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4章20話:アイドルタイム

かしこま!

「街の住民は中央広場に集合!これは軍部命令である。繰り返す、これは軍部命令である」


 私の声で放送がなされそれを聞いた人たちで中央広場はごった返していた。


「な、何が起こるっていうんだ?」

「さぁ?」

「どーせお偉いさんの演説だろ。もう負けるんだ、関係ねーよ」

「こぉんな立派な演説台まで用意してよぉ。俺らの税金だろこれ……」


 閉塞感漂う中央広場。しかし、そんな彼らに今から見ることのできる光景を予測できたものなんて一人もいないだろう。

 中央広場に出来上がっていた巨大なステージ。そんなステージに突如光が灯る。シャトンティエリの街の人たちに協力してもらい、ありったけのカンテラを用意した。その中に灯されるのは、私の魔力で作った様々な色の光。

 突然劇場に迷い込んだかのような光量に、冒険者達も街の住民も困惑する。しかし本番はここからだ。もっともっと凄いものを見せてやる!






ひゅ〜〜〜〜〜〜パン!ぱん!







「ひ、火が空に!?」

「綺麗だべなぁ」

「え、何これ何これ!?」


 夜空に花火が打ち上がる。各所から歓声が聞こえてきて、その反応が予想以上だった為に少し笑って指を動かす。すると打ち上がった炎が意志を持って夜空を駆け回った。魔笛により意志を持った炎が海を泳ぐ魚のように夜空をぐるぐると移動し、人々の目を釘付けにする。


「ひ、火の鳥……」


 冒険者の一人がそう呟くのも無理はない。事実私はそれをモチーフにして魔笛と炎の組み合わせを試したのだ。かっこいいでしょ、不死鳥。


「あんた、やっぱ破茶滅茶よ」


 なわてがジトーっとこちらを見る。それに笑って答えるとそのままスタスタと歩き出し、呆気にとられる子雀の肩を叩く。肩を叩かれた子雀はびくっとしていた。


「わ、我が主!?」

「前座を超えてよね、期待してるから。さて私はそろそろ行くなきゃ」

「ハードル高!」


 自覚はある。けど、頑張ってね新人アイドル(無茶振り)?


「因みに何をやってたのか聞いてもいいかしら?」


 なわてが事前準備の内容を聞いてくる。今更隠す必要もないので私は一つ一つ話し始めた。


「ああ、先ずは中央庁舎の爆弾の解除」

「はぁ!?爆弾!?」

「勇者と東の魔王が街中で会話してたから盗聴してやったんだよ。そしたらあいつら、レガート・フォルベッサを中央庁舎ごと爆破してそれを合図にこの街に突入するって話してたんだ」

「……そんなのいつ聞いたのよ」

「レガートに会う少し前にちょっとした野暮用をね。最初から勇者が魔族側に内通してるって疑ってたから後をつけてみたわけだけど、大物が釣れたよね」


 人間側が内紛で滅ぶことを東の魔王が望んでいるのだとしたら、彼女らが攻撃をしてこなかった理由もそれだろう。その時間があったからこそ、私はこうして多くの準備が出来た。


「この花火を合図と勘違いして魔族が侵攻してくるって、あのアホ勇者は本気で思うだろうね。だから焦ってレガートを直接殺しにくる。そうすることで勇者が殺されても仕方ない悪者であるという事実を既成事実にしちゃうの、あーははははは!」

「勇者殺しを異端審問官の前で言わないで欲しいわね。そろそろ異端認定されるわよ?」

「うん、されない為にも遺体は跡形もなく消し去らないとね♪」

「あんたね……ま、あたしも勇者を消しとくのは同意。裏切り者とは言え影響力がデカすぎるもの」


 と、いう物騒な会話パートが終わったことで1話前の状況に至る。私がステージを離れている間、事前に設置してあった花火砲が夜空に次々と炸裂する。絶望で埋め尽くされていた真っ黒な夜空は、私と仲間達が作った希望の炎によって夏のお祭りの如く照らされていた。


 そしてそんなお祭りの華が登場だ。


 さぁ、お待ちかねのアイドルタイムである。かしこま!



