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4章5話:櫛引木葉、夜の女デビューします……。

なんというタイトル。

 本来、シャトンティエリから王都までは馬車で5日くらいである。だが笹乃たちは北門から出たため、正規のルートに戻れず30日以上もグダグタな旅を続けていたらしい。木葉とテレジアの乗った馬車はゆっくりだが順調に進み、途中のシェシーで補給してまた進む。遠くに、巨大な城壁が見えてきた。


「これで何体目だよ、死ね」

「どうか!どうかお助けをぉお!!」


 王都周辺になるにつれて増えてきたのが闇ギルドと名乗る盗賊たちである。勿論名乗ったのではなく木葉が拷問して吐かせた情報だが。で、また木葉の前には木葉を拐おうとして襲いかかってきた数十名の男がガタガタ震えながら命乞いをしていた。


「もう100人は倒したんじゃないかしら?いい気味ね、おーっほっほっほ!」

「取ってつけたような高笑いやめろ……。途中の連中はシェシーの憲兵に預けてきたけどさ、ここのはどうすんの?私コイツらを王都まで護送すんのやだよ……」

「でも此処にいたら魔獣や野生動物に食べられちゃうわよ?」

「……めんど」


 置いてこっかなって木葉が考え始めるとそれを察したのか慌ててゴロツキ達が叫び出す。


「ま、待ってくれ!俺たちは元々正規のギルドだったんだ!嬢ちゃん王都に用事があんだろ!?闇ギルドの方に面通ししておくのも悪くねえとはおもわねぇか!?俺らは嬢ちゃん達の為なら何でもする!」

「思わねぇよ死ね。と、言いたいところだけど、闇ギルドねぇ。王都の情報が欲しいのは事実だからなぁ。うーん。アリだな。


 あ、因みに裏切ったら……わかってるよね?」


 瑪瑙をリーダー格の男の首筋に突きつけてニコリと笑う。男は震えながら無言で頷いた。


(取り敢えずテレジアをテグジュペリ侯爵家に送り届けて、その間に闇ギルドに御目通りしておこうかな。丁度情報網が欲しかったんだ)


 というわけで全員に《貴船の呪詛》と《魔笛》で生命を宿らせた呪いアイテムを使い、30人近い男を縛り上げて拡張した荷台に乗っけた。壊れたら自己責任だからな?と脅して。


 因みにテレジアには闇ギルドに関わることを伏せてある。絶対心配されるから。



…………


………………………


「通行証を」

「冒険者ヒカリ。通行証は此方を」

「……ふむ、確認した。通れ。ん?その荷物は?」

「シャトンティエリにて闇ギルド討伐の依頼書を賜ってますのでご確認を」

「ふむ、不備はないな。送り届けてくれ」


 認書を出して門番の厳しい取り調べを受ける。魔族騒ぎで王都の警備が厳重になっているのだ。まぁ木葉の場合は《捏造》スキルで全てを誤魔化せる。


「あんた……その紙切れどうしたのよ?」

「それは言わないお約束だよ。にしても……久しぶりだなぁ」


 王都を取り囲む巨大な城壁:ムール・ド・シャトー。その城壁には8つの騎士団詰所、そして国立天文台本部。24の渦巻状の層に分かれた王都区画、そして遠く視線の先に見える巨大な王城。その中にあるバジリス王宮。


(変わらないなぁ)


 王都の外は柊と一度見たきりだが、それにしても圧巻だった。連れ去られてから実に4ヶ月、異世界に転移してからは6ヶ月が経過しようとしている。櫛引木葉にとって始まりの地だ。


「テグジュペリ侯爵家は5番街にあるけれど、ヒカリはどうするの?」

「ん、先ずはコイツらを憲兵に預けないと、ね?」 

「じゃあ連絡先を書いておくから、明日いらっしゃいな!私も流石に色々あったからお父様たちを安心させないと……宿の手配とかしようか?」

「いや、折角だから好きなとこ探してみるよ」

「そう?じゃあ明日合流ね!危ないことはしちゃダメよ?」

「ん、わかってる。(これから闇ギルドに会うけどね)」


 リーダー格の男、他上位の連中らしい奴らに呪具:【丑満時(うしみつどき)の首飾り】を取り付けてある。これは途中のシェシーという街で購入したもので、自分より低レベルの相手に付けることが可能なアイテムだ。効果は相手の位置把握と何かあったときの術式発動。木葉の場合は《鬼火》を仕込んであるため、逃げた場合は炎の柱が王都に立ち上がるだろう。

