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とりあえず旅に出よう  作者: ゆたか
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いつだって旅の始まり

大魔王ルナを目がけてレオナルドは大きく切りかかる。ルナの前を立ちはだかるようにライメルが大剣で防ぐとレオナルドとライメルは剣をもう一度強く打ち付けた。力と余裕はライメルが勝っているのか合わせた刃越しに見えるライメルはニヤニヤしている。ギリギリと鳴る刃はレオナルドの方へゆっくりと押し倒されていく。「どうしたよ。もう諦めモードか?」その言葉に力をもう一度込め直してレオナルドはライメルへと剣をもっていく。その離れた斜め後ろからポンポンポンと魔法をマシィがレオナルド目がけて放ってきている。「ちょ!ずるいぞ!」弱い弾数をガンガン当たりながらマシィに文句を言うレオナルド。「貴様はタワケか。戦場で弱っているものを束で叩いて何が悪い。」ライメルの後ろにいたルナが気がつけばレオナルドの背後に立って銃を撃つ前である。するとまたその背後から勢いよくルナめがけて槍がつきかかり銃を撃つ寸前でルナは横に逃れた。ルナが横に逃れると正面に見えたライメルに向かってナイフが投げられてくる。勘付いたライメルもレオナルドを押しのけて避けた。「レオナルドさん大丈夫ですか?!」ヒナムギが後方から声をかける。「おお!二人とも助かったぜ!」レオナルドが二人に礼を言っているのを構わず魔法をぶっ放してくるマシィ。「さっきからてめぇはちょこまかとー!!」じみぃーにちょっとずつダメージを与えてくるマシィに苛立ちレオナルドはダッシュで駆け寄ったあと大ジャンプしてマシィに切りかかろうとした。大ジャンプの間にルナが新しい銃で発砲してくる。剣で弾を防ぐのに精一杯で着地に失敗したレオナルドの脇腹に渾身の一撃を込めてマシィが杖でぶん殴った。もろに食らったせいで脇腹を押さえて崩れこんでしまう。それを助けようとマシィにリナとヒナムギが束でかかってきた。マシィはヒョイヒョイと避け「はい、バトンタッチ。」ライメルの後ろに逃れると大剣で二人の相手をしだした。接近戦でヒナムギとリナは素早い動きをしているがライメルはうまいこと避けたり弾いたりしている。それを助けようとレオナルドが立ち上がろうとしたが後頭部からまた杖でバッティングされ地面に倒れこんでしまった。すると横からマシンガンでみんなめがけてルナがぶっ放してくる。「はははっ。もっと面白くするよー!」敵味方関係ない常態になってきてしまった。「ちょっとお姉ちゃん!めちゃくちゃじゃないの!」ライメルの大剣を盾に三人共非難している。「ふはは。お前のねーちゃんムチャクチャするなー」面白可笑しく笑いながらライメルがリナに言う。「笑い事じゃないわよー」どうにかしてという感じのリナである。「あ、あっちはあっちで盛り上がってるみたいですよ。」かがんだヒナムギがレオナルドとマシィを見ている。「お前は、はぁ、いっつも、はぁはぁ、ひょうひょうと変な事しやがって!ぅおりゃ!」レオナルドは剣をマシィへふりかざすもマシィはヒョイッとかわしてポンポコ魔法を撃ってくる。レオナルドの剣裁きが悪いのではないのに全く当たらないうえにマシィの弱い魔法に当てられてしまう。「くっそー何でなんだ。」息のあがったレオナルドとひょうひょうとしているマシィめがけて今度はルナがマシンガンを撃ってきた。どうやら標的が変わったようである。それを何食わぬ顔で大魔法で応戦するマシィ。レオナルドもろともルナに向かってぶっ放す。ドッガ-ン!氷の柱がルナめがけて地面から立ち上がってくる。辺りはマシンガンと氷魔法のせいで視界が曇っていた。静けさが戻るとようやくお互いの姿が確認できた。


「昨日の味方は今日の敵か。一番くせ者と思っていたよ、マシィ・・・」「敵を倒すならまずは味方からっていうもんね・・・力を溜め込んだ側近に天下を取られるがいい。」ルナとマシィは台詞を吐くとケタケタと不吉な笑い声を出していた。「これはもう大物対決になりましたね・・・。」ヒナムギは立ち尽くして言った。あきれたようなため息を吐くとリナはその場に腰を下ろし高みの見物としたらしい。みんなの様子を見てライメルもその場に座って見物とした。

