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初恋は終わらない  作者: 葉月二三
独りよがり編
20/20

2-10



貴虎からの電話の内容は美卯ちゃんが夕方から友だちと初詣に行くとのことで、暇になったから俺とあきると一緒に遊びたいとのことだった。


あきるはいないが話があるといったところ、貴虎の家に行くことになった。


貴虎の家は初めてだったが、チャリでの行動範囲内だったから口頭説明でなんとかわかった。

でもあのまま電車で来たせいで駅から結構遠い…

帰りは地下鉄のがいいな。


なんだかんだしているうちに到着し、チャイムを押すと貴虎が出てきた。

そしてすかさず飛びついた。


「貴虎〜!」


だが、貴虎の反射神経は一枚も二枚も上手だったため、綺麗にかわされて顔面から地面にダイブしそうになった。

なんとか手を使って転がったから痛みも軽減できたけど、危なく鼻や歯が折れるところだった…


「なんで避けた⁉︎」


「男からの抱擁なんていらないにゃ〜」


笑顔で拒まれた。

まぁ確かに俺も男からの抱擁とか嫌だな…


「とりあえず上がりなよ〜。話したいことがあるんでしょ〜?」


既にダイブで玄関には入ってしまっていたので、おとなしく貴虎に従うことにした。


てっきり部屋に行くのかと思いきや案内されたのはリビングだった。


理由はこっちの方が広いから〜だそうだ。

向かい合ったソファーに座り、間にあるガラスのテーブルに貴虎が缶コーヒーを二つ置いた。


「で?どうしたの〜?」


「貴虎〜…」




「…熊川くんの本気がわからないっていわれた。」


あきるに脈ありといわれてから拝島桃香に振られるまでのありのままを話した。

それを聞いた貴虎は少し考えてから

間延びした話し方をやめて質問をしてきた。


「今回は誰が悪いと思う?」


誰が悪い?

どういう意味だ?

誰が悪いなんてことはないと思うのだが…


「強いてあげるならば俺に嘘をついて期待を持たせたあきるかな?」


「悪いのはりゅうだよ。」


俺が何か悪いことをしたのか?


「まず、アヒルちゃんがいっていたことが本当だということを前提として話すよ。」


え?


「アヒルちゃんがいってる通りに桃香ちゃんに少しでも気があったのだとしたら、桃香ちゃんが悲しい顔をしたのには理由があると思うんだな。」


「それは俺にしつこく告…」


「違うよ。」


俺の話を否定で遮られた。


「りゅうもいってたよね?知らない相手を好きになる気持ちは普通の人には理解できないかもしれないって。」


「あぁ…」


「桃香ちゃんもきっと理解できないんだと思うよ。」


「だからみんなから拝島のことを聞いて少しずつでも知ろうと…」


「それはりゅうが知りたいから調べてるだけ。ただの独りよがりだよ。現に桃香ちゃんはりゅうのことをほとんど知らない。」


「じゃあどうしろっていうんだよ⁉︎」


「簡単なことじゃないか。りゅうは既に桃香ちゃんの連絡先を知っているんだから、遊びに誘えばいいんだよ。」


とても普通な答えで驚いてしまった。


「普通すぎて驚いた?だけどりゅうはその普通すらできていないんだよ?」


本当にそうだ…

俺はあれから1度も連絡をしていない。


「遊びに誘いすらしていないのに本気なんていわれたって普通は信じられないと思うな。」


何もいい返せない…

たぶん俺は遊びに誘う勇気がなくて逃げていたんだ…

本当はわかってても気づかないふりして逃げ続けた…


「だから桃香ちゃんもりゅうの本気ってのがわからないっていったんだと思うにゃ〜」


またいつもの貴虎に戻った。

つまり話はこれで終わりなのだろう。

あとは自分で考えろということだ。

でも答えはもう決まっている。


「ありがとう。」


貴虎にお礼をいい、すぐにメールを作成して送信。


返信が来るまでの時間はとても長かった。

自分の感覚時間では1時間くらいだったと思う。

実際には5分程度だったのだが…





1月4日に拝島桃香と遊びに行く約束を取り付けた。




3度振られたって、俺はまだあきらめるつもりなんてない。

だって俺が逃げていただけだから。


だから…



初恋は終わらない。

ここまでしか話は作ってません!

これ以降の話は何年後になるかわからないです。

少なくとも他に書いてる作品の方が完結するか、私自身に余裕ができるまで書かないと思います。


ブックマークをしてくれた方には本当に申し訳なく思いますが、両方書き進められるほどの実力がない作者なのですいません…。


まさかブックマークしてもらえるとは思ってなかったので、かなり嬉しかっただけに申し訳なさが半端ないです…orz


ここまで読んでくれてありがとうございました!

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