 さてテレジアと一時的に分かれた木葉は、悪魔の笑みを浮かべて男達を眺める。


「さて、連れてってもらおうか」







 裏路地に入り、分かりづらそうな建物の扉の前まで来る。そこに居た門番が木葉の捕虜に反応した。


「あ、兄貴!遅かったじゃないっすか。成果は……あん?何だコイツ?」

「お、おいやめろ。コイツマジでやべー奴なんだ。取り敢えずテレプシコーレ様に取り次いでくれ」

「……は?正気っすか?」

「なんならもっと上に取り次いで欲しいんだけど」

「んだとっ!このガキ……ガッァ!!」


 飛びかかろうとした男の口の中に瑪瑙をねじ込む。


「死にたくなければ開けろ」


 気迫に押された男は渋々地下へ続くドアを開けた。どうやら表向きは娼館という形になっているらしい。


(位置は8番街の裏通り。にしても地下に街があるのか。パリかよ……)


「お、兄貴!いい女連れてますね、新しい娼婦っすか?」

「おいおい、銀髪たぁ珍しいなぁ!可愛がってもらえよぉ!ぐひひ」

「一回俺らにもヤらせてくださいよぉ」


 地下には巨大な街が広がっていた。其処を通ると通行人達が野次を飛ばしてくる。なるほど、娼館が並びに並んでいる。表の娼館は高級娼館なら、下のは闇の娼館だろう。

 色々手順を踏んで進んでいくと、どんどん薄暗い場所に進む羽目になっている。その中で手を出そうとしてきた奴は漏れなく峰打ちで気絶させてやった。

 で、通された部屋はVIPとは言えないような地下の薄暗い部屋だった。


「おう。来たな。ウチのモンに酷い目見せてくれたそうじゃねぇかぁ。今からどうなるかわかってんのか?」

「お前、誰」

「おらぁ闇ギルドの幹部補佐だ。まぁいい。舐めたガキだが顔は良いからな。テキトーにいたぶって裏娼館にぶちこんどけ。3年もすれば美姫になるだろうよ」

「お褒めに預かり光栄すぎるけど私そのつもりないんだよねえ。死にたいなら素直にそう言えば良いのに」

「……殺れ」


 地下に潜んでいた男達が一斉に飛びかかってくる。タグは……蒼月。だが最初に向かってきた男のその剣筋を見切り、粉々に破壊した上で脳天に峰打ち。


「ガッ!」

「あー、ウザいな。《鬼姫》、おいで吸血鬼。《血操解放》」


 血を垂らすと、木葉の血がくるくる瑪瑙の周囲を回り始める。木葉が太刀を振るうとそれらは拡散し、直ぐに固形状の棘に変化して男たちの腕を貫いていった。


「ぎゃああ!」

「ぐあっ」

「いでええ!!!」

「何してんだテメェら!早くコイツ、を……」

「ね、収めてくれるかな?」


 周囲の構成員達を全滅させ、幹部補佐と名乗った男の口に瑪瑙を突っ込む。男はこの状況に震えて動けない。


(ば、馬鹿な……一瞬で構成員達が……)


