片見月(200文字小説)
女の膝枕で月を眺める。
「今日は十五夜か」
「十三夜の夜も来て下さいね。片見月は縁起が悪いと言うから」
男の顔を見下ろして女が言った。
十三夜の夜…。
女は男を待っていた。
「もういいだろう」
「もう少しだけ…」
「大店の若旦那に見受けして貰えるってのに」
結局、男は現れず女は遊里を出た。
男は別の場所で別の女を抱いていた。
「火事だ!」
男は驚いて飛び起きたが、逃げる間もなく炎に包まれた。
月はいっそう美しく輝いていた。
女の膝枕で月を眺める。
「今日は十五夜か」
「十三夜の夜も来て下さいね。片見月は縁起が悪いと言うから」
男の顔を見下ろして女が言った。
十三夜の夜…。
女は男を待っていた。
「もういいだろう」
「もう少しだけ…」
「大店の若旦那に見受けして貰えるってのに」
結局、男は現れず女は遊里を出た。
男は別の場所で別の女を抱いていた。
「火事だ!」
男は驚いて飛び起きたが、逃げる間もなく炎に包まれた。
月はいっそう美しく輝いていた。
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