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青月の薔薇  作者: あをに
6/9

彼の夢2

「__ユリアーナ??」

ユリアーナって誰だ?恋人の名前か?

いや、恋人はいなかったはずだ。

奴から取り戻す……奴って誰だ?

そこにはいつもの紳士らしい優しい顔はなく、物凄い形相の奴がそこにいた。

「あいつも、あんな顔するんだな。」

……にしても、折角あいつから仕掛けてきたのに、あの悪夢のせいで、発展させることができなかった。

こんなんじゃ、いつまで経っても殺せやしない。

とにかく、考えれば考えるほどおかしくなってきそうだ。

布団にダイブし、いつの間にか眠りについていた。


「……ん、朝か……」

「随分と、いつもの怖い形相じゃなく、可愛い顔だね。」

「うわあっ!?な、なんで居るんですか……」

「結構前から居たよ。レオンは警戒心強そうだから、すぐ起きるかと思ったが、案外そんなことなかったな。」

「そ、そんなのひどい……」

「ははは、済まなかったな。……で、昨日の夢、本当に覚えてないか?」

「……え?」

「僕はね、君の叫び声から察したような夢を、見たことがあるんだ。」

「……」

「まあいいさ。今日は仕事があるんでね、何かあったら、ドミニクに言ってくれ。」

「は、はい。あ、あの……」

「ん?」

「失礼ですが、エーベルさんって、どんな仕事を...?」

「まあ、証券会社系の社長かな?まあ、たいしたことはやっていないさ。」

「そうなんですか?」

「ん?何か、腑に落ちていないようだね?」

「いや、あの、やっぱり、あの図書室の吸血鬼関連の本、多いと思うんです。あと……鍵が掛かっていた所も、多く見受けられました。なので、本当に、そういう関連の、例えば」

「ヴァンパイアキラー……とか?」

「……はい。ヴァンパイアキラーとか、です。……そうなんですか?」

「本職ではないさ。まさか、出会ってまもない少年にばれるとはな。レオン、君は人を観察する能力、つまりは洞察力に長けているね。」

「そ、そんなことありません。」

「いや、そんなことあるよ。是非とも、私の職の手伝いをしてほしいものだ。……レオン、君は吸血鬼を信じているかい?」

「……信じられるものは、目に見えるものだけです。僕は、吸血鬼を見たことがないから、今は信じていません。」

「ははは、君はバカ正直だね。」

「そ、そんな」

「すまないすまない、どうか怒らないでくれ。いや、そんなバカ正直だからこそ、そんな能力が備わっているのだろうな__それに__」

「?」

「いや、何でもない。」

「……あ、あの、ヴァンパイアキラーって、どんな事をするんですか?」

「そうだな……何かをする、という訳じゃなく、私達は吸血鬼に肉体的に触れると、浄化させられる。」

「……肉体的に、触れるというのは?」

「自分に含まれる成分を、相手に注げばいい。例えば血とか。汗とか唾とかはあまり効果はないらしいな。まあ、精液とかも、可能らしい。それが1番、手っ取り早い方法かもな。」

「肉体的って、そういう事ですか……」

「ああ。生々しいが、本当なんでね。」

「ヴァンパイアキラーって、家で継がれる物なんですか?」

「あ、ああ。私、ブルーメンタール家は、列記としたヴァンパイアキラーの家系だ。ヴァンパイアキラーの仕事は、代々二つの家で継がれてきた。1つは、我が家、もう1つはクンツェンドルフという家さ。……っといけない。これじゃあ、会社に間に合わないね。すまないが、この話はまた今度。じゃ、行ってくるね。」チュ

「!?」

突然おでこにキスされた。

「君が悪夢を見ないように。まじないだ。」

「……あ、ありがとうございます……?」


なんだよ、あいつ。

なんか、殺すタイミングつかめねェ……

人というものは、大体、スキがあるものだ。

しかしあいつは、スキどころか、本心がよく分からないような奴だ。

あいつは、俺をどのように見ているのだろうか。

待遇的に、まるで、俺、あいつの子供みたいな……

まあ、いい。もう大分慣れちまったし、しっかりとタイミングをつかまなくては。


***


__君は?


__僕は、君さ。


__意味が分からない。


__正確に言うと、僕は君の力だ。


__……


__奪われてから、君はそんなことも忘れてしまったのかい?


__もう一度聞く。お前は誰だ。


__僕はね……


____君の***さ...!!!____




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