「案内、してくれるかな?かな?」


 木葉は巫山戯ながら首を傾げる。少しずつ太刀が口元を切り裂き始めてることに気づいた男は、涙目になりながら叫んだ。


「わ、わはっは……わはったはら……」


 木葉は瑪瑙を口から抜くとそのまま男の首筋に瑪瑙を突きつけたまま前に進ませた。


「嬢ちゃん……勘弁してくれよ。俺らと全面戦争する気かよ……」

「まさか。てかお前まだいたんだ」


 最初に闇ギルドを紹介すると言ったアホ毛付きのおじさんが言う。甘いフェイスで女を殴ってそうな男だった。


「いやその評価酷いなぁ……俺は女の子を誘ってそのまま娼館を斡旋してるだけだぜ?」

「余計屑だよ。てか良くも騙したよね、お前を人間爆弾にしてここのボスに自爆テロでも仕掛けてやろうか?」

「ひいっ、物騒だなあ。まぁまぁ、落ち着いてよ。俺はまぁ斡旋屋(ブローカー)とでも呼んでくれ。宜しくな」

「宜しくしない。馴れ馴れしく話しかけんな屑」

「つれないねぇ」


 斡旋屋と名乗る茶髪アホ毛のハンサム野郎は、ある程度弁えては居るのか触ってきたりはしなかったがウザかった。


「《鬼姫》、おいで《橋姫》」


 何があるか分からないので状態異常や特殊攻撃魔法が無効化される橋姫状態にしておく。すると、周囲の男達は目の色を変えた。


「おほっ、べっぴんじゃねぇか……マジでトップ狙えんぞ……」

翠玉楼(すいぎょくろう)のナンバーワン美姫……決まったなこれは」

「これはオーナー案件だな」

「はぁはぁ……良い匂いする」


(全員生かす価値ないのでは……?)


 そんなこんなで木葉は今度はちゃんとした部屋に通された。VIPルームみたいな所で、シャンデリアの飾り付けや銀細工の装飾は豪華絢爛と言える。まぁ、ホストのオーナー部屋って感じだ。


「連れて参りました」


 案内された先にいたのは、美魔女だ。メイクのせいで分かりづらいが恐らく40代前半。だが大人の色気と気品を醸し出し、怪しげな雰囲気を漂わせる美魔女。身長は高めで、細身の黒いドレスを着ている為かなりスタイルがよく見える。艶やかな黒髪を後ろで薔薇の形にまとめており、顔には気品あるメイクがされていた……が、


(グロスが紫て……)


 紫のグロスと、紫のアイシャドーのせいでかなり悪役みがある。黒髪黒目だが鼻が高く非常にヨーロッパ系美人な顔立ちをしていた。


「あんたが、例の奴かい?随分綺麗な嬢ちゃんだねぇ。大人の色香がある。でも歳はかなり若いね、15.16ってとこかい?えっろいねえ」

「あー。取り敢えず自己紹介してもらって良い?」

「へぇ。あたいを見ても萎縮しない、気前がいいね気に入ったよ。あたいはテレプシコーレ。この高級娼館:翠玉楼(すいぎょくろう)のオーナーをやってる。王都最大の闇ギルド:【蝶々連盟(ちょうちょれんめい)】の5大幹部の1人さ」

