうやら、とっても筋がいいようですね」

 弾は全弾、的に命中したようだ。当たるようにできてるんだから、ちゃんと撃てば当たるんだろ?

 特に不思議はないと思うが。


「気の済むまでどうぞ」

 俺は次々に弾を補充し、右手で、次いで左手で。

 立ったまま、寝転んだ状態で。

 動きながら、走りながら、次々に弾を発射し続けた。


 拳銃についで、アサルトライフル、そして機関銃と武器を変えては説明を受けた後に実際に発射するという流れを続けていった。

 銃類の次は各種の手榴弾を。

 通常の手榴弾に始まって、発煙手榴弾、スタングレネードなど一通りの武器を次々に教えられていった。

 アーチボルトは説明が上手いな、俺の聞きたいことを懇切丁寧に教えてくれる。


「驚きましたね。すぐに最前線に出れますよ」

 いやいや、最前線とか出たくないからな。

 初めて扱ったが、どうやら銃との相性はとてもいいようだ。

 どの武器にしても説明を聞けば、すぐに性能を引き出せるようになった。


 米軍基地での1日半の特訓が終了し、銃火器のエキスパートとのお墨付きをもらうことができた。


 アーチボルトの説明のおかげで、武器の仕組みや構造もなんとなく理解できたから、ダンジョンでも多分使うことができるだろう。

 ダンジョンに行ったら一通り試してみないと、いざ使おうとして使えなかったら困るからな。

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