TIPs:エイプリルでフールなお話
本当は昨日あげたかった……でも間に合わなかった……でも書いちゃったしなぁってことで載せます。もはやエイプリルフールは関係ないけど。
「ねぇねぇ迷路ちゃん」
「何かしら?木葉」
穏やかな部屋。木葉と迷路はレスピーガ地下迷宮の一室で本を読んだり、木葉の作ったプリンを食べたりして寛いでいた。
本に夢中で木葉の方を向こうとしない迷路に木葉が近づく。あぁまたいつものスキンシップか、と少しずつ木葉との距離感がわかって来た迷路は本から目を離さないで応えた。
だが次の瞬間迷路はそれが色々間違いだったと思い知ることになる。
「迷路ちゃん可愛いね…ほんと、食べちゃいたい。私もう我慢できないな」
…………………………………!?!?!?
「ファ!?」
迷路の本を奪い去り、顔を上げた迷路に向かってとんでもないことを言い出す木葉。何が起こったかわからないという迷路と、そんな彼女に顔を近づけて余裕そうな笑みを浮かべる木葉。
「迷路ちゃん、実は隠していたことがあるんだ」
「へ、へぇ。まぁ貴方が今更何を隠していようが全く驚かな……」
「私、実は男なんだ」
…………………!?!?!?
「は、へ?」
驚愕に満ちた顔の迷路、優しげな笑みを浮かべる木葉。次の瞬間響き渡ったのは、レスピーガ地下迷宮全体に響き渡り落盤でも起こしそうなほどの大声だった。
「はぁぁぁぁああああああああぁぁああぁぁあ!!?!?!?」
だがそんな大声も木葉の手に抑えられて止められてしまう。唐突に口に手を当てられたことに驚いた迷路は、座っていた椅子から転げ落ちて距離を取ろうとした。
「な、なな、なななな、いやそんなウソには騙されないわ!だって木葉はどっからどう見ても女の子!」
「今まで黙っててごめんね。私昔からよく間違えられるんだ。だから隠し通そうかと思ったんだけど」
木葉が迷路に覆いかぶさるようにして、這い寄る。まぁいわゆる床ドンというやつだ。
「迷路ちゃん可愛すぎ。もう我慢できない」
「こ、木葉!?」
すっと手を伸ばして迷路の肩に触れる木葉。迷路はビクッとして目をそらしてしまう。木葉によって迷路の白い肩が露わになり、胸元も少し見え始めた。いや何脱がしてんねん。
「きゃうっ!や、やめ…」
「ふふ、可愛いよ迷路ちゃん」
まるで草食動物をみる肉食動物のような目をした木葉はさらに迷路に迫っていった。
「じゃあそろそろ頂いちゃおっかな。迷路ちゃんの唇」
「ふぇ?や、だめよ木葉!」
「どうして?」
迷路の顔は今やユデダコのように真っ赤っかで呂律も上手く回らない。「あの、その」とか、「だから、んーと」とかなかなか言葉が紡げない。
(ど、どうしたのよ木葉!お酒でも飲んだのかしら!あぁ、木葉の胸が私に当たって!ってそんなことはどうでもいいわ!このままだと私は木葉に性的に食べられ……てもいいかもとか思っちゃう自分をだれか殴って!)
「大丈夫だよ。優しくするから、ね?」
「あ、あぅあぅ……」
「ふふ、慌てる迷路ちゃん、可愛い。じゃ、するね」
木葉の顔が近づき、迷路はなすすべなくそれを受け入れようとする。吐息がかかり、木葉の存在を近くに感じた。そのまま2人の唇は重なり…。
「はっ!!!」
見慣れた天井、柔らかい布団、大きなベッド、そして隣で眠る木葉。
「なるほど、これは恥ずかしい夢を見たものね。全く」
隣ですやすやと眠る木葉の頭を撫でる。んん〜と寝返りを打つ木葉をみて、迷路は思わず微笑んだ。
「しかしなんて凶悪な夢なの。よりもよって木葉の性別が……その、エクスカリバーになっているなんて」
迷路は先ほどの夢を鮮明に覚えていた。思い出すと赤面するので、振り払うように首を横に振る。
「まぁ、一応その……確認……」
迷路が木葉に手を伸ばす。その手の先にあるのは、
「んん……ん」
「うん……あるわね、胸。一安心」
木葉の性別が女であると確定して安心した迷路は、布団を再び被って羊の数を数え始める。何故か木葉が柵を飛び越え始めた。
(へ!?へ!?な、なんで揉んでるの!?なんか寝苦しいと思ったら、迷路ちゃんが私の胸を揉んでるよぅ!!え、どうしようどうしよう!!)
実は起きていたなんていうのは内緒だったり。