「ヒカリ。冒険者。階級は銅月級」

「___ッ!?銅月だと!?テレプシコーレ様、此奴王都で話題になっていた29人目の銅月級では!?」


 首筋に刀を押し付けられている男が叫ぶ。早くコイツを殺せと言いたいのだろう。


「ふぅん。あたいの耳にも入ってるよ。こぉんな可愛いお嬢ちゃんが、銅月級ね。しかもテグジュペリ侯爵家令嬢と一緒にいたと?」

「テレジアの方も調べが付いてるんだね。割とおっかないな闇ギルド」

「うふふ、微塵も思ってない癖に。それで?此処までウチのアジト荒らしてくれて、なんか用かい?」

「……ていうか、お前達が私の馬車を襲ってきたからそれを送り届けるために此処にきたんだけどね」

「おや、そうだったのかい?なぁ斡旋屋、そう言うのはもっと早く良いなよ。優しい優しいお客様に粗相を働いたのはウチじゃないか」

「あはは、すいませんオーナー」


 後ろ頭を掻く斡旋屋。テレプシコーレは不快そうに眉を潜めた。


「はぁ。ま、あんたは被害者様って訳ね。それでブチ切れてお礼参りにでも来たと?」

「それこそまさか。私はこの屑どもを送り届けるついでに王都の情報を求めに来たんだよ。どーせ、正規のギルドで聞いても新聞以上の情報なんて得られないし」


 今日の新聞は近くの村で入手していた。その内容は至って普通の機関誌ではあるが、何処も大々的に魔族騒ぎと暗殺事件で賑わっている。


「ふぅん、同業者様の謎の死が気になるのかい?」

「まぁ私王都来たばっかだし、伝手も何もないからね。ギルド連盟本部もこれからいくつもりだったし」

「それでいきなり闇ギルド?あんた変わってるねぇ」

「表立って情報収集するのに向かないんだよ私」

「ふっ、いいね。あんたの目、嫌いじゃないわ。地獄を見てきた目だよ、少なくともアタイやそれ以上の苦労をしてる。あんた、アタイの娘にならないかい?」

「……は?」


 ぽかんと口を開ける木葉。斡旋屋や、他のゴロツキに至っては目ん玉飛び出そうな顔をしていた。


「いやいやいやいや、何言ってんすかオーナー!頭おかしくなったんすか!?」

「お黙り。アンタの失態で此処最近の商品の仕入れが少ないんだ。タダですら王都政府と利権で揉めそうなのに」

「す、すいません」


(……王都政府は女性をマクスカティス大寺院に生贄として送ってる。だから闇ギルドの中でも娼館経営を担当している彼女らの商品仕入れが困難になってる、のか)


 吐きそうな話だけどコレが神聖王国の現実だ。今更何か言う気はあまりない。それに、闇ギルドがあるから裏社会の統制が取れているのだ。潰すのは得策ではない。


「アタイ、娘が欲しかったんだよ。あはは、そんな目をしないで欲しいわねぇ。いいわ。お詫びとして正規のギルド連盟本部じゃ手に入らない情報、アンタに流してあげるわ。銅月級冒険者と繋がりを持てる事なんてそうそうないし」

「むー、ママキャラはもう要らない。で、幾ら払えばいいの?」

「あぁ、こんな所でどうかな?」


 テレプシコーレが斡旋屋を呼び寄せて紙を木葉に渡させる。なんだかんだ言って斡旋屋は信頼されているらしい。


「少な。いいの?これで?」

「ま、その代わりと言っちゃなんだが、アンタを着飾らせておくれよ!」

「……私、娼婦はやらないよ?」

「あぁいいのいいの。アタイはね、可愛い女の子を着飾らせるためにこの仕事やってんのさ」

「は、初耳ですぜオーナー!」

「お黙り!」

「もっとマシな仕事あるだろうに」


 木葉は呆れたように呟く。


「ま、いいや。2人で話せる?」


 木葉が催促する。その様子に上機嫌になったテレプシコーレは斡旋屋たちを下がらせた。


「こちらへ」


 夜の蝶達の総本山。その最深部に、木葉は歩みを進めた。



…………


……………………


「王都政府は、小娘を集めてなんか良からぬことをやってる。お陰でウチや奴隷売買部門は商売上がったりさ」

「………………」


 嘆くテレプシコーレ。言ってることが屑だってことを自覚してるのかしてないのか。まぁした上でやってるのだろう。


「王都では今、魔族が闇市場を荒らしてるね。暗殺騒ぎはウチらじゃなくて間違いなく魔族絡みだよ。地下街で魔族らしき連中を見たって報告も上がってる」

「……魔族ってそんなポンポン入り込めるもんなの?」

「前に入り込んできた"十月祭"って使い魔は特段強かったから別として、他は誰かの手引きってのが通常通りさね。アタイはどっかの高官が手引きしてると踏んでるけど」


(十月祭……私を攫った使い魔か)