ぶっ飛んだレオナルドが何処からともなく降ってきたのを合図に二人の対戦が始まる。マシィが氷の矢を放つとそれを防ぐべくルナはマシンガンを撃ち回した。そのあとにマシィめがけてカノン砲を撃ってきた。それに対応してマシィは氷の壁を作り砲弾を防ぐ。マシィは壁で防いでいる間に何か長い呪文を唱えだした。杖を天に掲げると空はみるみるうちに曇りだし曇天の空のは大きく渦ができだした。稲光が雲一面に走り出し電気は飽和状態になってきている。「くっ!マシィめ、いつの間にこんな大魔法を習得したのだ。だがしかし!私はその上をいくのだよ!」マシィの大魔法がくりだされる前のルナは手持ちのスイッチを押した。数秒すると曇天の渦の中心から眩い光が差し込んできた。「ちょ!これみんな直撃じゃない!?」リナが言ってみんなが非難する間もなく宇宙からレーザービームが照射された。ちょうどマシィの大魔法も発動したらしくあいまって威力は相当なものになった。


あっという間に視界は真っ白になり、気がつけば元のバーチャルルームでみんな目が醒めた。「・・・助かったみたいだな・・。」みんなまだ何が起こったのか飲み込めていないような感じで呆然としたり、唖然としたりしている。「お疲れ様でした。全員同時ゲームオーバーのため自動的にエンディングになりました。装着されたヘッドセットは机の上においてお足元に気をつけて退出して下さい。」終わりのアナウンスが流れる。どうやらルナとマシィの大攻撃でみんなやられたらしい。それぞれが安堵の声を出しながら出口へ向かう。


「なかなかいいできだったねー」ルナが腕を空に伸ばしながら感想を述べた。「いや、リアルすぎてマジで怖かったから。」ライメルが笑いながら言った。「っていうかルナさんとマシィさんがムチャクチャだったんですよ~」「そうよ!いっつもあんな感じで周りを振り回すんだからついていけないわよね。」ヒナムギとリナが不満を述べる。


「・・・。・・・。」

「れおたん、どーしたの?」マシィのぼそりと言う問いかけにレオナルドは歩みを止めた。「俺、ブレブレだよな・・。」地面を見ている顔は陽が傾きだしたのもあってかとてもションボリして見えた。「ん?ゲームつまんなかった?」ルナがレオナルドを気遣っている。「いや、そうじゃないんだ。口じゃ達者なこと言っておきながら全然守れてなかったし、相手にもなってなかった。俺は何を求めて進んできたんだろうなって、そう思ったんだ。」垂れ下がる手は何を掴むでもなく握ったり開いたりしていた。

「そんなことないですよ。」リナが真っ直ぐレオナルドに向いている。「レオナルドさんが助けてくれたお蔭で私は仕切りなおせたんですから。それに迷っても大丈夫だってレオナルドさん言ってたじゃないですか。」

リナの言葉を納得するかのように何度か軽く頷いた後、みんなの方へ歩き出した。来たと同時にライメルがレオナルドに肩組みした。「それを見つけるために旅をするんだろ?しょぼくれんなよ。俺がまた相手してやるからよぉ。」笑いながら軽くウインクをした。 



都で用事を済ました後、すぐさま旅の続きをすることになった。都は変わらず朝から活気付いている。修行にとヒナムギも一緒に行くと言い出し、ライメルも特に用事はないが一緒に旅をすることとなった。


「っていうかあんた会社は?」何故か一緒に道を歩いているルナ。「あぁ、私も旅したくなって。帰る必要がある時はリナに迎えに来てもらうから大丈夫だよ。」平然と語るルナを見てマシィ以外リナに同情した。

「あ、じゃあ私、勇者!」先頭を歩くルナ。

「じゃあ私も勇者~」マシィが横に並ぶ。

「えぇ~じゃあみんな勇者にしましょうよ~」マシィの隣に駆け寄ってライメルとレオナルドに言うヒナムギ。

「ふはは。いいね。じゃあみんな勇者ね。」笑いながらレオナルドを連れて前に出るライメル。

「は!?勇者多いだろ!」みんな横ばいで笑いながら歩く。



旅はこうでなくては。


レオナルドと仲間になったみんなの旅は始まったばかりである。


























































































































































































































































































































































































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