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初恋は終わらない  作者: 葉月二三
出会い編
7/20

1-7



12月23日祝日、今日は早朝から両親がいなかったこともあり、あきるが朝食を作りに来ていた。

にもかかわらず、飯を食べ終わり次第、10時に駅前で待ち合わせと告げて帰っていった。

べつに今から一緒に行けばよくないか?と聞いたが、待ち合わせは必須らしい。

朝食を作りに来てくれた分、準備が遅れたのかね。

女は時間がかかるらしいからな。


待ち合わせ時間ジャストに待ち合わせ場所に着いたが、まだあきるは来ていなかった。

遅刻か?珍しい。


「ごめん、待った?」


ジャストタイミングであきるが声をかけてきた。


「俺も今来たところだよ。」


「知ってるよ!」


走ってきた勢いをのせて、カバンで殴ってきた。

予想外すぎてモロに顔面に当たり、ゴスッと嫌な音がした。


「いてぇよ⁉︎いきなり何すんだよ⁉︎」


「遅いわ!男なら30分前には来るのが常識でしょ⁉︎」


「そんな常識知らねぇよ!ってか俺より遅く来といてそれはねぇだろ⁉︎」


「私は1時間前から待ってたよ!」


「なら9時に待ち合わせればいいだろ⁉︎」


「うるさい!」


今度は拳で殴ろうとしてきたが、さすがに手で止めた。

そしたら綺麗な上段回し蹴りをされ、首がグキッとなった。


「だからいてぇよ!なんでそんな躊躇なく攻撃できんの?」


「龍司が悪い!」


俺が怒ったところでどうにもならないことは今までの経験でわかっているため、早々に諦めた。


「それよりなんでデートなのにジャージなの⁉︎」


「別に服装なんてなんでもいいだろ。」


俺はデートとは思いたくなかったからといったら怒るからだまっとこ。


「で、どこに何しに行くの?」


「男なのに何も考えてこなかったの?」


男だからとか関係ないと思うが…そもそも半ば強制で予定入れられたのに俺がプラン考えるっておかしくね?


「じゃあ俺のプランで行くなら、まずは…」


「まずは?」


「帰るか。」


ビュンッと風切り音が左耳から聞こえた。

腰も入れてないパンチでこの風切り音とか怖いんですけど…

避けなかったら鼻折れてたよね?


「ってかあきるは行きたいとこがあったんじゃないの?」


「…」


これは俺が当てるまで答えないパターンか?

面倒くさいな…

そういやデートって何すんだ?

映画?

カラオケ?

買い物?

遊園地?

仮に夢の国ならもっと早くに待ち合わせるはずだから、遊園地は除外。

他にも候補はいっぱいあるけど、とりあえず新宿に行きゃあなんでもあるから、行ってから探りを入れるか。


「とりあえず新宿行くか?」


「なかなかやるじゃない。私が買い物したいと思ってるってちゃんとわかったのね。」


何様だよ…

まぁ探りを入れる必要がなくなったからいいけどさ。

いろいろあきらめて駅に入ろうとしたところ、襟を引っ張られた。


「ぐえっ。なんだよ?首締まるだろうが⁉︎」


「…」


「だから何?」


「…」


めんどくせー!

今度はなんだよ?

俺が答えを見つけようとしてジッと見ているとカバンを後ろ手にもちかえた。

その後もジッと見ているとスカートを軽く持ち上げた。

あぁ、そういうことね。

なんだかんだいってもあきるも女の子だしな。


「大丈夫だよ。タイツ履いてたから回し蹴りのときにパンツは見えてないから。」


求めていたであろう言葉をいって改めて駅に入ろうとしたら、背中にドロップキックをされて、そのまま前に倒れた。


「だからいてぇよ!」


「馬鹿!」


…本当に女ってわかんねぇな。

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