「被害の程は?」

「銅月級が2人、紫月級が8人。お陰で国内の銅月級は残り27人さ。随分強いんだねぇ、その魔族」

「本当に上位冒険者ばっかじゃん。てかそんなホイホイやられる奴がなんで銅月級なんだよ……」

「さぁね?こっちの方でも上の方でも、犯人特定は進んでるけどねぇ。ほら、コレは暗殺騒ぎの資料。言ってくれれば他の案件も調べられるよ」

「助かる。破格すぎてビビってるけど」

「約束、忘れてもらっちゃ困るね。さ、お着替えの時間だよ」


 これ向こうのメリットあるんだろうか?とか思いながら、最悪毒もられた時のことを考えて橋姫状態を保っておくことにする。何かあれば橋姫の自動防御システムが発動するので毒を盛った並びに洗脳や特殊魔法を掛けようと画策した時点でテレプシコーレの首は飛ぶだろう。


「……成る程、一応色々対策済みってわけねえ。その精神は大事よ、益々アタイ好みだねぇ」

「ま、そう言うわけだから変に魔法で私を売り飛ばそうとか考えたら王都ごと蝶々連盟が灰燼に帰すとでも思ってよ」

「50年間生きてきてこんな物騒な娘に会ったのは2度目だよ全く……」


(多分、1度目はカデンツァ・シルフォルフィルだな……ん?え?今なんて言ったこの人)


「ご、50!?嘘でしょ?美魔女じゃん……マジの美魔女じゃん……」

「あら嬉しいこと言ってくれるねぇ。だがアタイは51歳のババアだよ。生憎人間族だしねえ。さて、最高の素材をアタイ好みに調理してやるよ、くっくっく」

「悪そー……」


 と言う訳でテレプシコーレの持つ最高のメイク師達が木葉を着飾らせる。布面積はある程度良識的だったが、木葉的には少ないなと感じた。


「濡れたようなウェーブの黒髪、アメジストの如き紫の瞳。憂いを帯びたどこか闇が垣間見える表情。そこそこ発育の良い体。アンタ、娼婦になったら本気で天下取れるわよ」

「ならないってば。わぁえちえちな下着だな……」

「素材は良いのになんて色気のない服着てんだい。ほら脱いだ脱いだ」


 木葉の陶磁器のような美しい身体が露わになる。シミひとつない少女の美しい身体に、テレプシコーレはおろかメイク師達も見惚れていた。


「これは……想像以上だねぇ。うちに欲しいな」

「あ、ドレス可愛い」

「高級品だよ。汚したらそれこそ娼婦になってもらうからね」

「一応払えるくらいの金はあるからそう簡単に風俗に沈めようとすんな」

「チッ!」


(狙ってんじゃんこのババア……)


 その後なんだかんだで黒のドレスを身に纏い、口に紅を刺し、白粉を叩いてヘアアレンジまでした。高級アクセサリーや胸への詰め物、コルセットなどの影響もあって……。


「……アンタ、本当に15歳かい?今のアンタを見たら国中の男が虜になるよ……神聖王国どころか世界が崩壊するよ」


 と言うレベルの美女になっていた。あまりの色気にメイク師達ですら唾をゴクリと飲み込んで理性が本能に飲み込まれないように抑えている。木葉は首を傾げるが、その幼い動作一つ一つですらくらっとするような色香が出ているのだ。


「満月様……って言われてもアタイは驚かないねぇ。アタイの若い時そっくりだよ」

「マジかよ、私いつか美魔女になるのか」


 本当かなぁと疑う木葉。木葉は家庭環境や異世界での冷遇っぷりからそもそもの自己評価が絶望的に低いので正しく判断できないのも無理はなかった。


「いいねぇ。よし、じゃあ高級娼婦しか入れない闇の世界を見せてやろうか。付いてきな」

「あ、もしかして着替えさせたのって……」

「アンタの化け物級に美しい姿を見たかったのもあるけど、得体の知れない存在を入れる訳にはいかない場所もあんのさ。安心しな、高級娼婦ってのはみだりに身体を晒さない。その神々しいまでの美しさ、気品、そして教養がなによりも求められる。今のアンタは合格だよ、付いてきな」


 ……知らず知らずに木葉、夜の女デビューします。と、木葉は何でこんなことになったんだっけ?と内心苦笑いしながら付いて行った。

橋姫木葉はえっちえちなのでテレプシコーレも大満足の出来なのでしょう。


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