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1-10エピローグ?
けっきょく俺はまだメールを送れてはいない。
あのあと貴虎は何もいわず、俺も何も話さず駅まで一緒に帰った。
きっと貴虎の優しさなのだろう。
あんなに泣いたのは中学2年のときにあきるを病院送りにしてしまったことで親父に半殺しにされたとき以来だろう。
それだけ泣いたらもちろん目は真っ赤になっていた。
だからあきるに問い詰められるわ母親に問い詰められるわ親父に笑われるわで散々な1日だった。
もうすぐ今年が終わる。
俺はいつか拝島桃香にメールを送ることができるのだろうか…
もう少し感傷に浸りたいだけなのかもしれない。
俺はただただメモ帳を眺めた。
「キモっ!」
なぜか俺の部屋にいるあきるのせいで雰囲気も何もなくなってしまったが、あきるのおかげで学んだことも一つある。
俺があきらめないかぎり、可能性は0じゃない。
初恋は終わらない。