……


……………


「銀貨5枚」

「……へ?」

「銀貨5枚でペンライト売ってるんだ。必要だろうしおひとつどう?」

「な、なんでペンライト?」


 困惑する花蓮。そんな彼女の腕を引っ張って中央広場へと駆け出す。


 あぁ、はじまる。


 特大の花火が打ち上がり、それと同時にステージの上に2人の少女が現れた。私が街の少女達にも手伝ってもらって作り上げたアイドル衣装。

 子雀はピンク、なわては青。フリルとレースをふんだんにあしらった一級品だ。着る前まで「破廉恥!えちえち!これ我が主の趣味!?」と騒いでいた子雀、その格好、娼館のドレスの1000倍似合ってるよ。







「みんなー!今日は来てくれてありがとう!!それじゃあ一曲目、『百合の間に挟まる男は死ね』!」







 お取り寄せした音響器具に、私のスマホを設置してドレスコードシンフォニーの曲を流す。ステージからは眩いほどのライトの点滅と、そして爆音でアイドルソングのメロディーが流れ始めた。


「へ、へ!?これ、ドレシンの曲!?なんで!?」


 本気で困惑してる花蓮。ようやくステージが見えてきたので建物の上から見ようと花蓮をお姫様抱っこする。途端、彼女の顔が真っ赤になった、


「ふぇ!?」

「特等席に案内するよ、お嬢さん」


 会場全体が見渡せる中央庁舎の屋上。吸血鬼モードでひとっ飛びし、そこから今度は橋姫モードになりステージに向けて篝火を大量に飛ばした。


「わ、わあああああ!!綺麗!!」


 曲に合わせて踊り出す紫色の篝火達。篝火が彼女らを煌びやかにして魅せる。しかし篝火は所詮飾りだ。本当に凄いのは……。




 輝いてるよ、なわて。




「〜〜〜〜♪♪♪」

「この、声……まさか!?なんで!?」


 遠くからでも分かる圧倒的な声量。片腕がないことを全く感じさせない派手なパフォーマンス。




そこには、アイドルのNAWATEがいた。




「まだまだ行くよー!!」


 なわては激しく歌い、子雀の手を取る。ここでボーカルチェンジ。この瞬間、私は子雀の本番力の強さを思い知った。


「〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪」


 突如激しい歌声が、天使の歌声に切り替わる。聞く人の脳を溶かすような甘い声。ジョスランの子守唄の発した轟音を聞いたことで感覚が共有されていることもあるのだが、そうでなくても観客席にいる彼らにとって巨大な会場、溢れんばかりの光、刺激的な音楽、そして打ち上がる花火は彼らを熱狂の渦に包むのに充分だった。

 いや、本当に凄いのはなわて。子雀が知ってるこの世界の曲を速攻でアイドル風にアレンジして子雀が歌いやすいような歌詞作りやダンスフレーズも数分で思いついた。お陰でレパートリーに困らず子雀は歌い続けることができる。やっぱりなわては天才だ!






 こうして一曲目が終わる頃からかいつしか会場は、


「お、おぉおおおおおおお!!!」

「やべええええ、なんだこの胸の高鳴りはあああああ!!」

「広場に入る時こんな棒渡されたけど、もしかして、こうやって応援するのか!?」

「な、なにぃいい!?」

「その手があったかー!!!」


 熱狂に包まれていた。使ったこともないようなペンライトを振り回し、声を張り上げて応援し始める人が増えてくる。


「さ!あたしはこれから外の魔族をぶち殺してくる!!街の冒険者も一緒にね!あんた達がこれから応援するのは子雀!あたしの時より声援小さくなったら承知しないわよ!」

「「「「うぉおおおおおおお!!!」」」


 ジョスランの子守唄の力があるとはいえこの熱狂はやりすぎだと思うが、悪いことにはならないだろう。


「ちゅ、ちゅんの名前は子雀!!この歌で、みんなをメロメロにしちゃうぞ!的な!」

「「「「うぉおおおおおおお!!!超絶可愛い、ちゅん子ー!!」」」」

「ちゅん子って誰ですか的な!!」

「「「「可愛いー!!!」」」」


 なんとコールアンドレスポンスまで即興で作られていた。あいつ心臓に毛でも生えてんのかってくらい本番に強いな……。

 呆れながら、私は街の外を見た。騒がしい。どうやら侵攻が始まったらしい。








(我が主!我が主!)


 子雀から念話が入る。


「子雀?どうし……」

(受け取ってください!)


 するとどうだろう。何故か身体から魔力が溢れてくる。内側から湧き上がる魔力、私個人だけでなくここら一帯を覆うように魔力の渦が大きくなっていく感覚がある。これは……?


(ちゅんは、周囲の人間の感情を魔力に変えるスキル:《感情変換》を持ってます的な)

「え、は!?え?」


 突然の告白にびびる。え?うん?


(ここにいる人間の感情を魔力に変えてちゅんの歌に乗せて届けます。ライブで歌い続ける1時間、我が主に魔力を供給し続けられます!)

「……知らなかった、んだけど」

(言ってませんでしたから。この力でちゅんは、故郷を失いました。娼館では過度の魔力放出で疎まれてました。けど……)


 子雀は続ける。


(この力でちゅんを助けてくれた我が主を助けたい!!……この気持ち、受け取ってくれますか?)


 揺るがない意志。私に報いたいという思いが、子雀の歌をさらに響かせる。それが判れば迷うことはない。


「私、アイドルには弱いんだ。推し変はまぁ……しないけど、私に推し変させられるくらいのパフォーマンス、期待してるから!」

「は、はい!!任せてください我が主!」



……


……………


 花蓮と木葉が城壁に向かうと、既に魔獣の大群は目前にまで迫っていた。しかし冒険者達の顔は諦めという感情で支配されていない。彼らにはわかりやすいくらい希望の光が灯っていた。


「気持ちの良い歌が聞こえてくるぜ」

「生きてライブに行こうぜ親友!」

「おれも」

「ぺんらいととやらを」

「振りたい!」


 少しこの世界の文化の先行きが不安だがまぁ良いだろう……。


「日本人に身バレするかもなのによくあそこまでやってくれたよ」

「アンタは先に16期生を城壁に連れ出してたでしょ?それなら最大限やれることはやらないと。さ、あんたの策であたしが暴れる。二言はないわね?」

「勿論。ちょっと予想外なこともあったけどね。魔力量凄いでしょ?」

「えぇ。なるほど、《感情変換》。亜人族が偶に持ってるとされるスキルよね、野生の動物の能力を受け継ぎがちだからこの手の共有スキルは亜人族の十八番と聞いてたけど、まさかあの子が……」

「うん、今も歌……届いてるよ」


 遠くから歓声のようなものが上がる。とは言えあまり長引かせると子雀のレパートリーが尽きてしまうのでこっちもさっさと締めてしまおう。


「なわては魔女を宜しく。私はイキリ太郎と一緒に東の魔王と戦ってくる。そんで……」


 レガート、尾花花蓮らに向き合う。


「街の防衛はお願いね。住民は一か所に集めてあるから守り易いはず。抜かれて子雀に危害が加わるような事になればマジで殺すから」

「分かっている。頼んだぞ」

「終わったら話聞くんだから、負けないで」


 静かに頷く。


「《鬼姫》、おいで《吸血鬼》」


 黒の翼を広げてアリエスの首根っこを掴んで飛翔。なんかジタバタ騒いでるけど気にしない気にしない。


「高いぃぃぃいい!!死ぬぅううう!!」

「煩い。仮にも勇者なんだから騒がないでよ」


 バサバサと翼を羽ばたかせて夜の空を翔る。呆れる私にアリエスはやはり、という顔をした。


「勇者を……殺したな?」

「…………」

「だから今最も勇者に近かった僕に"勇者"の称号が与えられた、違う?」

「……だとして、私を咎める?」

「いいや。これが1番勝率が高いんだろ?ならやる。お前の正体が何であれ、勇者となったからには人々を、仲間を守る義務があるんだ!」


 アリエスはステータスプレートを掲げて言う。そこには確かに"勇者"の文字が書かれている。勇者が死ねば、その素質に近い存在に勇者としての能力が移譲されるというのは都市伝説ではなかったらしい。少し疑ってただけにこの賭けが成功して良かったなぁと少し胸を撫で下ろした。


「殺しを正当化はしないけどさ、今目の前の危機との間に優先順位ってものがある。そんくらい僕でもわかるんだ」


 やっぱり、彼は勇者に向いていると思う。イキる所も、身の程知らずな所もそれは勇者の特権なのかも。


「気持ち悪いけど、と心の声にしまっておく」

「言ってるよぉ!?お前やっぱ僕のこと馬鹿にしてるだろぉ!!」

「あーはいはい煩いな本当に。ほら見えてきたよ、魔獣の群れ」


 地上には10万の魔獣。夜空にも蝙蝠みたいなのがワンサカ飛んでいる。


「さぁて、先ずは勇者の力とやらを見せてもらおうか」

「お安い御用さ魔王。僕の本当の力を見てちびるなよ?



《ストレイシープ》ッ!!!」


 アリエスが羊の角の剣を振るうと紫の閃光が空を駆け回る。次々と魔獣から魔獣へと走る閃光は止まることなくジグザグと突き進み、最後は地上へと走り去った。その瞬間、


「ギエエアア!!」

「グギャッ!」


 空を舞う魔獣達が次々と墜落していく。


「お前、強いな」

「……僕も驚いてる。勇者になって威力が増してるな。よし!!」


 上空に人のシルエット。魔族だ。慌てる魔族に向かってアリエスは《略奪》のスキルを使用し、直後に魔族は地上へと落下していく。


「上位スキル《飛行》を奪った。これでお前に頼らず飛べるからな!ええい離せ離せ!」

「あー重かった」

「こらあぁああ!ポイって投げるなぁぁ!」

「ほら前来てる。キリがないから東の魔王探すよ」


 魔王と勇者のコンビは、割と良い感じかもしれない。


「あのデカイのが……ジョスランの子守唄」


 魔獣達の中で一際デカイやばそうなのが目立っている。真っ黒い巨人、というのが一応の見た目だがその体には沢山の黒い顔が付いている。苦しそうな表情を浮かべながら低く唸るような声を上げていた。


「さっきも見たけど化け物だな……」

「魔王、あの黒い霧見えるか?あの効果範囲内で内臓器官にダメージがいく。東の魔王がその範囲に居なければいいんだが……」

「にしてもモヤモヤすぎて何が何やら」


 と、言いかけて、









ドォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおンッ!!!


 という轟音と共に、ジョスランの子守唄に向かって一直線に青い炎が走る。そのまま青い炎はジョスランの子守唄に直撃し巨大な火柱が立った。


「な、何!?」

「やるなぁなわて。滅茶苦茶強いじゃん」


 魔女の方は大丈夫だ。なら私のすべき事は……。



……


………………


「イレギュラーですかー?へぇ、若い女の子の匂いだなぁとは思ってたけど……本当に年齢そのままの少女だ。お面、取らないんですかー?」

「取らないよ。顔に貴方の返り血つくのやだし」

「へぇ、言うじゃないですかにゃははは」


 対峙して気付く。足元に転がってる首……。


「戸沢菅都……」

「知り合いですか?勇者パーティーの4人だったんですけどー、腹は満たせましたよ。にゃは」

「お、お前!!僕のパーティーはどうした!?」

「あれー?さっきの男じゃないですか。にゃはは、ちゃーんとデザートにとってあるですよー。にゃはは」

「お、まえ……何がそんなにおかしい!?」


 激昂するアリエス。そんなアリエスに彼女は言う。


「はぁ?面白いでしょ、人を堕とすのって。人ってね、かぁんたんに堕ちるんですよー?現にお前のことを大好きだった女の子達はあっさりと私の虜になりましたよー?黒騎士に恋心を抱いていた女は快楽に負けて黒騎士を殺すまで堕ちましたぁ。私はですね、愚かな人間に欲望の素晴らしさを教えてあげてるんですよー」

「よく、ぼう……?」

「理性で何でもかんでも押さえ付けて、馬鹿馬鹿しくないですか?人生は1度きり、それなら自分がしたいように、自分がなりたいような自分になって楽しむのが当然の権利じゃないですかー。だから快楽を望んだ子はもれなく魔族にしてあげました。人間なんてしがらみから解き放たれて、彼女達は今幸せですよ、にゃははは☆」


 東の魔王は笑う。自分がしてることは正しいことなのだと、そう信じて疑わないこの紛い物は、ただただ愉快そうに笑った。


「人を殺したいと思ったことはありませんか?この人を自分のものにしてしまいたいと思ったことは?この人に自分の欲望をぶつけたい、受け止めて欲しい、いいや自分の手で汚してしまいたい……なぁんて欲望を抱いたことは?


ないわけないですよねぇ?それをすることのできる魔族って存在は、人間族が至るべき最高峰の存在ですよ?お前だって、隣の可愛い女の子を好きにしていいって言われたらするでしょう?」

「な、何を言って……」

「さぁ、欲望に溺れましょう?愛に、恋に、性に、情愛に性欲に、欲に欲に欲に!!!イレギュラー、私は貴方が私に甘ーい声で媚びながら身体を委ねる姿がとてもとてもとても見たいです!!!自分が絶対の強者だと疑わない貴方の心を快楽に堕としてしまいたい!!!」


 淫らな表情で自分の指を舐めるサキュバス。露出しまくってる胸に手を当て、興奮が隠し切れないのか尻尾がヒョコヒョコと跳ねている。


「で」


 恍惚とした表情を浮かべながら天を仰ぐ東の魔王に言い放つ。


「まさかそんな素晴らしい思想で人間を魔族化して回ってる訳じゃないでしょ?うん、良いと思うよ欲望に忠実で。私はムカつくけど」


 切っ先を向ける。結局こいつはありがたーい善意でそういうことをやってるわけではないだろう。ただひたすらに人間に対する優越感を得るためのエゴでやっている。それはそれで良いと思う。でもまぁそれなら……。


「余計な理屈こねないで自分が好きだからやってるでいいじゃん。押し付けがましいし上から目線でムカつく。大体魔王名乗ってるのもなんかムカつく。それにさ感情とかって相互に思い合ってるから楽しいわけで」


 思い出すのはヴェニス以降の迷路、ロゼ、子雀、なわて、テレジアに、エレノア。私は彼女達が好きだ。この中には、その表情や一挙手一投足でドキッとする相手だっているし、かけがえの無い友達だっている。もう見たくても見られない笑顔だってある。そう私に思わせてくれたのは、それは……。


「相手の感情抜きでそゆことやって楽しいと感じるなんて、本当につまんない性格してるね」

「_______ッ!何が言いたい、ですか」

「別にぃ?所詮紛い物のお前には紛い物の快楽しか感じられないんだなぁってこと」

「おま、え……」


 東の魔王が私を睨みつける。


「本気でぶつかり合ったりするのって結構楽しいよ。教えてあげる、授業料にその命は頂くけどね、にゃはは。にゃははってどうやって笑ってるんだ……?」

「殺せッ!!!《操作》!!」


 東の魔王が手を広げると狼の魔獣が周囲から飛び出してきて……。

百合の間に挟まる男は死ね(迫真)


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― 新着の感想 ―
[一言] (・-・) 更新されなくて、次の話が待ち遠しくて死にそうです
[一言] よく花連に身バレしなかったなあー
[一言] 私が言うことは、ただ1つ ただの理解さん神ですね。 後、花連に仮面外して正体を言うのかと言うところです。
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